大阪2次事件、控訴審が結審
連帯ユニオン関西地区生コン支部への権力弾圧である大阪ストライキ2次事件の控訴審第1回公判が11月22日大阪高等裁判所で開かれた。
大阪2次事件控訴審は、2017年12月のストライキ闘争における「指示役」とされた争議対策部長のN執行委員ら2名が、一審大阪地裁(佐藤卓生裁判長)において昨年10月、威力業務妨害罪で懲役2年6ヵ月、執行猶予5年というきわめて不当な重罰判決を受けたことを不服として控訴していたものである。
弁護団が控訴趣意を陳述
この日の公判で弁護団の太田健義弁護士は、控訴趣旨の概要として、「一審判決は産業別労働運動に対する無理解による根本的な誤りがある。関生支部はゼネストを成功させるために大阪港SSではバラセメント運転手らに説得活動をしていたのであって、業務妨害をしたのではない。中央大阪生コンにおける行動はゼネストではなく、同社がゼネストに乗じて組合員が就労する輸送会社との専属契約を切ろうとしたことに対する抗議だった。これら団体行動について、憲法28条と労組法1条2項に照らしてその正当性を詳細に検討することなしに判断することはできないはず。本件は業界による組合つぶしが背景にある。その本質を見誤れば裁判所も組合つぶしに加担したことになる」と述べた。
また、井上健策弁護士は、「一審判決は判断枠組みに誤りがあり、団体行動の目的と正当性について事実認定と法的評価をせずに判断している。輸送会社の輸送運賃引き上げについて 2010年~2017年春闘で交渉、合意されてきた経緯があり、その合意を大阪広域協組が履行しないからストライキとそれに伴う団体行動がおこなわれた。しかし、一審判決は関生支部の団体行動がなんのためにおこなわれたのかについて一切ふれていない」と批判した。
その後、証拠調べに移り、弁護団提出の証拠のうち労働法学者らの鑑定意見書や一審判決の評釈は採用されたものの、N執行委員らの証人尋問は採用されず、控訴審はこの日の第1回公判で結審。判決言い渡しは来年2月21日(月)14:30からと指定された。
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「関生事件」が揺るがす労働基本権
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なぜいま、憲法や労働組合法を無視した組合つぶしが行なわれているのか。
迫真のルポでその真実を明らかにする。
目次 : プロローグ
第1章 「賃金が上がらない国」の底で
第2章 労働運動が「犯罪」になった日
第3章 ヘイトの次に警察が来た
第4章 労働分野の解釈改憲
第5章 経営側は何を恐れたのか
第6章 影の主役としてのメディア
第7章 労働者が国を訴えた日
エピローグ
【著者紹介】
竹信三恵子 : ジャーナリスト・和光大学名誉教授。東京生まれ。1976年東京大学文学部社会学科卒、朝日新聞社入社、経済部、シンガポール特派員、学芸部次長、編集委員兼論説委員(労働担当)、2011‐2019年和光大学現代人間学部教授。著書に『ルポ雇用劣化不況』(岩波新書、日本労働ペンクラブ賞)など。貧困や雇用劣化、非正規労働者問題についての先駆的な報道活動に対し、2009年貧困ジャーナリズム大賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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