東大阪市から「不当労働行為啓発文書」が発出された!
連帯ユニオン・関西地区生コン支部、全国金属機械労働組合・港合同をはじめとする複数の労働組合が連ねた「不当労働行為企業の公共事業参入について」と題した各行政に対する申し入れに、東大阪市が「不当労働行為啓発文書」を発出しました。
「大阪府労働委員会から救済命令が出されるなど、監督官庁から処分を受けた入札参加有資格業者に対し、一定の期間の入札参加停止の措置がなされることに」
関生支部、港合同をはじめとする複数の労働組合が連ねる「不当労働行為企業の公共事業参入について」と題した申し入れに対して、当初、東大阪市は「入札参加有資格業者ではないから対応できない」などと回答していました。
しかし、松平要東大阪市議と連携をした取り組みによって、東大阪市は次の文書を発出しました。
「不当労働行為等の労働関係法令違反をなくすために」(お願い)
平素より、本市労働雇用行政にご協力いただき誠にありがとうございます。
さて、本市では、令和4年4月より不当労働行為により大阪府労働委員会から救済命令が出されるなど、監督官庁から処分を受けた入札参加有資格業者に対し、一定の期間の入札参加停止の措置がなされることとなりました。
この制度改正は、不当労働行為等の法令違反をし処分を受けた事業者に対し、より厳格な措置を行うことで、本市の契約の適正化及び有資格業者の法令遵守の意識向上を促すために行うものです。労働雇用行政所管である労働雇用政策室においても、これらの観点から不当労働行為を防止するためのチラシを作成しましたので、ご確認ください。
また、下請け契約や資材などを調達する際には、労働関係法令を遵守している事業者との契約に努めていただきますようにお願いいたします。
「下請け契約や資材などを調達する際には、労働関係法令を遵守している事業者との契約に努めるように」
東大阪市が発出した文書には「不当労働行為により大阪府労働委員会から救済命令が出されるなど、監督官庁から処分を受けた入札参加有資格業者に対し、一定の期間の入札参加停止の措置がなされる」と記されており、中央労働委員会への再審査申立の判断を待たずに、初審の府労委の判断で措置を行うということは大きな成果です。
また、文書の末尾に「また、下請け契約や資材などを調達する際には、労働関係法令を遵守している事業者との契約に努めていただきますようにお願いする」と記されていることも成果です。この間の各行政申し入れや当局との協議では、「下請けや資材調達業者には対応できない」との回答でした。東大阪市の一歩、踏み込んだ文書は中小企業の経営者に、労働組合に対して「不当労働行為をしてはいけない」との抑止力が働きます。
「松平要東大阪市議と連携した取組で成果が!」
松平要東大阪市議は、申し入れした労働組合に対して「これを足場として、さらに不当労働行為に厳しい自治体をめざす。今後との連携を願う」と新たな決意を表明しています。
松平要東大阪市議が、私たち労働組合の要請に応え、市議会や委員会で取り上げるなど奮闘してくれたことで、今回の東大阪市発出の文書が実現しました。松平要東大阪市議には感謝しかありません。引き続きご協力をお願いします。
映画 ここから 「関西生コン事件」と私たち
この映画は「フツーの仕事がしたい」「アリ地獄天国」など労働問題を取り上げ注目を浴びている土屋トカチ監督の最新作。「関西生コン事件」の渦中にある組合員たちの姿を描いた待望のドキュメンタリー映画『ここから「関西生コン事件」と私たち』がこのほど完成。10月下旬から各地で上映運動がはじまった。10 月 23日には「関西生コン労組つぶしの弾圧を許さな い東海の会」が名古屋で、11月6日には「労働組合つぶしの大弾圧を許さない京滋実行委員会」京都で上映会。業界・警察・検察が一体となった空前の労働組合つぶしに直面した組合員と家族の物語を見つめた。(写真右は京都上映会 で挨拶する松尾聖子さん) 今後、11月13 日には護憲大会(愛媛県松山市)、同月25日は「労働組合つぶしを許さない兵庫の会」が第3回総会で、12月16日は「関西生コンを支援する会」が東京で、それぞれ上映会をひらく。
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賃金破壊――労働運動を「犯罪」にする国 竹信三恵子(著)– 2021/11/1 旬報社 1,650円(税込み) 1997年以降、賃金が下がり続けている先進国は日本だけ。 そんななか、連帯ユニオン関西地区生コン支部は、賃上げも、残業規制も、シングルマザーの経済的自立という「女性活躍」も実現した。 業界の組合つぶし、そこへヘイト集団も加わり、そして警察が弾圧に乗り出した。 なぜいま、憲法や労働組合法を無視した組合つぶしが行なわれているのか。 迫真のルポでその真実を明らかにする。
目次 :
プロローグ
第1章 「賃金が上がらない国」の底で
第2章 労働運動が「犯罪」になった日
第3章 ヘイトの次に警察が来た
第4章 労働分野の解釈改憲
第5章 経営側は何を恐れたのか
第6章 影の主役としてのメディア
第7章 労働者が国を訴えた日
エピローグ
【著者紹介】 竹信三恵子 : ジャーナリスト・和光大学名誉教授。東京生まれ。1976年東京大学文学部社会学科卒、朝日新聞社入社、経済部、シンガポール特派員、学芸部次長、編集委員兼論説委員(労働担当)、2011-2019年和光大学現代人間学部教授。著書に『ルポ雇用劣化不況』(岩波新書、日本労働ペンクラブ賞)など。貧困や雇用劣化、非正規労働者問題についての先駆的な報道活動に対し、2009年貧困ジャーナリズム大賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
第 10 回「日隅一雄・情報流通促進賞」の特別賞を受賞 詳しくはコチラ
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