日本は雇用保護規制が比較的弱い国
2020年の経済協力開発機構(OECD)の報告書にある「労働者の雇用を保護する強さを表す指標」が、日本は加盟37ヵ国中、弱い方から11番目でした。解雇の際に従業員代表との協議が必要なドイツなどと比べると、日本が解雇に至る手続きの項目などで点数が低かったのです。
2016年、日本政府は同様の傾向がみられた2013年の経済協力開発機構調査をもとに「雇用保護規制が比較的弱い国として位置付けられている」との答弁書を閣議決定しています。
「客観的に合理的な理由を欠いた解雇は無効」
労働契約法は「客観的に合理的な理由」を欠いた解雇は無効とあります。大企業にも中小企業にも、この解雇権乱用の法理はあてはまります。
整理解雇が有効と判断されるには、労働判例で確立した❶人員削減の必要性❷解雇回避努力❸人選の合理性❹手続きの妥当性の4要件が必要です。
❷の解雇回避努力では、希望退職者の募集や配置転換といった手段で解雇を避ける努力をしたかが求められますが、自民党の一部の国会議員は「リスキリング(学び直し)と再就職支援の義務づけを選択肢として加えていく。これらが選択しに加われば解雇の要件は緩和されるが、再就職につながりやすくなるとして『むしろ保護が強くなる』と主張しています。
「4要件が全部ないとだめなのか-経済同友会」
また、自民党の一部の国会議員は、「4要件が満たされないと人員整理が認められにくいと言うが、近年の裁判では、厳密に全ての要件を満たさなくても、個別の事情を総合考慮して判断しており、職種が限定されている場合などでは解雇を有効とする事例も多いし、経済界のなかには現行規制は厳しいとする意見もある」とも主張しています。
訴訟で解雇無効となる懸念から、解雇ではなく希望退職で不採算部門の人員を大幅削減する大企業も多く、経済同友会の新浪剛史代表幹事は記者会見で「四つ(の要件が)全部ないとだめなのかという議論も必要だ」などと述べました。
「整理解雇は労働者に責任はない」
一方、日本労働弁護団の佐々木亮幹事長は「解雇を認める基準は緩んできている。そもそも整理解雇は会社に原因があり、労働者に非はないのだから、厳しく判断されて当たり前。要件の緩和は論外だ」と批判します。
私たち労働組合には、自民党や経済界が目論む解雇規制の緩和や金銭で解雇できる法制度を阻止する取り組みが求められています。街頭などに出て声をあげましょう!政財界が目論む解雇自由法制度の確立を粉砕しましょう!
第4回 人権問題シンポジウム 開催!
日 時:2024年12月7日 15:00~17:00
場 所:エルおおさか南館7階 南734
講 師:秋田 真志弁護士 テーマ:プレサンス元社長冤罪事件における
権力犯罪と人質司法
~取り調べ可視化が浮かび上がらせた
日本の刑事司法の闇~
資料代:500円
お問合せ:連帯ユニオン人権部 担当:武谷 新吾
TEL:06-6583-5546
労働組合活動を犯罪扱いさせてはなりません
「京都事件」は、ベスト・ライナー、近畿生コン、加茂生コンの3つの事件(労働争議)を併合審理する刑事裁判です。労働争議の解決金を受領したことが「恐喝」とされています。
争議解決にあたって、会社側に解雇期間中の未払い賃金、雇用保障、組合の闘争費用などを解決金として支払わせることは、裁判所や労働委員会でも当然の実務として定着しています。ところが、警察・検察は、関生支部は労働組合を名乗る反社会勢力で、金銭目当てで活動してきたそんなストーリーで前代未聞の事件を仕組んだのです。
企業の団結権侵害に対する抗議行動や団体行動を犯罪扱いする警察・検察の暴挙を許せば、憲法28条が保障した労働基本権がなかった時代への逆戻りです。裁判所は毅然たる姿勢で無罪判決を出すべきです。すべての労働組合のみなさまに署名活動へのご協力をよびかけます。
署名活動の実施要領
提 出 先:京都地方裁判所第2刑事部
署名の種類:団体署名を実施します(個人署名ではありません)
署名用紙は、 ココをクリック
集約と提出:第1次集約 9月末日(10月中旬提出)
第2次集役 10月末日(11月中旬提出)
最終週役 11月末日(12月中旬提出)
送 り 先:〒101ー0062
東京都千代田区神田駿河台3ー2ー11 連合会館
フォーラム平和・人権・環境気付
関西生コンを支援する会 ホームページ ココをクリック
TEL:03ー5289ー8222
デモクラシータイムスで、「関西生コン事件」の解説。刑事裁判で無罪になった二人の組合員と、組合員を雇った、組合員に仕事を出したことを背景にセメントの販売を拒絶され兵糧攻めにあっているセメント製造業者をインタビュー。また、「産業別労働組合」の歴史の経過を詳しく解説。
動画閲覧できます ココをクリック
ドキュメンタリー番組の前に放送されたMBSラジオ「関西生コン事件とは何か」がネットで聞けるようになりました。
以下のところから聞くことができます。
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関生弾圧について家族の目から描いた『ここから~「関西生コン事件」と私たち』が5月10日、2023年日隅一雄・情報流通促進賞奨励賞に選出されました。詳しくはコチラ ココをクリック
第26回ソウル人権映画祭で上映されました。 ココをクリック
6月13日から開催される、第26回ソウル人権映画祭(ソウルマロニエ公園一帯)。
14日(金)に『ここから「関西生コン事件」とわたしたち』が上映されます。英語・韓国語・字幕、韓国手話付き。全22作品を上映。
映画 ここから 「関西生コン事件」と私たち
この映画は「フツーの仕事がしたい」「アリ地獄天国」など労働問題を取り上げ注目を浴びている土屋トカチ監督の最新作。「関西生コン事件」の渦中にある組合員たちの姿を描いた待望のドキュメンタリー映画『ここから「関西生コン事件」と私たち』がこのほど完成。業界・警察・検察が一体となった空前の労働組合潰しに直面した組合員と家族の物語を見つめた。(左写真は松尾聖子さん)いまも各地で上映会がひらかれている。
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