「SRHRは人間の尊厳」
1994年のカイロ会議で、性と生殖に関する健康と権利(セクシャル・リプロダクティブ・ヘルス/ライツ、SRHR)の「産む、産まないの決定権は個人にあり、国が介入してはならない」という概念が、世界の各地で活動してきた女性たちから提唱されました。
「旧優生保護法の被害を訴えた」
障がい者の自立生活運動に関わる、ピアカウンセラーの安積遊歩(あさかゆうほ)さんは、カイロ会議に参加し、旧優生保護法(1948年~1996年、旧法)下で障がいを理由に子宮を摘出された友人の被害を訴えました。
安積さんは生まれつき骨が折れやすく、小学5年から3年ほど、療育園で過ごしました。工事に来ていた男性に「この施設の天井裏にはパイプが通っていて、戦争があったらガスが出て私たちは殺されてしまうんだよね」と話し、驚かれたことがあったそうです。
安積さんは「自分たちは何かあったらすぐ殺さるような存在だ」という感覚が、幼いながらにあったと言います。
「ピアカウンセリング」
安積さんは、13歳のころに旧優生保護法の存在を知り、「自分は『不良な子孫』なのか」と絶望したと。女性としての魅力がないのだと感じ、10代のころはどうしたら死ねるかばかりを考えていたそうです。
同じような立場や悩みを抱えた仲間同士による「ピアカウンセリング」をアメリカで学び、多様な家族の姿を知ったことで、「ありのまま生きていい」「自分のことは自分で決めていい」と気づいたそうです。
1996年、元パートナーとの間に娘が生まれました。安積さんの娘は、安積さんと同様に、骨がもろい身体をもっており、介助者や友人、多くの大人のなかで育ててきたそうです。
「子どもを産み育てたい社会といえるのか」
「カイロ会議から30年が経ちましたが、現在においても評価、比較、競争など、社会の根底には優生思想があり、人々を苦しめている」と安積さんは指摘し、「表向きは『産めよ、殖やせよ』の国策はなくなったが、『五体満足』な子どもを産むことを迫る社会に変わりはない。『出生前検査、遺伝子検査』は、女性の心身の苦痛をほとんどケアしていない。子どもを産み育てたい社会といえるのか」と問題提起しています。
「SRHRは人間の尊厳」
安積さんは「セクシャル・リプロダクティブ・ヘルス/ライツ(SRHR)は人間の尊厳だ。でも、日本語で的確に表す言葉が十分にないのは、日本社会にそうした考え方が根づいていないからなのか」と訴えます。
そして、安積さんは「誰と暮らすか、子どもを産むか、そう生きたいのか。すべて自分で選んでいい。ありのままの自分でいいし、比較や評価の中でがまんしなくていい。自分の選択も相手の選択も、丁寧に聴き合って、支え合って生きていこう」と提起しました。
ピアカウンセリングの第一人者、著書:「多様性のレッスン」「自分がきらいなあなたへ」「癒しのセクシー・トリップ」「このからだが平和をつくる」など多数。
※ピアカウンセリングとは、同じような立場や悩みを抱えた人々が集まり、仲間同士で相談し合い、支え合うことを目的としたカウンセリングです。ピアには「仲間」や「対等な立場の人」という言葉があります。
現代を取り巻く重要な社会問題を考える5作品と「戦後80年企画」の3作品が発表されました。関連記事:ココをクリック
『TBSドキュメンタリー映画祭2025』予告編一覧 ココをクリック
そのなかで、伊佐治整ディレクター『労組と弾圧』が上映されることが決定しました。
『労組と弾圧』
労働組合員が「ストライキして逮捕」。ミキサー運転手の労働組合「連帯労組関西地区生コン支部」、通称「関生(カンナマ)」を狙った事件。知られざる戦後最大規模の「労働事件」の真相に迫る。【予告編 『労組と弾圧』】 ココをクリック
『TBSドキュメンタリー映画祭2025』開催概要
大 阪:テアトル梅田:3月28日(金)~4月10日(木)
京 都:アップリンク京都:3月28日(金)~4月10日(木)
名古屋:センチュリーシネマ:3月28日(金)~4月10日(木)
東 京:ヒューマントラストシネマ渋谷:3月14日(金)~4月3日(木)
福 岡:キノシネマ天神:3月28日(金)~4月10日(木)
札 幌:シアターキノ:4月開催
加茂生コン事件差し戻し審完全無罪判決を獲得するべく、12月17日から新たに加茂生コン事件署名活動がスタートしました。
京都事件については団体署名でしたが、加茂生コン事件については各地の要望をふまえて個人と団体の2種類の署名活動に取り組むことになりました。
「関西生コンを支援する会」は、署名活動用に加茂生コン事件とはなにかを描いたニュース号外(漫画新聞)を発行しています。
提 出 先:大阪高等裁判所第3刑事部
署名の種類:団体署名と個人署名の2種類
署名用紙は、団体署名 ココをクリック 個人署名 ココをクリック
集約と提出:第1次集約 1月末日
第2次集役 2月末日
最終週役 3月末日
送 り 先:〒101ー0062
東京都千代田区神田駿河台3ー2ー11 連合会館
フォーラム平和・人権・環境気付
関西生コンを支援する会 ホームページ ココをクリック
TEL:03ー5289ー8222
【竹信三恵子のホントの話】
デモクラシータイムスで、「関西生コン事件」の解説。刑事裁判で無罪になった二人の組合員と、組合員を雇った、組合員に仕事を出したことを背景にセメントの販売を拒絶され兵糧攻めにあっているセメント製造業者をインタビュー。また、「産業別労働組合」の歴史の経過を詳しく解説。
動画閲覧できます ココをクリック
ドキュメンタリー番組の前に放送されたMBSラジオ「関西生コン事件とは何か」がネットで聞けるようになりました。
以下のところから聞くことができます。
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映画 ここから 「関西生コン事件」と私たち
この映画は「フツーの仕事がしたい」「アリ地獄天国」など労働問題を取り上げ注目を浴びている土屋トカチ監督の最新作。「関西生コン事件」の渦中にある組合員たちの姿を描いた待望のドキュメンタリー映画『ここから「関西生コン事件」と私たち』がこのほど完成。業界・警察・検察が一体となった空前の労働組合潰しに直面した組合員と家族の物語を見つめた。(左写真は松尾聖子さん)いまも各地で上映会がひらかれている。
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ー 公判予定 ー
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