連帯ユニオン関西地区生コン支部への権力弾圧をめぐる公判(湖東協事件)が6月5日、大津地裁で開かれました。この日は証人尋問が行われました。
公判終了後、弁護団を代表して永嶋弁護士に公判の解説と今後の方針を述べていただきました。

永嶋弁護士のまとめ(抜粋)

この間の公判の内容を聴いた方はよく分かると思う。今回の証人は、セキスイハイムの現場の生コン打設の下請けの人間とユニット(建築資材)を運んでいた運転手だ。

午前中は生コン打設の下請けの人間に対する尋問が行われた。
証人は「道路の使用許可証は持ってきていない」。「使用許可の条件に、ガードマン2名との条項があるのに何も(用意)していない」。コンプライアンス活動を行う組合員に指摘されるまで「使用許可の条件も見ていなかったし、そのような条件になっているのも知らなかった」と証言した。
さらに、現場から汚水が流れていて、それを確認したらph(ペーハー、その液体が酸性なのかアルカリ性なのかをあらわす尺度)で12とか13の水(強アルカリ性)を流していたと証言した。
このようなことは検察官からは全然出てこなかった。検察官は「だまされた」というようなことを言わせているが、(弁護人の)反対尋問によりこれらが明らかになった。

午後はユニット(建築資材)を運んでいた運転手に対する尋問が行われた。
車検済みのステッカーを(フロントガラス)スモークのところに貼っていて、外からは見えない状態だった。(現場に来た)警察官に指摘されて運転手は貼り直した。「長い時間、仕事を止められた」と言うが、そもそも警察官に言われるまで待っていたからとまっているのであって、組合員に指摘された段階ですぐに貼り直して出て行けばいいものをそうしなかっただけだ。これが威力業務妨害と言えるのか・・・?
このことを威力業務妨害として起訴しているが、「これが威力か」という疑問と「どこに業務の妨害があったのか」という疑問が残る。普通の感覚を持っている人が本日の尋問を聞いたとしたら「どこにも犯罪がない」と思うだろう。検察にとっては最も大事な被害者の証言だったが、逆に無罪を裏付けるものになった。

ところが、裁判官は午前中の尋問で証人がすいませんでしたという感じになっているところで、「ミキサー車の中には生コンが残ったんですね」と発言。(現場で)数々の法律違反をしているからこそ生コン打設ができなくなっており、それが原因で1立方メートルの生コンを残してミキサー車を返した。それにもかかわらずこの裁判官は「その1立方メートルの生コンはどうなったのか?」と尋ね、わざわざ証人に「捨てました」との証言をさせている。検察官もそんな質問をしていないのに、そういう確認をしていた。
このような態度をとる裁判官がこの事件を担当している。これからもこの裁判に対する監視の目を強めてほしい。

以上のように述べたあと永嶋弁護士は「本日は東京からも労働組合の代表者が駆けつけ、数多くの署名を持って提出した。このような運動を積み上げることが大事だ。6月4日には関生支部の仲間の1人が保釈された。残り7名の仲間には1日でも早く出てきてもらい、現場での運動に復帰してもらうように弁護を続けるので、これからもよろしくお願いする」と激励の言葉と今後の方針を述べていただきました。永嶋弁護士には感謝します。ありがとうございました。
勝手連・滋賀や労働組合つぶしの大弾圧を許さない実行委員会・大阪のみなさんをはじめとした支援者のみなさん、裁判傍聴へのご支援ありがとうございます。今後もご支援ご協力のほどお願いします。

署名提出に対する大津地裁・滋賀県警の卑劣な対応に抗議する

全国の支援者から協力していただいた署名を6月5日、滋賀県警と大津地裁に提出しました。
事前にアポをとり、署名を提出する人数も確認していたにもかかわらず、大津地裁・滋賀県警は、写真撮影を禁止する、署名の受領証を拒否するなど、卑劣極まりない対応に終始していました。私たちはこのような大津地裁・滋賀県警の対応に強く抗議します。

「労働組合つぶしの大弾圧を許さない実行委員会」への賛同の呼びかけ
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