戦争への道に突き進む菅政権を打倒しよう!
「学者の国会」ともいわれる日本学術会議が新会員として推薦した105人のうち6人が、菅首相によって任命されませんでした。政府から理由の説明は一切なく、長年守られてきた人事の独立が破らたことに、日本学術会議の会員らからは「学問の自由を保障する憲法に反する行為」と批判が相次いでいます。
「排除された6人の学者は」
任命されなかったのは、政治や憲法、行政法などの研究者6人で、安全保障法制や「共謀罪」法に反対の立場をとってきた人たちです。
〇宇野重規・東京大教授(政治思想史)2013年12月、特定秘密保護法案に反対の立場を表明。「安全保障関連法に反対する学者の会」のよびかけ人。
〇岡田正則・早稲田大教授(行政法学)沖縄県名護市辺野古の米軍新基地建設問題で政府の対応に抗議。「安全保障関連法の廃止を求める早稲田大学有志の会」のよびかけ人。
〇小沢隆一・東京慈恵会医科大教授(憲法学)国会の中央公聴会(2015年7月)で安全保障関連法案について「憲法上多くの問題点をはらむ法案は速やかに廃案に」と主張。
〇加藤陽子・東京大教授(日本近代史)憲法学者らでつくる「立憲デモクラシーの会」よびかけ人。「特定秘密保護法に反対する学者の会」のよびかけ人。
〇松宮孝明・立命館大教授(刑事法学)「共謀罪」の趣旨を盛り込んだ組織的犯罪処罰法改定案の国会参考人質疑(2017年6月)で「自由と安全が危機にさらされる戦後最悪の治安立法」と批判。
「政府の法案などに反対の立場を取っていた」
岡田正則・早稲田大教授(行政法学)は、米軍普天間飛行場の移設問題で、沖縄県に対抗する防衛省がとった法的手続きについて、「行政法の常識からみて異常」と批判していました。
宇野重規・東京大教授(政治思想史)は2013年12月、ほかの研究者らとともに特定秘密保護法案に反対の立場を表明。
加藤陽子・東京大教授(日本近代史)と松宮孝明・立命館大教授(刑事法学)は、「共謀罪」法案などに反対の立場を取っていました。
「戦争を目的とする科学の研究は絶対にこれを行わない」
日本学術会議は、「科学者が先の戦争に協力した反省」を踏まえ、国内約87万人の科学者を代表し、科学政策について政府に提言したり、科学の啓発活動をしたりするために1949年に設立されました。任期は6年で、3年ごとに半数が交代します。
1950年と1967年には、軍事研究のあり方について「戦争を目的とする科学の研究は絶対にこれを行わない」旨の声明を発表。安倍政権下の2017年には、過去2回の声明を改めて出しました。
「最先端の技術はいつでも軍事転用できる」
こうした日本学術会議の姿勢に対して、自民党内では根強い不満がありました。最近は、政府主導で軍事技術の推進につなげるため、政府の「総合科学技術・イノベーション会議」に権限を集中させるべきだとの意見も出ていました。
甘利税調会長は今年6月の民放番組で「世界はデュアルユース(軍民両用)で、最先端の技術はいつでも軍事転用できる」と指摘。日本学術会議に触れたうえで「アカデミアがこれはやっちゃいけない、これはいいというのは非常に問題だ」と語っていました。
「萎縮効果を考えている」
広渡清吾・東大名誉教授(社会学法・日本学術会議元会長)は、「日本学術会議法では、会員は学術会議の『推薦に基づいて』総理大臣が任命するとあり、これまでは推薦したとおりに任命されてきた。『今回は法の趣旨を曲げており、違法の疑いが大きく、かつ不当』だ。問題は人文社会系の学者に限定して任命を拒否したこと。現代社会を批判的に分析しないとなりたたない学問が狙い撃ちされている。『萎縮効果』を考えているとしか思えない」と指摘しました。
「戦争への道に突き進む菅政権を打倒しよう」
菅首相は、「政権に批判する役人は排除する」と公言しています。特定秘密保護法や安保法制、共謀罪などに反対した学者を排除する菅政権は、安倍前首相に勝る独裁を強めることで、戦争への道を突き進んでいるのです。
菅政権は、自らの政策や法案に反対するものは徹底的に排除する姿勢をとっているいことから、闘う労働組合やまっとうな声をあげる学者・民衆への弾圧を継続することでしょう。
権力者は、民衆の団結を恐れています。「戦争する国」を阻止するために、弾圧をはね返し、具体的な行動を展開して、菅政権を打倒しましょう。