大阪第2次弾圧事件・湖東協事件・タイヨー生コン事件の併合事件 大阪地裁

連帯ユニオン関西地区生コン支部への権力弾圧をめぐる公判(大阪第2次弾圧事件・湖東協事件・タイヨー生コン事件の併合事件)が7月30日、大阪地裁で開かれました。
この日は弁護側の証拠調べ請求などが行われました。

まとめ、位田弁護士

(この裁判で審理されているのは)倉庫の増築工事の現場でコンプライアンス啓蒙活動をしたり、あるいは、フジタの会社前でビラまきをしたということ。これらの行為が工事で使用する生コンを協同組合のものに変更させることを目的にして行われていて、恐喝未遂に当たるという事件(湖東協事件)がひとつ。
それともうひとつは、滋賀県にある生コン会社(タイヨー生コン)の社長から人を介して「会いたい」と武委員長に連絡があって、実際に会った。会合の際にその社長がお金を持ってきた。関生支部は当時、新しい会館建設のためのカンパを募集していたので、そのカンパとして受け取るということでいいかと確認して相手も了承した。これが恐喝に当たるというのがもうひとつの事件(タイヨー生コン事件)だ。
これらの事件についてはこれまで大津地裁で審理が行われ、検察側の立証がほぼ終わるという段階で、大阪地裁に移送され、大阪地裁で以降の審理を行うことになっている。
それで、現在は弁護側の立証という段階に入っている。弁護側から「これは事件ではないんだ」「正当な労働組合活動なんだ」と主張している。前回の公判では弁護側の冒頭陳述をした。関生支部の取り組んでいる運動が産業別労働組合運動としてどういう意義があるのか。それは生コン産業の産業構造とも関連して、関生支部の運動ができあがってきたという説明をした。さらに、今回の刑事弾圧が、大阪広域協組による一連の組合潰しと連携した、国家権力による組合潰しであり、公訴権の濫用に当たるんだという主張をしている。それと、さきほど言った滋賀でのふたつの事件についても正当な労働組合活動であり、違法性はなく、無罪に当たるという主張をしている。
今日は、前回に引き続き、いくつか証拠書類を取り調べてほしいと裁判所に請求した。今日、提出した証拠は、大阪広域協組が2017年12月のストライキ以降、いわゆる「連帯系」と言われる生コン輸送会社などに仕事を回さないようにしたが、それにかかわる大阪広域協組の議事録や通知書だ。そして、そうした行為のために組合員が職場から排除されたことに対して組合側が労働委員会に申立を行い、勝利命令が出ているので、そういった労働委員会の不当労働行為救済の勝利命令書などを証拠請求した。
それと、4名を証人請求した。そのうち2名は、実際にフジタの工事現場でコンプライアンス啓蒙活動に従事した組合員だ。あとの2名はフジタの大阪支店前でビラ配布をした組合員。この4名に、当時のコンプライアンス啓蒙活動はこういうものであり、ビラ配りはこういう目的でやったんだと証言をしてもらい、その正当性を立証していこうと考えている。今日の公判で検察側はこちらが提出した証拠書類について全て不同意だと言ってきた。今日の公判はそこまでで終了した。
閉廷後、裁判所・検察・弁護団で協議をした結果、次回の公判(9月17日10時から)では現場のコンプライアンス啓蒙活動に携わった組合員1名の証人尋問を行うことに決まった。引き続きの傍聴支援をお願いしたい。

あいさつ、武委員長

今日は本当にお忙しいなか、はるばる北海道や名古屋、各地から傍聴にお出でいただき感謝申し上げる。また、傍聴だけではなく、各地域で弾圧に対する取り組みを熱心にしていただいている。これについても心から感謝申し上げたい。
みなさんの運動がなければ、もっと長期に勾留されていたと思う。しかし、この運動が北海道から沖縄に至るまでずっと広がったということ。そして、その運動がついに、黒川検事長を辞めさせるところにまで発展した。そうした運動がさらに長期に勾留したいという権力の思惑を打ち砕いた。それでも1年9ヵ月。これだけ長期に勾留されるというのは、労働運動ではこれまでなかったのではないか。
現在、残念なことに「三権分立」というのは建前だけになっている。実際には、警察・検察・裁判所、そして行政、これらは一体になっている。特に2000年以降はひどいものだ。2000年までは労働事件で逮捕されても22日間で保釈された。今は最低でも半年は勾留される。今回は1年9ヵ月だ。
こうした状況になっている理由のひとつは、日本の労働運動が全く体をなしていないということがある。権力に抵抗する力が非常に弱まっている。残念ながら市民運動も分断されている。民主主義や人権を守るという立場の勢力全体が弱くなっている。よって、権力が好き勝手なことをしている。それが現状ではないか。
今回の弾圧では、私は6つの事件で起訴されている。しかし、これらは全て、労働組合の正当な活動だ。もしこれらの行為が有罪になるであれば労働組合は活動できなくなる。思い出してほしい。戦前の権力は、治安維持法を使ってそういうことをやっていた。今やっていることは戦前回帰だ。こんなことが許されるのか。
そして、一連の捜査は、暴力団対策法の拡張適用と言える。この法律は1990年代の終わりにつくられた。私はこの法律が制定されるとき、必ず労働運動・市民運動に拡張適用されると反対した。しかし、ほとんどの政党はこれに反対することなく、審議も不十分なまま通ってしまった。それが今、私たちに襲いかかっている。さらに、今回の弾圧は「共謀罪のリハーサル」だと言われている。
この弾圧は、所轄の警察や地方の検察ではなく、もっと上の意図によって行われている。はっきり言えば、安倍・麻生のラインからの攻撃だ。さらに、維新の会ともつながっている。現実に、維新の会の国会議員が関生支部を誹謗中傷すると同時に、大阪の生コンは高すぎると国会で追及している。つまり、彼はゼネコンやセメントメーカーのために動いている。
この弾圧のなかで何が起きているのか。
日々雇用労働者の賃金が下がっている。これまでは日額2万5千円の職場があった。ところがある職場では日額1万9千円に引き下げられている。この先もっと引き下げられるだろう。そして、休日だった土曜日が通常の稼働日のようになっている。そして、生コン輸送運賃を日額5万5千円に引き上げると言いながら、実行していない。その一方、原材料であるセメントの価格はどんどん上がっている。生コン価格は今のところは高値でとどまっているが、そのうち下がるだろう。
今、大阪広域協組を実質的に仕切っているのは、GとOの2名の副理事長だ。彼らのやり方は恫喝的で、自分の利権を確保するために協同組合を利用している。セメントメーカーはうまく彼らを利用している。なぜか。彼らはすねに傷を持っているので、辞めさせようと思えばいつでも辞めさせることができる。だから、利用しているのだ。
一連の攻撃・弾圧に対して負けるわけにはいかない。闘いはこれからだ。断固として闘い抜く。

「労働組合つぶしの大弾圧を許さない実行委員会」への賛同の呼びかけ 
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またもや、組合側勝利命令!←吉田生コン地位保全等仮処分申立事件

公判の日程に誤りがありました。ご確認お願いします。

労働組合やめろって警察にいわれたんだけどそれってどうなの(憲法28条があるのに…) 単行本 – 2020/3/6
連帯ユニオン、葛西 映子、北 建一、小谷野 毅、宮里 邦雄、熊沢 誠、海渡 雄一、鎌田 慧、竹信 三恵子(著)

内容紹介
戦後最大の「労組壊滅作戦」が進行。
警察・検察・裁判所による弾圧。
権力と一体となった業界あげての不当労働行為。
関西生コン事件の本質を明らかにする!
ストライキやコンプライアンス活動を「威力業務妨害」「恐喝未遂」として89人逮捕、71人を起訴。
委員長と副委員長の拘留期間は1年5か月超。
取り調べで「組合をやめろ」と迫る警察。
家族に「組合をやめるよう説得しろ」と電話をかける検察。
組合活動の禁止を「保釈許可条件」とする裁判所。
いったい誰が、なんのために仕掛けているのか「?関西生コン事件」の真相。お問い合わせは、連帯ユニオンまで TEL:06(6583)5546 FAX:06(6582)6547
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