藤原生コン運送闘争、茨木市役所前での宣伝活動
不当労働行為企業と労働委員会から認定された「藤原生コン運送社」を周知するため、連帯ユニオン関生支部・大阪Bブロックは11月4日、茨木市役所前で「藤原生コン運送社の労働組合法違反(不当労働行為)を労働委員会が認定」などを掲げた情宣活動を展開。加えて、「大阪にカジノはいらない!」「IR事業・カジノ建設を中止・撤廃に追い込もう!」の情宣活動を展開しました。
「藤原生コン運送は、行政命令を守れ!」
茨木市役所前の歩行者道路では、ナニワ生コン分会長が右手にマイクを握り、左手に組合旗を掲げて、藤原生コン運送社が労働組合法に違反している不当労働行為の事実や、大阪府労働委員会から労働組合法に違反している「不当労働行為企業」に認定され、救済命令が出されたのに、その命令を履行しない態度に終始していること、大阪広域生コン協組の組合つぶしが背景にあること、藤原生コン運送社は今年の3月に2度目の不当労働行為企業と認定されたこと、茨木市役所は適切な指導を行うべき、大阪にカジノはいらない、IR・カジノ建設を中止に追い込もうなどを整然と訴えました。横断幕を掲げた歩行者道路では、関生組合員と武谷書記次長が、通行中の会社員や職員、市民らにビラを配布しました。
「市役所の職員や20歳代くらいの若者がビラを受け取りにきた」
茨木市役所の玄関前では、ナニワ生コン分会長の訴えを立ち止まって聴き入っていた市役所職員の姿が見られました。
関生支部・機関紙部が作成してくれた「藤原生コン運送闘争ニュース」ビラと「くさり」(関生機関紙)、大阪・市民交流会が作成した「大阪IR・カジノのダメすぎる2つのポイント」カラー刷りビラは、茨木市役所前を行き交う会社員や職員、市民らは快く受け取ってくれました。
ナニワ生コン分会長の訴えを聴き入っていた市役所の職員や20歳代くらいの男性がビラを受け取りにきたのが印象的でした。
午前9時ころから約1時間の行動でしたが、ナニワ生コン分会長の訴えに、茨木市役所前を行き交う会社員や職員、市民らに多いにアピールすることができました。ビラは、62枚(カジノ反対ビラとセット)の配布でした。引き続き、茨木市役所前での宣伝活動を展開します。
「藤原生コン運送社は不当労働行為企業と認定された」
茨木市に所在する、藤原生コン運送社が、連帯・関生支部の組合員を不当に雇い止めした事件について、大阪府労働委員会は昨年、「雇い止めなどがなかった状態に戻せ」などと命令し、労働組合法に違反する「不当労働行為企業」と認定しました。
「大阪広域生コン協組の労働組合つぶしが背景にある」
ところが、藤原生コン運送社の経営陣は、現在においても、大阪府労働委員会の命令を履行しない態度をとり続けています。
大阪府に所在する生コン企業の100%近くが加盟する大阪広域生コン協組が、2018年から始めた「労働組合つぶし」が背景にあります。
藤原生コン運送社と連帯・関生支部は、長年、円満な労使関係を築いており、労使が協力して展開する「生コン産業政策運動」を推進し、生コン価格や輸送運賃の適正化が実現したときには、労働組合が要求している「非正規の正規化など労働条件の改善」を約束していた企業でした。
ところが、大阪広域生コン協組の執行部から「労働組合つぶし」の協力を強くもとめられ、圧力をかけられた藤原生コン運送社の経営陣は、連帯・関生支部の組合員を解雇・雇い止めしたのです。
しかし、大阪広域生コン協組の労働組合つぶしが背景にあるとしても、大阪府労働委員会から不当労働行為が認定され、命令が出されたことについて、真摯に受けとめ、速やかに命令を履行することが、藤原生コン運送社の経営陣が「法律を遵守」し、「社会的な責任を果たす」ということなのです。
「団交拒否が認定された」
大阪府労働委員会は2022年3月25日、「藤原生コン運送社」を労働組合法違反の「不当労働行為企業」と認定し、関生支部が申し入れた団体交渉に応じなかったことを断罪しました。
さらに、大阪府労働委員会は「藤原生コン運送社」に対して、「当社が、貴組合が令和2年10月29日付け及び同年11月6日付けで申し入れた、同年2月25日付けの大阪府労働委員会の命令に基づく団体交渉に応じなかったことは、大阪府労働委員会において、労働組合法第7条第2号に該当する不当労働行為であると認められました。今後このような行為を繰り返さないようにいたします。と記した文書を速やかに労働組合に提出しなければならい」との命令を出したのです。
「懲りない藤原生コン運送社」
藤原生コン運送社が、大阪府労働委員会から2020年10月に、労働組合法違反の不当労働行為企業と認定され、救済命令が出されているにもかかわらず、再度、不当労働行為企業と認定されるという悪質な企業であることが露呈しました。
関生支部は、大阪広域生コン協組に所属している「不当労働行為企業」に対して、大阪府労働委員会の命令を履行させ、解雇・雇い止めを撤回させ勝利するまで闘います。
映画 ここから 「関西生コン事件」と私たち
この映画は「フツーの仕事がしたい」「アリ地獄天国」など労働問題を取り上げ注目を浴びている土屋トカチ監督の最新作。「関西生コン事件」の渦中にある組合員たちの姿を描いた待望のドキュメンタリー映画『ここから「関西生コン事件」と私たち』がこのほど完成。10月下旬から各地で上映運動がはじまった。10 月 23日には「関西生コン労組つぶしの弾圧を許さな い東海の会」が名古屋で、11月6日には「労働組合つぶしの大弾圧を許さない京滋実行委員会」京都で上映会。業界・警察・検察が一体となった空前の労働組合つぶしに直面した組合員と家族の物語を見つめた。(写真右は京都上映会 で挨拶する松尾聖子さん) 今後、11月13 日には護憲大会(愛媛県松山市)、同月25日は「労働組合つぶしを許さない兵庫の会」が第3回総会で、12月16日は「関西生コンを支援する会」が東京で、それぞれ上映会をひらく。
お問い合わせはコチラ ココをクリック
賃金破壊――労働運動を「犯罪」にする国 竹信三恵子(著)– 2021/11/1 旬報社 1,650円(税込み) 1997年以降、賃金が下がり続けている先進国は日本だけ。 そんななか、連帯ユニオン関西地区生コン支部は、賃上げも、残業規制も、シングルマザーの経済的自立という「女性活躍」も実現した。 業界の組合つぶし、そこへヘイト集団も加わり、そして警察が弾圧に乗り出した。 なぜいま、憲法や労働組合法を無視した組合つぶしが行なわれているのか。 迫真のルポでその真実を明らかにする。
目次 :
プロローグ
第1章 「賃金が上がらない国」の底で
第2章 労働運動が「犯罪」になった日
第3章 ヘイトの次に警察が来た
第4章 労働分野の解釈改憲
第5章 経営側は何を恐れたのか
第6章 影の主役としてのメディア
第7章 労働者が国を訴えた日
エピローグ
【著者紹介】 竹信三恵子 : ジャーナリスト・和光大学名誉教授。東京生まれ。1976年東京大学文学部社会学科卒、朝日新聞社入社、経済部、シンガポール特派員、学芸部次長、編集委員兼論説委員(労働担当)、2011-2019年和光大学現代人間学部教授。著書に『ルポ雇用劣化不況』(岩波新書、日本労働ペンクラブ賞)など。貧困や雇用劣化、非正規労働者問題についての先駆的な報道活動に対し、2009年貧困ジャーナリズム大賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
第 10 回「日隅一雄・情報流通促進賞」の特別賞を受賞 詳しくはコチラ
amazonで購入できます。 ココをクリック