組合活動の自由を奪うな!〜「関西生コン事件」国家賠償請求訴訟はじまる

全日本建設運輸連帯労働組合関西地区生コン支部(以下、関生支部)の執行委員長や組合役員らが、威力業務妨害や恐喝容疑などで逮捕、起訴されている「関西生コン事件」。この事件における捜査や取り調べ、逮捕、起訴、勾留、労働組合活動を禁止した保釈条件などを問うため、3月17日、国と滋賀県や和歌山県、京都府を相手に国家賠償請求訴訟を東京地裁に起こした。

「関生を辞めてたら、任意の事情聴取で済んだ」
「関生を辞めるんだったら、ええ方法を考えたる」
「組合の弁護士は組合のことしか考えないから止めたほうが良い」

提訴後の記者会見で、海渡雄一弁護士(写真中央)は違法な取り調べの実例を挙げた。「労働組合の活動の自由を奪おうというのが、この事件の目的。類例を見ない事件だ。社会的にも不当性を明らかにしたい」と、訴訟の意図を述べた。

労働組合の壊滅作戦だ

小谷野毅中央本部書記長は「私たちは合法的な労働組合。指定暴力団の山口組を上回る規模で、たくさんの組合員や役員が逮捕されていることに憤りを感じる。関西では事実上、組合活動ができなくなっている。この事件の本質は、労働組合の壊滅作戦だ」と語気を強めた。

原告Tさんは「私は労働組合の専従職員。組合事務所が職場なのに、保釈条件に『関生組支部関係者と一切接触禁止。組合事務所へも立入禁止』とある。組合員とも電話やメール含めて一切接触できない。仕事がまったくできなくて困っている」と発言。保釈後の日々を「軟禁状態だ」とし、疲れた表情を浮かべた。
「関西生コン事件」では、のべ89名が逮捕。72名が起訴されている。委員長と副委員長は560日以上も拘留されたまま。戦後最大規模の「刑事弾圧事件」といわれている。

(土屋トカチ)レイバーゼットから転載
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連帯ユニオン、葛西 映子、北 建一、小谷野 毅、宮里 邦雄、熊沢 誠、海渡 雄一、鎌田 慧、竹信 三恵子(著)

内容紹介
戦後最大の「労組壊滅作戦」が進行。
警察・検察・裁判所による弾圧。
権力と一体となった業界あげての不当労働行為。
関西生コン事件の本質を明らかにする!
ストライキやコンプライアンス活動を「威力業務妨害」「恐喝未遂」として89人逮捕、71人を起訴。
委員長と副委員長の拘留期間は1年5か月超。
取り調べで「組合をやめろ」と迫る警察。
家族に「組合をやめるよう説得しろ」と電話をかける検察。
組合活動の禁止を「保釈許可条件」とする裁判所。
いったい誰が、なんのために仕掛けているのか「?関西生コン事件」の真相。

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