大椿ゆうこ議員が警察庁を質す
「無罪判決、どう受け止めているか」4/21参議院決算委員会

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大椿ゆうこ参議院議員(社民党副党首)が昨日午後の参議院決算委員会で、警察庁に対し、「関西生コン事件」で無罪判決があいつぐ現状の受け止めなどを質した。以下は傍聴者のメモによる主な質疑報告。

●大椿「冤罪被害者から直接話を聞くプログラムあるか」警察庁「いまはない」

(大椿ゆうこ議員)袴田事件、大川原化工機事件、プレサンス事件などあいつぐ無罪判決で捜査機関の冤罪と「人質司法」に社会的批判が高まっている。角川継彦さんは「人質司法意見訴訟」も提訴。再発防止のため幹部クラスを対象にした教育や研修活動を実施しているか。
A(谷滋行刑事局長) 教訓化するため裁判官や学者も招くなど研修に力を入れている。過去3年で関係予算は 85 億円。
Q 「冤罪被害者から直接話を聞くプログラムあるか」
A 「いまはない」
Q 本人からも話を聞くことがもっとも重要ではないのか。
A(答はなし)

●大椿「労働法学者78名の抗議声明、読んだか」警察庁「承知しているがコメントはしない」

Q 「関西生コン事件」で労働法学者 78 人が声明を出している(2019年12月)。組合活動の正当性が検討されぬままでは憲法 28 条労働基本権保障や労組法刑事免責は絵に描いた餅になってしまうという趣旨。読んだか?
A 承知しているがコメントはしない。
Q これほどの大量の刑事訴追に正当性はあったということか?
A 個別の事件については適切に捜査したものと承知している。

●大椿「次々に無罪判決、深刻な事態」警察庁「真摯に受け止める」

Q 無罪判決が次々に出され、3件のべ 11 名の無罪判決が確定。(質問に際して、委員会出席議員と政府委員には「刑事裁判の現状一覧」を配布)
有罪率 99.9 %なのにこれだけの無罪判決が確定。深刻な事態だ。どのように受け止めているか。
A まだ公判中の事件もある。有罪となった事件もいくつもある。無罪判決については真摯に受け止める。
Q (和歌山広域協組事件の経緯を説明。事件の相関図=左図、支援する会ニュース号外を配布)事件の概要は大筋こういうことか?
A (組合活動を強要未遂と決めつけた起訴状のあらましをくどくど説明する。)

●大椿「憲法28条と産業別労働組合」厚労省、国家公安委員長「保護は及ぶ」

Q 無罪判決の要旨(一審の判断を批判して、産業別労働組合と労働基本権保障についての核心)を読み上げ、産業別労働組合にも憲法 28条労働基本権保障の保護が及ぶことを確認したい。
A 尾田進厚労省官房審議官「及ぶ」
Q 国会公安委員長の認識はどうか?
A 「及ぶ」と認識している。

●大椿「労働法教育の必要ある」警察庁「国賠訴訟は係争中」

Q 国賠訴訟の証人尋問で、和歌山県警の捜査主任は、和歌山協組には関生コン支部の組合員が雇用されていないから労働組合の正当な活動とは認識していなかったと証言している。労働法教育が必要ではないのか。
A 国賠訴訟は現在も係争中。お答えは差し控えたい。

25.04.22 関西生コン事件ニュース120号転載

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真相はこれだ!関生事件 無罪判決!【竹信三恵子の信じられないホントの話】20250411【デモクラシータイムス】
ご存じですか、「関西生コン」事件。3月には、組合の委員長に対して懲役10年の求刑がされていた事件で京都地裁で完全無罪判決が出ました。無罪判決を獲得した湯川委員長と弁護人をお呼びして、竹信三恵子が事件の真相と2018年からの一連の組合弾圧事件の背景を深堀します。 今でも、「関西生コン事件」は、先鋭な、あるいは乱暴な労働組合が強面の不法な交渉をして逮捕された事件、と思っておられる方も多いようです。しかしそうではありません。企業横断的な「産別組合」が憲法上の労働基本権を行使しただけで、正当な交渉や職場環境の改善運動だったから、強要や恐喝など刑事事件には当たらないものでした。裁判所の判断もこの点を明確にしています。では、なぜ暴力的組合の非行であるかのように喧伝され、関西全域の警察と検察が組織的に刑事事件化することになったのか、その大きな背景にも興味は尽きません。 tansaのサイトに組合員お一人お一人のインタビューも連載されています。ぜひ、どんな顔をもった、どんな人生を歩んできた人たちが、濡れ衣を着せられ逮捕勾留されて裁判の法廷に引き出されたのかも知っていただきたいと思います。
動画閲覧できます ココをクリック

増補版 賃金破壊――労働運動を「犯罪」にする国

竹信三恵子 (著) 旬報社 – 2025/1/30

勝利判決が続く一方で新たな弾圧も――
朝⽇新聞、東京新聞に書評が載り話題となった書籍の増補版!関生事件のその後について「補章」を加筆。
1997年以降、賃金が下がり続けている先進国は日本だけだ。そんな中、関西生コン労組は、労組の活動を通じて、賃上げも、残業規制も、シングルマザーの経済的自立という「女性活躍」も、実現した。そこへヘイト集団が妨害を加え、そして警察が弾圧に乗り出した。
なぜいま、憲法や労働組合法を無視した組合つぶしが行なわれているのか。迫真のルポでその真実を明らかにする。初版は2021年。本書はその後を加筆した増補版である。
◆主な目次
  はじめに――増補にあたって
  プロローグ
  第1章 「賃金が上がらない国」の底で
  第2章 労働運動が「犯罪」になった日
  第3章 ヘイトの次に警察が来た
  第4章 労働分野の解釈改憲
  第5章 経営側は何を恐れたのか
  第6章 影の主役としてのメディア
  第7章 労働者が国を訴えた日
  エピローグ
  補章 反攻の始まり
  増補版おわりに

映画 ここから 「関西生コン事件」と私たち
この映画は「フツーの仕事がしたい」「アリ地獄天国」など労働問題を取り上げ注目を浴びている土屋トカチ監督の最新作。「関西生コン事件」の渦中にある組合員たちの姿を描いた待望のドキュメンタリー映画『ここから「関西生コン事件」と私たち』がこのほど完成。業界・警察・検察が一体となった空前の労働組合潰しに直面した組合員と家族の物語を見つめた。(左写真は松尾聖子さん)いまも各地で上映会がひらかれている。
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ー 公判予定 ー

5月22日    大津1次事件控訴審      大阪高裁   14:30~
   6月 9日        大津2次事件(判決)           大阪高裁 14:30~