8.8地域医療交流集会
地域医療交流会が主催する「8.8地域医療交流集会」が8月8日、天王寺区民センターで開催され多くの闘う仲間が結集しました。連帯ユニオンからは、関西地区生コン支部、関西ゼネラル支部が参加しました。
「地域医療交流集会の趣旨」
交流集会は、八尾北医療センター労働組合の灰垣美佐子さんの司会で開会。開会のあいさつでは「住民と共に歩んだ医療(京都堀川病院の実践から)」の著者、西沢いづみさんが本日の地域医療交流集会の趣旨を述べました。
「戦後革命と共に生まれた地域医療の原点に立ち返ることが必要」
八尾北医療センター院長の末光道正さんが「コロナ禍に立ち向かう地域医療の現場から」と題した講演をおこないました。末光院長は「①改憲戦争に突き進む菅政権と維新の会を倒そう②感染症対策は地域医療の原点だった③私と西郡のつながりについて④1980年代に始まった新自由主義は⑤コロナパンデミックの基本的医療⑥ワクチン万能論はすでに破たんしている」などを詳細にわたって講義しました。最後に末光院長は「もう一度、戦後革命と共に生まれた地域医療の原点に立ち返ることが必要。ワクチン万能論ではなく、公的病院や保健所を元に戻し、人を正規で増やす。検査を充実させて早期発見・早期治療する必要な補償をさせる行動。コロナを生み出した資本主義を根本から変えて労働者が主人公の社会を。その最後のチャンス。命を守り戦争に反対する労働組合をすべての職場に。国際連帯を広げよう。地域医療交流会に参加して共に闘おう」と行動提起して講演を締めくくりました。
「自分だけ幸せ、自分の家族だけ幸せ、自分の会社や地域だけ、自分の国だけ幸せ、それは可能?」
続いて、NPO法人医療制度研究会・本田宏さんの講師で「日本の医療をくい止める」と題した講演。本田医師は、「コロナ禍で見えた日本医療行政の問題点として、①日本医療体制の現実②なぜ日本の医療が崩壊したのか③公立・公的病院再編統合問題④医療関係者の皆さんに期待すること」などをデータを示しながら詳細に説明し、問題点と改善策を提起しました。
また、本田医師は「日本における報道の自由度低下により、選挙の投票率が低下する」「日本の学校は考えない人間を5つの方法で生み出している」と指摘して、「ドイツの小学生が『デモの手順』を学ぶ理由は、現代に生きるナチス時代の反省」「スウェーデンの学校選挙・模擬投票」などの海外の教育事例を述べた後、世界では学費ゼロが当たり前として、デンマークの「学費ゼロ」と「税金の無駄遣いを許さない国民」を紹介しました。さらに、フランス・パリ・高校生の「労働法案」反対デモを例に取り、日本人の本質を述べたあと「絶対に諦めない!」「自分だけ幸せ、自分の家族だけ幸せ、自分の会社や地域だけ、自分の国だけ幸せ、それは可能?」と問題提起して講演を終えました。
本田医師は、ときおり「飛びます!飛びます!」「当たり前田のクラッカー!」などのダジャレを盛り込みながらの講義が参加者を引きつけたのが印象的でした。
「パネルディスカッション」
高槻医療福祉労働組合・委員長の村山裕子さんが、2つの講演を聞いた感想と教訓を述べた後、パネルディスカッションが始まりました。
パネラーの本田さん、末光さん、村山さん、灰垣さんは「オリンピック強行、戦争の動きとコロナ(ワクチン)」「コロナに立ち向かい、戦争の動きを止めるために」のテーマをそれぞれが意見を述べたうえ、問題を提起しました。最後に、パネラーの皆さんから、あらためての訴えでパネルディスカッションを終えました。八尾北医療センター労働組合・委員長の藤木好枝さんのまとめと行動提起で交流集会はお開きとなしました。
「労働組合つぶしの大弾圧を許さない実行委員会」への賛同の呼びかけ PDF
「関生事件」が揺るがす労働基本権
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挑戦を受ける労働基本権保障――一審判決(大阪・京都)にみる産業別労働運動の無知・無理解 (検証・関西生コン事件1)(日本語) 単行本 – 2021/4/20
業者団体と警察・検察が一体となった組合弾圧=「関西生コン事件」がはじまって4年。
労働法研究者、自治体議員、弁護士の抗議声明が出され、労働委員会があいついで組合勝利の救済命令を下す一方、裁判所は産業別労働組合への無知・無理解から不当判決を出している。
あらためて「関西生コン事件」の本質、不当判決の問題点を明らかにする!
連帯ユニオン(著)、小谷野 毅(著)、熊沢 誠(著)、& 2 その他
発行・旬報社、定価800円+税
「関西生コン事件」がはじまってから4年目となります。
関生支部(全日本建設運輸連帯労働組合関西地区生コン支部)を標的として、大阪広域生コンクリート協同組合(大阪広域協組)が日々雇用組合員の就労拒否(400人以上)、正社員組合員の解雇、業界あげての団交拒否を開始したのが2018年1月。このあからさまな不当労働行為の尻馬に乗って、滋賀県警が半年後の2017年7~8月にかけて組合員と生コン業者ら10人を恐喝未遂容疑で逮捕しました。その後、大阪、京都、和歌山の三府県警が、2019年11月にかけて、じつに11の刑事事件を仕立てあげ、のべ89人もの組合員と事業者を逮捕。数え上げるとじつに計18回も逮捕劇がくりかえされ、のべ71人が起訴される事態に発展しました。いずれも、ストライキやビラまき、建設現場の法令違反を調査、申告するなどして公正な取引環境を実現するためのコンプライアンス活動、破産・倒産に対して雇用確保を求める工場占拠闘争など、あたりまえの労働組合活動が、恐喝未遂、恐喝、強要未遂、威力業務妨害といった刑事事件とされたものです。
業者団体と警察・検察が表裏一体となった組合弾圧、それが「関西生コン事件」です。
これに対し、歴代の労働法学会代表理事経験者を多数ふくむ78人の労働法学者が2019年12月、憲法28条の労働基本権保障や労働組合法の刑事免責を蹂躙する警察・検察、そしてそれを追認する裁判所を批判して「組合活動に対する信じがたい刑事弾圧を見過ごすことはできない」とする声明を公表しました。全国各地の120人超の自治体議員の抗議声明、弁護士130人の抗議声明なども出されます。また、自治労、日教組などの労働組合や市民団体がつくる平和フォーラムが母体となって「関西生コンを支援する会」が結成されたのをはじめ、各地で支援組織が2019~20年にかけてあいつぎ結成されます。「関西生コン事件」は関生支部だけの問題ではない、労働組合の権利そのものを脅かす事態だという認識が広がっています。
さらに、冒頭に述べた一連の解雇、就労拒否、団交拒否に対抗すべく関生支部が申し立てた20件近い不当労働行為事件において、大阪府労働委員会が2019年秋以降、あいつぎ組合勝利の救済命令を下しています。その数は命令・決定12件のうち10件(2021年4月現在。大半が中央労働委員会に再審査事件として係属)。団結権侵害を主導した大阪広域協組の責任が明確になってきました。
一方、11件の刑事事件はその後、各事件の分離、併合の結果、大阪、京都、和歌山、大津の四地裁において8つの裁判に整理され、審理がすすめられ、現在までに、大阪ストライキ二次事件(2020年10月)、加茂生コン第一事件(同年12月)、大阪ストライキ一次事件(2021年3月)の3つの一審判決が出されています。
これら判決は、労働委員会事件で出された勝利命令とは対照的に、いずれも労働組合運動に対する浅薄な理解と認識をもとに、大阪広域協組の約束違反や企業の不当労働行為を免罪する一方で、産業別労働組合としての関生支部の正当な活動を敵視するものとなっています。
そこで、この機会に、あらためて「関西生コン事件」とはなにか、また、これら不当判決の問題点はなにかを、労働組合運動にたずさわる活動家のみなさまをはじめ、弁護士、研究者、ジャーナリストのみなさまに一緒に考えていただくために、裁判や労働委員会に提出された研究者の鑑定意見書などを収録した『検証・「関西生コン事件」』を随時発刊することにしました。
控訴審において無罪判決を勝ち取るために努力するのはもちろんのことですが、不当判決を反面教師として、先達が築いてきた労働運動の諸権利を学び直し、新たな運動を創造していくことが私たちに求められていると考えます。本書がその手がかりとして活用されることを願ってやみません。
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