「労働組合の正当な活動が『犯罪』とされた」
事件を担当する弁護団からの報告によれば、事件の概要は次の通りである。
第一に、滋賀の「湖東協同組合事件」は、2018年7月から、まず協同組合の理事ら事業者が逮捕される形で始まった。翌8月から組合役員も逮捕された。中小の生コン企業で作る協同組合(湖東生コン協同組合)の役員が、2017年3月から7月にかけて、滋賀の工事現場で使う生コンを協同組合から買わせようとして、「協同組合から生コンを買わなければ、大変なことになりますよ」とゼネコンを脅したとされる恐喝未遂事件である。
この「大変なこと」とは、労働組合が、建設工事現場の違法行為を指摘して改善を求める、いわゆるコンプライアンス活動を指すとされている。具体的には、「カラーコーンが道路使用許可なく置かれている」と工事現場で指摘したこと、「汚泥が道路に散乱している」などとする内容のビラをゼネコンの事業所付近の路上で配布したことなどとされている。
検察官は公には述べていないが、飲料水メーカーのチェリオの倉庫建設現場で、ダンプカーのタイヤがすり減ってブレーキが効かないおそれのある状態になっていることや、同じくダンプカーのバンパーが外れた状態にあること、さらに現場監督が資格を持っていないことなどを組合員が指摘し、道路運送業法違反等については交通警察が臨場して業者に是正指導しており、決して「軽微な不備」とはいえない。
この滋賀の事件の一つで、協同組合の理事と組合役員、合わせて10人が3回に分けて逮捕され、9人が起訴されている。生コン支部の委員長・副委員長・執行委員2人のほか、彼らと「共謀」してゼネコンと交渉したという協同組合の役員5人も起訴されている。組合役員4人は全員保釈されていない。
さらに、2019年2月には、15人の一般組合員も、このコンプライアンス活動やビラ配布活動に従事したとして逮捕され、全員が起訴され、5人の勾留が続いている。
滋賀ではさらにもう一件、大津協同組合事件が起きている。この事件でも組合員7名と協同組合の幹事長が逮捕され、全員が起訴されている。こちらの事件では、コンプライアンス活動で業務を中断させたことが「威力業務妨害」とされている。同じような行為について恐喝とされたり、威力業務妨害とされたり、適用罪名が違っている。
1955年生まれ。弁護士。日本弁護士連合会秘密保護法対策本部副本部長。著書に『秘密保護法 何が問題か』(岩波書店、共著)、『何のための秘密保全法か』『共謀罪とは何か』(岩波ブックレット、共に共著)など多数。
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レイバーネット
「労働組合つぶしの大弾圧を許さない実行委員会」への賛同の呼びかけ
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東京都台東区蔵前3-6-7 蔵前イセキビル4F
全日本建設運輸連帯労働組合中央本部
●電話番号:03-5820-0868
ストライキしたら逮捕されまくったけどそれってどうなの?(労働組合なのに…) 単行本 – 2019/1/30
連帯ユニオン、小谷野 毅、葛西 映子、安田 浩一、里見 和夫、永嶋 靖久(著)
内容紹介
レイシスト(差別主義者)を使って組合破壊をしかける協同組合、ストライキを「威力業務妨害」、職場のコンプライアンス違反の告発を「恐喝」、抗議を「強要」、組合活動を「組織犯罪」、労働組合を「組織犯罪集団」と言い換えて不当逮捕する警察。
いま、まっとうな労働運動に加えられている資本による攻撃と「共謀罪のリハーサル」ともいえる国家権力による弾圧の本質を明らかにする!
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