大阪第二次事件 論告弁論

連帯ユニオン関西地区生コン支部への権力弾圧をめぐる公判(大阪第2次弾圧事件)が6月12日、大阪地裁で開かれました。
この日は、N執行委員とYさんに対する論告弁論が行われました。このなかで検察側は2人に対し「懲役2年6月」を求刑、弁護側は2人の「無罪」を主張しました。

まとめ、太田弁護士

検察官の論告は聞いていて分かりづらかったと思う。この論告は本当に証拠に基づいて書いているのだろうか、というのが私の印象だ。(公判の)最後に私が言ったが、100円整備基金とか10億円の話は、G氏は「私はよく知らなかった。入ったときには決まっていた」という話で、特に、「反対した」ということは言っていなかったと思う。だから、検察官は無理から色々なことを引っ張り出して、客観的な証拠がない。G氏の言い分などしか証拠として出せていない。よって、客観的な証拠でこちらに不利なものはほぼない。だから、ストライキの目的から潰しにかからなければならないというところで、かなり難しい論告だったのかなと思っている。
ただ、この事件は、映像が残っているので現場でやっていることは客観的に明らかだ。問題は、映像を見て、裁判官が威力業務妨害に当たると判断するのかどうか。あとは、組合活動として正当な範囲内かどうか。さらに、共謀があったのかどうか。
今日、私が言ったとおり、N執行委員は現場からの報告に対して指示はしているが、現場を見てない。誰も、「N執行委員が『実力を使ってでも止めろ』と言っていた」などとは言っていない。そうすると、N執行委員が指示したということをどこで証明するのか。証明するものがない。そうすると、「N執行委員は分かっていたはずだ」というようなことになるが、裁判官がそういう破廉恥な判断をするのかというと、そういう判断をする危険性はある。なので、全然安心はしていない。
今回から裁判官が代わったが、向かって右の一番若い裁判官が、以前の公判でN執行委員の尋問の際、ロープを張っている状況を聞いて、それにどう対応したのかと私が聞いたあとに、「ロープはどういう状況だったのか?」と分かっていることを前提に聞いた。私はそこで、「N執行委員は見てないと言っている」「電話で聞いただけだ」と反論したが、そういう発想だ。
証拠上は有罪認定できる材料はないはずだが、「多分、分かっているはずだ」「知らないはずがない」「関生支部は今までこんなことをやってきた」というような認定をするのかどうか。それが気になるところだ。
判決公判は10月8日10時からだ。判決はどうなるのか分からないが、多くの人に駆けつけてほしい。それまでの間にも、色々と動きはある。7月4日には東京で国賠訴訟の裁判が開かれる。この訴訟では国と滋賀県、和歌山県、京都府を相手取っている。そういう動きのなかで裁判官も当然、社会の動向には敏感になる。そのなかで関生支部がまともな労働組合だということを分かってもらえれば、判断が変わってくるかも知れない。ここで手を緩めずにがんばっていきたい。

まとめ、井上弁護士

私はYさんの弁護を担当している。Yさんの弁護という観点で言えば、他の人と共通の部分というのは、現場の活動が正当な活動だったのかどうかという点。ここは共通の争点だ。Yさんに関して言えばもう一つ、共謀していたのかどうかというのが大きな争点だ。普通、共謀共同正犯と言うと、「上の立場の人が下の人を支配していて、自分は手を下していないが、影響力をおよぼしたことによって自分が犯罪をおかしたのと同じ」という理屈だ。
では、Yさんは当時どうだったのかと言うと、組合の役職は何もなく、組合のOBだった。G氏から言われて窓口的な役割をしていた。しかし、正式な権限は何もなかった。団体行動にしても「枠外」だった。その状況で、検察はどういうわけかYさんを共謀共同正犯として起訴した。
起訴した当初は「証拠がない、証拠がない」と言ってなかなか保釈しなかった。その後、事件をつくっていかなければいけないということで、どんどん証拠を集めていって、あとから集めた証拠によって何とか起訴に持ち込んでいるが、現在でも証拠が足りていない。
今日の論告でも、相手の証言もないし、こちらも何の証言もしていないのに、通話記録だけから、このときにYさんが誰々とこういう内容の話をして妨害を指示したと。そこまで論告で言っている。それは何に基づいているのかと疑問を持つ部分が多々ある。
検察側は証拠が少ないなかで色々な事実を拾い集めて論告をつくったが、こちらとしてはそれに対してしっかりと反論している。共謀していないということを明らかにしたい。

全国のみなさまへの御礼に代えて PDF

「労働組合つぶしの大弾圧を許さない実行委員会」への賛同の呼びかけ 
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公判が日程変更や中止になっています。確認お願いします。

労働組合やめろって警察にいわれたんだけどそれってどうなの(憲法28条があるのに…) 単行本 – 2020/3/6
連帯ユニオン、葛西 映子、北 建一、小谷野 毅、宮里 邦雄、熊沢 誠、海渡 雄一、鎌田 慧、竹信 三恵子(著)

内容紹介
戦後最大の「労組壊滅作戦」が進行。
警察・検察・裁判所による弾圧。
権力と一体となった業界あげての不当労働行為。
関西生コン事件の本質を明らかにする!
ストライキやコンプライアンス活動を「威力業務妨害」「恐喝未遂」として89人逮捕、71人を起訴。
委員長と副委員長の拘留期間は1年5か月超。
取り調べで「組合をやめろ」と迫る警察。
家族に「組合をやめるよう説得しろ」と電話をかける検察。
組合活動の禁止を「保釈許可条件」とする裁判所。
いったい誰が、なんのために仕掛けているのか「?関西生コン事件」の真相。お問い合わせは、連帯ユニオンまで TEL:06(6583)5546 FAX:06(6582)6547
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