「大阪市長への申し入れ」改憲・戦争阻止!大行進・大阪市
松井一郎大阪市長に対して「職員の会食にかかる調査」「調査に基づく処分を行わないこと」の申し入れが5月26日、改憲・戦争阻止!大行進・大阪市の呼びかけで大阪市役所でおこなわれました。
「1ヶ月を目処に回答する」
大阪市職、大阪市教組、関西合同労組、関生支部などの代表者9人で、松井一郎大阪市長への申し入れを行いました。改憲・戦争阻止!大行進・大阪市代表の赤田さんが、当局の代表者に「申入書」(下記に明記)を読み上げ、回答を求めました。
当局の代表者は「1ヶ月を目処に回答する。その回答を検討した上、協議する」と応えました。
「都合の悪いことは回答しない松井市長」
申し入れが終わって、申入書の写しを配付するために記者クラブに向かうと、松井市長の囲み記者会見が行われていました。
職員から会見終了が告げられた後、医療関連労組の冨山さんが松井市長に「職員の会食にかかる調査」「調査に基づく処分を行わないこと」を申し入れしたこと、医療現場の実態について指摘、質問をしました。
冨山さんの質問に対して松井市長は「君は職員か」と言ったあと「外部の人にルールをお願いしている立場から、率先してルールを守るということ。処分は減給などはなく、行動は間違っていることをただす」と回答しました。
冨山さんの「そのルールは勝手に市長がっ言っていることだ」との指摘に松井市長は「君、職員じゃないでしょう!」と色をなして答えませんでした。
また、冨山さんは「コロナ感染対策を議論すべきだ。大阪では、十数人が医療にかかれず亡くなっている」との指摘に松井市長は「承知している」と答えました。
さらに冨山さんが「その責任は松井市長にある。私ら医療従事者が医療現場でどんなに頑張っても、公的医療が確保されていなければ命は救えない。大阪市には保健所が一つしかない。これを拡充する権限は、松井市長にある。600人規模の見回りに人を割くのではなく、保健所の応援に回すべきだ。なぜ保健所に応援を出さないのか」との質問に松井市長は「何を言いたいの君」「やれることはやっている」と言い、都合の悪いことだけ回答せずに、逃げるように引き上げていきました。
「新聞・テレビ局から、2人が取材を受けた」
その後、記者クラブに赴き、申入書の写しを配布していると、毎日・朝日・日経・産経・日日の新聞記者、読売テレビ・MBS・関西テレビの記者が、冨山さんと赤田さんに名刺を渡したうえ、2人を囲んだ取材が始まりました。
今回、サプライズでしたが、市職員や医療労働者が直接、松井市長に申し入れすることができました。冨山砲がメディアに興味を持たせたことから、1ヶ月後の回答が待ち遠しく、松井市長の回答が注目されます。
「21年5月16日、大阪市長松井一郎様『申入書』改憲・戦争阻止大行進大阪市」
申し入れの内容は次の通り。
①「職員の会食にかかる調査」を直ちに中止すること。②上記調査に基づく一切の処分を行わないこと。
(趣旨)本年4月以降、「職員同士の5人以上での会食または21時以降における会食の有無」について調査が行われ、4月27日付け「職員も会食にかかる調査結果について」「教職員の会食にかかる調査結果について」において、人事室調査で1.164人、教育委員会事務局調査で447人が該当したとされています。
現在、処分のためにさらに詳細な調査が行われているようですが、世界的に見ても重大な大阪の医療崩壊を前にして、こんな調査のために人員を割いている場合ではありません。これは総合区と広域行政一元化、ひいては道州制・改憲の実現に向けた、公務員バッシングのパフォーマンスに過ぎないのではないでしょうか。
(1)まず、上記調査の根拠である「4人以下のマスク会食の徹底」「21時以降の会食」はあくまで「府民への要請」に過ぎず、現場の労働者に業務命令としておろされたことは一度もありません。調査の結果、局長級4人・部長級18人・校長3人を始めとした管理職が該当したとされていますが、管理職も含めてそういう認識だったおいうことです。
最大の問題はこの「要請」を根拠に懲戒処分をしようとしていることです。この処分が行われれば、例えば市長や知事が「今こそ改憲を」「自衛隊の参戦を」などと市民に「要請」しているときに職員が反対したら処分できることになります。また、市長が「0人以上の集会自粛の徹底」を要請したら、労働組合の会議・集会も処分できることになります。実際に海外ではコロナを口実に労働組合の集会を弾圧しています。
また、これは政府の改憲への動きと一体です。自民党・下村博文氏は5月3日、「今回のコロナを、ピンチをチャンスに変えるように政治が動かなければならない」とし、改憲によって新設を狙う緊急事態条項の中に「感染症拡大」を対象に加えるべきだと発言し、5月11日には国民投票法改正案が衆議院を通過しました。吉村知事・松井市長もまた機を一にして「私権制限」の導入に言及し、菅政権の改憲に加勢しています。改憲に向けた政治利用として職員を処分することは許されません。
(2)過去の職員向けの通知においては、「各職場での感染防止対策」として「4人以下のマスク会食の徹底」と併せて「不要不急の外出・移動の自粛」「マスクの徹底」「3密の回避」「在宅勤務の推進」「体調がよくない職員の休暇取得」などの事項が羅列されていました。このうち5人以上の会食が処分対象ならば、外出・移動やマスクの不着用も処分対象ということになります。また、「在宅勤務」「休暇取得」ができる体制を整えなかった当局も処分されなければなりません。
また、処分対象とするならば例えば「夫婦が共に職員の5人家族での朝ごはん」「21時以降の家飲み」などうなるのかなど、事前に基準を明示すべきですが、そのような基準は全く示されていません。
さらに事後の追加調査では「飲食店以外での会食」や「大阪市外(3月中)、大阪府外(4月以降)の店舗での会食」「新規採用者」は報告対象外とするとされているようですが、このような取り扱い自体が本来の目的であるはずの感染対策と何の関係もない、きわめて恣意的な基準であり、「後出しジャンケン」と批判されてしかるべきものです。
(3)そもそも「4人以下の会食の徹底」では感染対策になっていないことが「第4波」の感染拡大で明らかになりました。「4人以下」とする基準に科学的根拠がないことは国も認めています。根拠もないのに「従え」と命令し、従わないことを処分するとすれば、もう戦前の日本と同じです。
会食制限を行っても感染が爆発したのは、いろんなところで感染が起きているからです。飲食店のクラスターは全体の2割以下です。また、同じくらいのクラスターが労働現場で起きています。実際、4月7日には「市郵送事務処理センター」の労働者6人が新型コロナウイルスに感染し、郵送業務が停止となりました。
感染を抑えるためには、公的医療を拡充し、補償を行って交代で休業する、感染疑いのあるところでは徹底的に調査する、などの対応が必要だったのではないですか。その責任を回避するために飲食店だけをターゲットにしたのではないでしょうか。ゴールデンウィークに約600人の職員を動員して行われた飲食店見回りなど、笑止千万の愚策ではないですか。
松井市長がこのような一部の人間をターゲットにしたバッシングに固執し続ける限り、「大阪維新の会が府民・市民の命を奪っている」と批判されても反論の余地はありません。今こそ、「二重行政」と決めつけて削減した医療・検査体制の回復、現場の人員の大幅回復など、真に必要な体制の構築に責任を取って下さい。
「労働組合つぶしの大弾圧を許さない実行委員会」への賛同の呼びかけ PDF
「関生事件」が揺るがす労働基本権
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挑戦を受ける労働基本権保障――一審判決(大阪・京都)にみる産業別労働運動の無知・無理解 (検証・関西生コン事件1)(日本語) 単行本 – 2021/4/20
業者団体と警察・検察が一体となった組合弾圧=「関西生コン事件」がはじまって4年。
労働法研究者、自治体議員、弁護士の抗議声明が出され、労働委員会があいついで組合勝利の救済命令を下す一方、裁判所は産業別労働組合への無知・無理解から不当判決を出している。
あらためて「関西生コン事件」の本質、不当判決の問題点を明らかにする!
連帯ユニオン(著)、小谷野 毅(著)、熊沢 誠(著)、& 2 その他
発行・旬報社、定価800円+税
「関西生コン事件」がはじまってから4年目となります。
関生支部(全日本建設運輸連帯労働組合関西地区生コン支部)を標的として、大阪広域生コンクリート協同組合(大阪広域協組)が日々雇用組合員の就労拒否(400人以上)、正社員組合員の解雇、業界あげての団交拒否を開始したのが2018年1月。このあからさまな不当労働行為の尻馬に乗って、滋賀県警が半年後の2017年7~8月にかけて組合員と生コン業者ら10人を恐喝未遂容疑で逮捕しました。その後、大阪、京都、和歌山の三府県警が、2019年11月にかけて、じつに11の刑事事件を仕立てあげ、のべ89人もの組合員と事業者を逮捕。数え上げるとじつに計18回も逮捕劇がくりかえされ、のべ71人が起訴される事態に発展しました。いずれも、ストライキやビラまき、建設現場の法令違反を調査、申告するなどして公正な取引環境を実現するためのコンプライアンス活動、破産・倒産に対して雇用確保を求める工場占拠闘争など、あたりまえの労働組合活動が、恐喝未遂、恐喝、強要未遂、威力業務妨害といった刑事事件とされたものです。
業者団体と警察・検察が表裏一体となった組合弾圧、それが「関西生コン事件」です。
これに対し、歴代の労働法学会代表理事経験者を多数ふくむ78人の労働法学者が2019年12月、憲法28条の労働基本権保障や労働組合法の刑事免責を蹂躙する警察・検察、そしてそれを追認する裁判所を批判して「組合活動に対する信じがたい刑事弾圧を見過ごすことはできない」とする声明を公表しました。全国各地の120人超の自治体議員の抗議声明、弁護士130人の抗議声明なども出されます。また、自治労、日教組などの労働組合や市民団体がつくる平和フォーラムが母体となって「関西生コンを支援する会」が結成されたのをはじめ、各地で支援組織が2019~20年にかけてあいつぎ結成されます。「関西生コン事件」は関生支部だけの問題ではない、労働組合の権利そのものを脅かす事態だという認識が広がっています。
さらに、冒頭に述べた一連の解雇、就労拒否、団交拒否に対抗すべく関生支部が申し立てた20件近い不当労働行為事件において、大阪府労働委員会が2019年秋以降、あいつぎ組合勝利の救済命令を下しています。その数は命令・決定12件のうち10件(2021年4月現在。大半が中央労働委員会に再審査事件として係属)。団結権侵害を主導した大阪広域協組の責任が明確になってきました。
一方、11件の刑事事件はその後、各事件の分離、併合の結果、大阪、京都、和歌山、大津の四地裁において8つの裁判に整理され、審理がすすめられ、現在までに、大阪ストライキ二次事件(2020年10月)、加茂生コン第一事件(同年12月)、大阪ストライキ一次事件(2021年3月)の3つの一審判決が出されています。
これら判決は、労働委員会事件で出された勝利命令とは対照的に、いずれも労働組合運動に対する浅薄な理解と認識をもとに、大阪広域協組の約束違反や企業の不当労働行為を免罪する一方で、産業別労働組合としての関生支部の正当な活動を敵視するものとなっています。
そこで、この機会に、あらためて「関西生コン事件」とはなにか、また、これら不当判決の問題点はなにかを、労働組合運動にたずさわる活動家のみなさまをはじめ、弁護士、研究者、ジャーナリストのみなさまに一緒に考えていただくために、裁判や労働委員会に提出された研究者の鑑定意見書などを収録した『検証・「関西生コン事件」』を随時発刊することにしました。
控訴審において無罪判決を勝ち取るために努力するのはもちろんのことですが、不当判決を反面教師として、先達が築いてきた労働運動の諸権利を学び直し、新たな運動を創造していくことが私たちに求められていると考えます。本書がその手がかりとして活用されることを願ってやみません。
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641日勾留された武委員長が語る
「関西生コン事件」で逮捕された武建一委員長は今年5月29日、641日ぶりに保釈された。その1ヵ月後に収録されたロングインタビューをまとめた本が昨年12月10日発刊された。
・一連の事件は、なぜ起きたのか?
・関生支部とはどのような労働組合なのか?
・武建一という人物はいったい何者なのか?
そんな疑問に事実をもって答える1冊。ぜひ、お読みください。『武建一が語る 大資本はなぜ私たちを恐れるのか』
発行・旬報社、四六判218ページ、定価1500円+税
*全日建(全日本建設運輸連帯労働組合)にお申し込みいただければ頒価1500円(送料込み)でお届けします。多部数の場合はお問い合わせください。
お問い合わせ03-5820-0868
【目 次】
第1章 刑事弾圧
641日にもおよんだ勾留生活/なぜ私は逮捕されたのか/協同組合の変質/労組破壊に参加したレイシスト
第2章 「タコ部屋」の過酷労働
私の生い立ち/「練り屋」と呼ばれて/労働運動に目覚める/関生支部の誕生/初めての解雇
第3章 闘いの軌跡
万博不況とオイルショック/ヤクザと生コン/経済界が恐れる産業別労働運動
第4章 大同団結
安値乱売で「がけっぷち」/大阪広域協組の誕生/シャブコン/2005年の弾圧事件/ゼネスト決行/目指すべき場所
解題・安田浩一(ジャーナリスト)
皆様には御元気で御活躍のことと存じます。
この間、全国の多くの皆様より私たち関生支部に対する国家権力と大阪広域生コンクリート協同組合、差別排外主義者集団が一体となった攻撃をはね返す闘いに、多大な御支援をいただきまして誠にありがとうございます。
このたび、著書『大資本はなぜ私たちを恐れるのか』を昨年12月10日に発行する運びとなりました。
今日まで、私は、会社の雇ったヤクザに5回以上殺されかけたり、刑事事件をでっち上げられ前科5犯にさせられています。
1980年代には日経連の大槻文平会長(当時)から「関生型運動は資本主義の根幹に触れる」と言われ、国家権力とマスコミからは「生コンのドン」「金を企業からむしり取る」などとして「反社会的勢力」とレッテルを貼られています。
それはなぜか。歴史と今日を振り返り、事実を元に書かせていただいています。
是非、一読下さい。
心より愛をこめて
武 建一
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