「美ら海をまもれ!」沖縄からの訴えを本土に届けよう! 後編
沖縄の米軍辺野古新基地建設で、政府が名護市辺野古の埋立のために土砂を投入しはじめて、2年が過ぎました。ところが、土砂投入後に発覚した現場海域の軟弱地盤によって、完成時期が見通せない状況です。
…前編からのつづき
「『負担軽減』とはほど遠い実態」
普天間基地がある宜野湾市では、騒音が2019年5月、「124.5デジベル」(1000デジベル以上で聴覚に異常を来す恐れがある)を測定し、県や市に記録が残る1995年以降で最大値を更新しました。
当局には連日、「毎日、夜も眠れない」と苦情が入っており、2016年度以降は、年間400件を超え、2018年度は過去最高の684件に達しています。
これらの騒音被害は、普天間基地の所属機体や訓練の一部を県外に移しても、それを上回る機体が岩国基地を含め各地から普天間基地に飛来するという運用が背景にあるからです。
2017年度にようやく24時間体制にした防衛省の目視調査では、外来機のうち騒音被害の大きい戦闘機などの固定翌機の離着陸回数が2017年度236回、2018年度1520回、2019年度2678回(2017年度の10倍超)と急増していたことが明らかになっています。
また、この3年間で「中学校テニスコートへの部品落下」をはじめ、10件以上の事故が発生しており、「強盗容疑などでアメリカ兵が逮捕」される事件は、2020年10月末以降だけで、20件も起きています。
このように沖縄では、菅政権が誇る「負担軽減」とはほど遠い実態が地元にはあるのです。
「沖縄からの訴えが本土に届いているか」
海底で見つかった軟弱地盤への対応で完成時期が見通せないのに、菅政権は新基地建設の「進捗」を強調しています。沖縄県との対立も続くなか、米軍普天間基地の危険性が続いており、住民にとって負担が増大している状況にもかかわらず。
「基地被害は深刻なままなのに、『負担軽減』『辺野古が唯一』という政府が唱える印象ばかりが全国に広がり、沖縄からの訴えが本土にはどんどん届かなくなってきていないか」と、玉城デニー知事の周辺は苛立ちを隠せません。
「美ら海をまもれ」
名護市辺野古の海で土砂投入を始めて2年が経った2020年12月14日、工事車両が出入りする辺野古の米軍キャンプ・シュワブ前では、早朝から40人を超える人たちが抗議行動を展開しました。
埋め立て工事が進む海上でも50人を超える人たちが、カヌー27艇、船6隻に乗り込み、「美ら海をまもれ」と書かれた横断幕を掲げて行動しました。〈動画〉
「すべての米軍基地を撤去するための行動を」
菅政権は、辺野古新基地建設計画の破たんを認め、すべての工事を即刻中止するべきです。
軟弱地盤によって、技術的に新基地建設が破たんしているのに工事を強行するのは、米国の圧力と日米の軍事産業など大企業の利益を優先するためなのです。
私たち労働組合には、菅政権による「米国の圧力と大企業の利益を優先する」新基地建設を許さず、沖縄をはじめすべての米軍基地を撤去する運動の強化が求められています。
闘う労働組合が先頭に立ち、街頭に出て、米軍基地がある地域の過酷な実態や事実を暴露し、莫大な税金が投入される米軍基地の経費負担や米軍新基地建設を中止に追い込む行動を展開しましょう。
日本国内のすべての米軍基地を撤去する運動を強化するとともに、不平等条約である現行の日米安保条約を破棄して、米国と対等・平等な条約を締結するための行動を展開しましょう。
「労働組合つぶしの大弾圧を許さない実行委員会」への賛同の呼びかけ PDF
「関生事件」が揺るがす労働基本権
<労働裁判が働き手を素通りするとき> ココをクリック
641日勾留された武委員長が語る
「関西生コン事件」で逮捕された武建一委員長は今年5月29日、641日ぶりに保釈された。その1ヵ月後に収録されたロングインタビューをまとめた本が昨年12月10日発刊された。
・一連の事件は、なぜ起きたのか?
・関生支部とはどのような労働組合なのか?
・武建一という人物はいったい何者なのか?
そんな疑問に事実をもって答える1冊。ぜひ、お読みください。『武建一が語る 大資本はなぜ私たちを恐れるのか』
発行・旬報社、四六判218ページ、定価1500円+税
*全日建(全日本建設運輸連帯労働組合)にお申し込みいただければ頒価1500円(送料込み)でお届けします。多部数の場合はお問い合わせください。
お問い合わせ03-5820-0868
【目 次】
第1章 刑事弾圧
641日にもおよんだ勾留生活/なぜ私は逮捕されたのか/協同組合の変質/労組破壊に参加したレイシスト
第2章 「タコ部屋」の過酷労働
私の生い立ち/「練り屋」と呼ばれて/労働運動に目覚める/関生支部の誕生/初めての解雇
第3章 闘いの軌跡
万博不況とオイルショック/ヤクザと生コン/経済界が恐れる産業別労働運動
第4章 大同団結
安値乱売で「がけっぷち」/大阪広域協組の誕生/シャブコン/2005年の弾圧事件/ゼネスト決行/目指すべき場所
解題・安田浩一(ジャーナリスト)
皆様には御元気で御活躍のことと存じます。
この間、全国の多くの皆様より私たち関生支部に対する国家権力と大阪広域生コンクリート協同組合、差別排外主義者集団が一体となった攻撃をはね返す闘いに、多大な御支援をいただきまして誠にありがとうございます。
このたび、著書『大資本はなぜ私たちを恐れるのか』を昨年12月10日に発行する運びとなりました。
今日まで、私は、会社の雇ったヤクザに5回以上殺されかけたり、刑事事件をでっち上げられ前科5犯にさせられています。
1980年代には日経連の大槻文平会長(当時)から「関生型運動は資本主義の根幹に触れる」と言われ、国家権力とマスコミからは「生コンのドン」「金を企業からむしり取る」などとして「反社会的勢力」とレッテルを貼られています。
それはなぜか。歴史と今日を振り返り、事実を元に書かせていただいています。
是非、一読下さい。
心より愛をこめて
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