住民の怒りの声と運動でイージス・アショア配備を撤回

河野防衛相は6月15日、陸上配備型迎撃ミサイルシステム「イージス・アショア」を秋田県と山口県に配備する計画の停止を発表しました。安倍政権は配備計画の撤回に追い込まれました。

「トランプ来日直後の決定」

元防衛省幹部は今回の発表について、「防衛省で下から積み上げて検討したのではなく、アメリカに言われ官邸主導のトップダウンで導入が決まった。『導入ありき』で進めたのが間違いであり、配備計画の中止は当然だ」と話しました。
安倍政権が導入を決めたのは、2017年12月に来日したアメリカ・トランプ大統領が米国製兵器の大量購入を迫った直後の決定でした。

「防衛省の誤った説明に怒り心頭」

配備先は秋田県の陸上自衛隊新屋演習場と山口県の陸自むつみ演習場です。両地域の住民は、迎撃ミサイルのブースター(推進装置)が民間地に落下する危険があるのではと大きな不安を抱えていました。
防衛省は、「新屋演習場では海上に、むつみ演習場では演習場内に落下するから安全」と住民に説明していましたが、今年5月に演習場や海上に落下させるにはシステム全体の大幅改修が必要だと判明したのです。
河野防衛相は、「改修には約12年、費用は2千億円以上かかる」という見通しを示し、「コストや期間を考えると合理的ではない」と述べ、計画の停止を表明しました。
また、昨年6月には防衛省の地元説明資料に誤りがあったことも発覚。住民の怒り心頭のなかでの表明でした。

「国会答弁のいいかげんさ」

昨年6月に、野党から質問された当時の岩屋防衛相が「(ブースターは)演習場内に落ちる」と明言していたことが問題になった6月16日の衆院安全保障委員会では、野党から「いいかげんな答弁」「虚偽だったのか」という追及に対して、河野防衛相は「おわび申し上げます」と謝罪しました。

「今回の闘いの成果をつなげて沖縄・辺野古新基地建設を中止に追い込もう」

地域住民の怒りの声と反対運動が、イージス・アショア配備計画を撤回に追い込むという成果をあげたのです。
また、アメリカ・トランプ政権の圧力と要求に応えるために安倍政権が進めてきた、アメリカ製兵器の「爆買い」路線の破たんを示すものとなりました。
今回の成果をつなげる闘いを沖縄に展開することが、私たちに求められています。沖縄の民意を無視し、軟弱地盤の発覚で技術的に破たんし、莫大なコストと期間を要する沖縄・辺野古新基地建設を中止に追い込む運動を強化しましょう。

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