尼崎市に「申入書」提出、ナニワ生コン闘争

連帯ユニオン関西地区生コン支部・大阪Bブロックは4月21日、稲村和美尼崎市長に対して「不当労働行為企業に対する尼崎市、地方行政の指導と措置について」と題する申入書を提出しました。

「尼崎市の担当者は真摯な姿勢で対応」

当日は、関西地区生コン支部・武谷書記次長と大阪Aブロック組合員が、尼崎市役所庁舎内の契約課に申入書を渡して趣旨説明しました。契約課の係長と担当者は、武谷書記次長と大阪Aブロック組合員の趣旨説明に対して、真摯な姿勢で対応してくれました。最後に、武谷書記次長と大阪Aブロック組合員が「コロナ禍のなか、忙しいでしょうが1ヶ月を目処に回答を文書で提出して下さい」と当局の2人に伝えて申し入れを終えました。

※申入書全文
「『不当労働行為企業』に対する尼崎市、地方行政の指導と措置について」
コロナ禍の厳しい状況のなか、尼崎市では、市長をはじめ職員のみなさんが懸命に業務や任務に従事されていることに敬意を表します。
私たちは、民間の労働者で構成している労働組合です。尼崎市に対して次のことを申し入れます。1.尼崎市食満2丁目24-15にある企業「ナニワ生コン(株)」の私たち労働組合の対応が大阪府労働委員会から「不当労働行為」と認定されました。この企業に対する神戸市の見解ならびに対応についての回答を求めます。2.「ナニワ生コン(株)」は、建設資材業者の生コンクリートの製造販売・輸送会社です。尼崎市発注の公共工事にも、生コンクリートを納入しています。
公共工事は、入札を経て決定した建設会社が施行します。その元請けである建設会社から、下請けの建設資材業者である生コンクリート企業に生コンクリートが発注されます。
このように、元請けが下請けに建設資材を発注する構造の中で、その下請け業者が労働組合法違反の不当労働行為企業と労働委員会から認定され、不当労働行為がなかった状態に戻せとの命令が出されています。
元請けの建設会社は、下請け業者に法令遵守を徹底されていることでしょうが、下請け企業の法令違反が発覚した場合は、元請け会社が責任に問われるのは当然のことですから、公共工事の発注者として、元請け会社とともに、その下請け会社である「ナニワ生コン(株)」に対しても、尼崎市が相当の指導を行うべきと考えています。回答を求めます。3.大阪府労働委員会から不当労働行為企業に認定された「ナニワ生コン(株)」は、大阪広域生コンクリート協同組合(大阪広域生コン協組)に加入している組合員企業です。大阪広域生コン協組は、大阪府・兵庫県の生コン製造販売業者の100%近くが加入している事業協同組合です。尼崎市に所在しているほとんどの生コン企業が大阪広域生コン協組に加入していることから、公共工事における建設資材の生コンクリートは、大阪広域生コン協組を通じて納入されることとなります。つまり、尼崎市における公共工事のほとんどが大阪広域生コン協組から生コンクリートを購入することとなるのです。不当労働行為が認定された企業が加入している大阪広域生コン協組に対しても、尼崎市が適切な指導を行うべきです。回答を求めます。上述した1項から3項までの要請について、尼崎市の回答を求めます。お忙しいところ申し訳ありませんが、1ヶ月以内に文書で回答してくださるようお願いします。なお、回答の文書は、日程調整のうえ、尼崎市庁舎内で手交していただきたいことを申し添えます。

「労働組合つぶしの大弾圧を許さない実行委員会」への賛同の呼びかけ PDF

デモクラシータイムス 〈 2022.01.11 〉
池田香代子の世界を変える100人の働き人60人目
労働運動を〈犯罪〉にする国「連帯ユニオン関西地区生コン支部」事件
ゲスト:竹信三恵子さん(ジャーナリスト・和光大学名誉教授)
 ココをクリック
関西生コン事件ニュース No.72 ココをクリック
関西生コン事件ニュース No.73 ココをクリック
2021年12月9日「大阪市・契約管材局と労働組合の協議」
回答が大阪市のホームページに掲載 
ココをクリック
関連記事 ココをクリック

賃金破壊――労働運動を「犯罪」にする国 竹信三恵子(著)– 2021/11/1 旬報社 1,650円(税込み)

1997年以降、賃金が下がり続けている先進国は日本だけ。
そんななか、連帯ユニオン関西地区生コン支部は、賃上げも、残業規制も、シングルマザーの経済的自立という「女性活躍」も実現した。
業界の組合つぶし、そこへヘイト集団も加わり、そして警察が弾圧に乗り出した。
なぜいま、憲法や労働組合法を無視した組合つぶしが行なわれているのか。
迫真のルポでその真実を明らかにする。

目次 : プロローグ
第1章 「賃金が上がらない国」の底で
第2章 労働運動が「犯罪」になった日
第3章 ヘイトの次に警察が来た
第4章 労働分野の解釈改憲
第5章 経営側は何を恐れたのか
第6章 影の主役としてのメディア
第7章 労働者が国を訴えた日
エピローグ

【著者紹介】
竹信三恵子 : ジャーナリスト・和光大学名誉教授。東京生まれ。1976年東京大学文学部社会学科卒、朝日新聞社入社、経済部、シンガポール特派員、学芸部次長、編集委員兼論説委員(労働担当)、2011-2019年和光大学現代人間学部教授。著書に『ルポ雇用劣化不況』(岩波新書、日本労働ペンクラブ賞)など。貧困や雇用劣化、非正規労働者問題についての先駆的な報道活動に対し、2009年貧困ジャーナリズム大賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

amazonで購入できます。 ココをクリック