先人に学び、あらゆる差別を許さない闘いを
アメリカ国内において人種差別を禁止する「公民権法」が1964年に成立し、「合法的な人種差別」は終わりを告げましたが、2020年の「ブラック・ライブズ・マター」(BLM)運動の広がりなど、アメリカが抱える人種差別は簡単に変わっていません。
「モンゴメリー・バス・ボイコット事件が公民権運動の起点」
アラバマ州モンゴメリーの中心地の「デクスターアベニュー」という目抜き通りには、東側に「公民権運動の父」であるキング牧師の教会があり、西側には「モンゴメリー・バス・ボイコット事件」で知られるローザ・パークスさんの像が立っています。博物館には「屈するのは疲れた」とローザ・パークスさん言葉があります。
ローザ・パークスさんは公民権運動の活動家で1955年、アラバマ州モンゴメリーで、公営バスの運転手の命令に背いて白人に席を譲るのを拒み、人種分離法違反の容疑で逮捕された女性です。これを契機にモンゴメリー・バス・ボイコット事件が勃発しました。
この事件で奮い立った公民権運動の指導者キング牧師は、人種差別の撤廃をめざして果敢に闘いました。キング牧師の名演説「私には夢がある」につながりました。
「犠牲者の名を刻んだマスクを着けて」
アスリートが政治や人種などについて発言したり、行動したりすることは長年、タブー視されてきましたが、大坂なおみさんは、全米オープン(テニス)に、警察官らによる黒人への理不尽な暴力への悲しみと憤りを、「犠牲者の名を刻んだマスク」を着けて臨みました。「7枚準備している」「私が決勝まで行けば全部見せられる」との発言に、世界中から注目を浴びました。
「女性解放運動の先駆者」
2020年の全米オープンは、ニューヨーク郊外の「USTAビリー・ジーン・キング・ナショナル・テニス・センター」で開催されました。会場名にある「ビリー・ジーン・キング」氏は、女性解放運動の気運が高まった1970年代、男女の賃金格差に異議を唱え、女性の協会を創設した先駆者の名前です。
センターコートには、1968年の全米オープンで黒人男性として初めて4大大会を制した「アーサー・アッシュ」の功績を称え、彼の名がついています。
「人種差別への抗議」
過去にも、スポーツの大きなイベントで、メッセージを強く発信した選手はいます。1968年のメキシコ・オリンピックでは、陸上男子200メートルで金と銅のメダルを手にした黒人の米国代表2人(金メダル=トミー・スミス、銅メダル=ジョン・カーロス)は、表彰式で黒手袋の拳を突き上げました。しかし、この2人の選手による「人種差別への抗議」は、選手村から追い出されるという代償を払わされれたのです。
「あらゆる差別を許さない闘いを」
ローザ・パークスさんやキング牧師の闘いが公民権運動を前進させました。ビリー・ジーン・キングさん、トミー・スミスさん、ジョン・カーロスさんら先人の意思を引き継ぎ差別と闘う、大坂なおみさんらアスリートの慣習やしがらみにとらわれず、率直に表現する行動には学ぶべきことが多くあります。
外国人差別、女性差別、性的少数者への差別、心身にハンディを持った人への差別、同和問題、ハンセン病差別、いじめなど、私たちの周りにはあらゆる差別が存在します。
新型コロナの蔓延によって、感染者や医療従事者、その家族までもがいわれのない差別に晒さています。
私たち労働組合は、他人ごとにならず、先人たちの差別撤廃の闘いに学び、その闘いを継承し、現場で実践することが重要です。あらゆる差別を許さない闘いを展開しましょう。
「労働組合つぶしの大弾圧を許さない実行委員会」への賛同の呼びかけ PDF
「関生事件」が揺るがす労働基本権
<労働裁判が働き手を素通りするとき> ココをクリック
641日勾留された武委員長が語る
「関西生コン事件」で逮捕された武建一委員長は今年5月29日、641日ぶりに保釈された。その1ヵ月後に収録されたロングインタビューをまとめた本が昨年12月10日発刊された。
・一連の事件は、なぜ起きたのか?
・関生支部とはどのような労働組合なのか?
・武建一という人物はいったい何者なのか?
そんな疑問に事実をもって答える1冊。ぜひ、お読みください。『武建一が語る 大資本はなぜ私たちを恐れるのか』
発行・旬報社、四六判218ページ、定価1500円+税
*全日建(全日本建設運輸連帯労働組合)にお申し込みいただければ頒価1500円(送料込み)でお届けします。多部数の場合はお問い合わせください。
お問い合わせ03-5820-0868
【目 次】
第1章 刑事弾圧
641日にもおよんだ勾留生活/なぜ私は逮捕されたのか/協同組合の変質/労組破壊に参加したレイシスト
第2章 「タコ部屋」の過酷労働
私の生い立ち/「練り屋」と呼ばれて/労働運動に目覚める/関生支部の誕生/初めての解雇
第3章 闘いの軌跡
万博不況とオイルショック/ヤクザと生コン/経済界が恐れる産業別労働運動
第4章 大同団結
安値乱売で「がけっぷち」/大阪広域協組の誕生/シャブコン/2005年の弾圧事件/ゼネスト決行/目指すべき場所
解題・安田浩一(ジャーナリスト)
皆様には御元気で御活躍のことと存じます。
この間、全国の多くの皆様より私たち関生支部に対する国家権力と大阪広域生コンクリート協同組合、差別排外主義者集団が一体となった攻撃をはね返す闘いに、多大な御支援をいただきまして誠にありがとうございます。
このたび、著書『大資本はなぜ私たちを恐れるのか』を昨年12月10日に発行する運びとなりました。
今日まで、私は、会社の雇ったヤクザに5回以上殺されかけたり、刑事事件をでっち上げられ前科5犯にさせられています。
1980年代には日経連の大槻文平会長(当時)から「関生型運動は資本主義の根幹に触れる」と言われ、国家権力とマスコミからは「生コンのドン」「金を企業からむしり取る」などとして「反社会的勢力」とレッテルを貼られています。
それはなぜか。歴史と今日を振り返り、事実を元に書かせていただいています。
是非、一読下さい。
心より愛をこめて
武 建一
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