浪速建資産業(ナニワグループ)の不当労働行為が確定!中央労働委員会

関西生コン事件ニュース114号 ココをクリック

中央労働委員会は、浪速建資産業株式会社(ナニワ生コングループ・代表者藤中昌則)の不当労働行為(不利益取扱、団交拒否、支配介入)を認定する命令書を出しました(2025年1月8日付)。
大阪府労働委員会が、2023年8月18日付けで、浪速建資産業社の不当労働行為(不利益取扱、団交拒否、支配介入)を認定する命令書を出したことを不服とした浪速建資産業社と初審認定されなかった関生支部が、中央労働委員会に再審査申立した事件の判断が出されました。

「大阪府労働委員会が棄却した部分を取り消した命令」

中央労働委員会は、主文で「初審命令中、浪速建資産業株式会社が全日本建設運輸連帯労働組合関西地区生コン支部に対して令和3年11月25日付け回答書を送付し、同文書において同支部の活動を非難したこと、及び同社代表者が当時組合員であった2名に対して同月22日の面談において同支部からの脱退勧奨を行ったことについて救済申立てを棄却した部分を取り消し、初審命令文を次のとおり変更する」
Ⅰ 浪速建資産業株式会社は、全日本建設運輸連帯労働組合関西地区生コン支部に対し、下記の内容の文書を速やかに交付しなければならない。

年 月 日

全日本建設運輸連帯労働組合関西地区生コン支部
執行委員長 湯川裕司様

浪速建資産業株式会社
代表取締役 藤中昌則

当社が行った下記の行為は、中央労働委員会において、労働組合法第7条に該当する不当労働行為であると認められました。今後、このような行為を繰り返さないようにいたします。

(1)貴組合からの令和3年10月12日付け団体交渉申入書及び同日付け分会要求書による団体交渉申入れに応じなかったこと(労働組合法第7条2号及び3号該当)
(2)令和3年10月18日から同年12月17日までの間、当時貴組合の組合員であった従業員2名に対し、自宅待機を命じたこと(同条第1号及び第3号該当)
(3)令和3年11月22日の当社代表者らと上記従業員2名との面談において、当社代表者が、貴組合を労働組合と思っていないなどと発言し、貴組合を不当に避難するとともに貴組合からの脱退勧奨を行ったこと(同条3号該当)
(4)令和3年11月25日付け回答書を送付し、同文書において、貴組合の活動を非難したこと(同条第3号該当)
(5)申立外会社の記念パーティーに上記従業員2名を招待しなかったこと(同条第1号該当)

2 その余の全日本建設運輸連帯労働組合関西地区生コン支部の救済申立てを棄却する。
Ⅱ 浪速建資産業株式会社の再審査申立てを棄却する。

「中央労働委員会が、組合の主張を認め初審命令が変更された」

中央労働委員会は主文の前文で、「初審命令中、浪速建資産業株式会社が全日本建設運輸連帯労働組合関西地区生コン支部に対して令和3年11月25日付け回答書を送付し、同文書において同支部の活動を非難したこと、及び同社代表者が当時組合員であった2名に対して同月22日の面談において同支部からの脱退勧奨を行ったことについて救済申立てを棄却した部分を取り消し、初審命令文を次のとおり変更する」としたところは、(3)と(4)です(上記下線部分)。
大阪府労働委員会では、関生支部の主張が認められなかったところが、中央労働委員会では認められました。そして労働委員会命令が確定したのです。

「ナニワ生コングループは労働組合法違反企業」

中央労働委員会の命令は、関生支部の主張がほぼ認められるという勝利命令が出されました。
関生支部は、大阪府労働委員会の命令を上回る中央労働委員会命令を武器に、ナニワ生コングループの労働組合法違反を糾弾し、争議の完全勝利解決をめざします。あわせて、ナニワ生コングループの背景にある大阪広域生コン協組の関生潰しを粉砕する行動に立ちます。

※ナニワ生コン・浪速建資産業闘争
ナニワ生コン社・浪速建資産業社(ナニワ生コングループ)が、大阪府労働委員会から「不当労働行為」と認定され、団体交渉応諾と謝罪文の手交が命じられました。

「府労委がナニワ生コングループの不当労働行為を認定し、命令を出した」

大阪府労働委員会は、令和6(2024)年7月19日付けで、ナニワ生コン社・浪速建資産業社に対し、下記の命令書を出しました。
1.被申立人ナニワ生コン株式会社及び同浪速建資産業株式会社は、申立人が令和5年8月9日付けで申し入れた団体交渉に応じなければならない。
2.被申立人ナニワ生コン株式会社は、申立人に対し、下記の文書を速やかに交付しなければならない。

○○年○○月○○日

全日本建設運輸連帯労働組合関西地区生コン支部
執行委員長 湯川裕司様

ナニワ生コン株式会社
代表取締役 藤中昌則

当社が、貴組合から令和5年8月9日付けで申し入れのあった団体交渉に応じなかったことは、大阪府労働委員会において労働組合法第7条第2号に該当する不当労働行為であると認められました。今後、このような行為を繰り返さないようにいたします。

3.被申立人浪速建資産業株式会社は、申立人に対し、下記の文書を速やかに交付しなければならない。

○○年○○月○○日

全日本建設運輸連帯労働組合関西地区生コン支部
執行委員長 湯川裕司様

浪速建資産業株式会社
代表取締役 藤中昌則

当社が、貴組合から令和5年8月9日付けで申し入れのあった団体交渉に応じなかったことは、大阪府労働委員会において労働組合法第7条第2号に該当する不当労働行為であると認められました。今後、このような行為を繰り返さないようにいたします。

「3度目の不当労働行為が認定されたナニワ生コングループ」

ナニワ生コン社・浪速建資産業社(ナニワ生コングループ)は、2020年9月25日と2023年8月18日にも、大阪府労働委員会から「不当労働行為」が認定されており、今回で3度目の不当労働行為が認定されました。さらに、中央労働委員会からも、2025年1月8日付けで、労働組合法違反の不当労働行為が認定されています。

「懲りない藤中昌則社長」

労働委員会から3度も不当労働行為が認定されるという懲りないナニワ生コングループの代表取締役・藤中昌則氏。
関生支部は、ナニワ生コン・浪速建資産業闘争に勝利するまで闘います。労働者・市民の皆さんには、ご支援くださるようお願いします。

MBSドキュメンタリー『労組と弾圧』
貧困ジャーナリズム大賞を受賞
MBS(毎日放送)が昨年3月に放映したドキュメンタリー『労組と弾圧~「関西生コン事件」を考える』が、貧困ジャーナリズム大賞2024の大賞を受賞。2月15日の授賞式で、制作を担当した伊佐治整ディレクター(写真)は「先行する『ここから』があるなかで、テレビ局としてやるべきことは、やはり「反対側の当事者」を取材することだと考えた」と話した。
<選評>
のべ11名もの無罪確定者を出した労働組合弾圧、関西生コン事件は、その異様さや規模にもかかわらず、マスメディアは沈黙をつづけてきた。そうしたなかで、本作は地上波で初めて、しかも渦中の関西地域で制作・放映されたことが高く評価された。先行作品として、日本の労働政策による貧困を指摘した書籍『賃金破壊』(2022年、本賞候補作、著者が審査委員だったため辞退)、ドキュメンタリー映画『ここから』(2023年貧困ジャーナリズム賞)があるが、本作は、元警視総監、無罪判決を出した裁判官、経営側、SNSによる組合へのヘイトスピーチを拡散した団体幹部などを直接取材して生々しく映像化し、先行作品の蓄積を大きく進めたことでも大賞に推された。(一般社団法人反貧困ネットワーク)
貧困ジャーナリズム大賞授賞式 ココをクリック

関連記事 ココをクリック
MBSニュース ココをクリック

増補版 賃金破壊――労働運動を「犯罪」にする国

竹信三恵子 (著) 旬報社 – 2025/1/30

勝利判決が続く一方で新たな弾圧も――
朝⽇新聞、東京新聞に書評が載り話題となった書籍の増補版!関生事件のその後について「補章」を加筆。
1997年以降、賃金が下がり続けている先進国は日本だけだ。そんな中、関西生コン労組は、労組の活動を通じて、賃上げも、残業規制も、シングルマザーの経済的自立という「女性活躍」も、実現した。そこへヘイト集団が妨害を加え、そして警察が弾圧に乗り出した。
なぜいま、憲法や労働組合法を無視した組合つぶしが行なわれているのか。迫真のルポでその真実を明らかにする。初版は2021年。本書はその後を加筆した増補版である。
◆主な目次
  はじめに――増補にあたって
  プロローグ
  第1章 「賃金が上がらない国」の底で
  第2章 労働運動が「犯罪」になった日
  第3章 ヘイトの次に警察が来た
  第4章 労働分野の解釈改憲
  第5章 経営側は何を恐れたのか
  第6章 影の主役としてのメディア
  第7章 労働者が国を訴えた日
  エピローグ
  補章 反攻の始まり
  増補版おわりに

「TBSドキュメンタリー映画祭 2025」開催決定 
現代を取り巻く重要な社会問題を考える5作品と「戦後80年企画」の3作品が発表されました。関連記事:ココをクリック
『TBSドキュメンタリー映画祭2025』
予告映像 ココをクリック
予告編一覧 ココをクリック

そのなかで、伊佐治整ディレクター『労組と弾圧』が上映されることが決定しました。
『労組と弾圧』
労働組合員が「ストライキして逮捕」。ミキサー運転手の労働組合「連帯労組関西地区生コン支部」、通称「関生(カンナマ)」を狙った事件。知られざる戦後最大規模の「労働事件」の真相に迫る。【予告編 『労組と弾圧』】 ココをクリック
『TBSドキュメンタリー映画祭2025』開催概要
大 阪:テアトル梅田:3月28日(金)~ 4月10日(木)
京 都:アップリンク京都:3月28日(金)~ 4月10日(木)
名古屋:センチュリーシネマ:3月28日(金)~ 4月10日(木)
東 京:ヒューマントラストシネマ渋谷:3月14日(金)~ 4月3日(木)
福 岡:キノシネマ天神:3月28日(金)~ 4月10日(木)
札 幌:シアターキノ:4月開催
加茂生コン事件差し戻し審 無罪判決を求める署名のよびかけ
加茂生コン事件差し戻し審完全無罪判決を獲得するべく、12月17日から新たに加茂生コン事件署名活動がスタートしました。
京都事件については団体署名でしたが、加茂生コン事件については各地の要望をふまえて個人と団体の2種類の署名活動に取り組むことになりました。
「関西生コンを支援する会」は、署名活動用に加茂生コン事件とはなにかを描いたニュース号外(漫画新聞)を発行しています。
提 出 先:大阪高等裁判所第3刑事部
署名の種類:団体署名と個人署名の2種類
署名用紙は、団体署名 ココをクリック  個人署名 ココをクリック
集約と提出:第1次集約  1月末日
      第2次集役    2月末日
      最終週役      3月末日

送 り 先:〒101ー0062
      東京都千代田区神田駿河台3ー2ー11 連合会館
      フォーラム平和・人権・環境気付
      関西生コンを支援する会 ホームページ ココをクリック
      TEL:03ー5289ー8222
関西生コン事件 仰天の現場証言~無罪の被告人と兵糧攻めされる業者
【竹信三恵子のホントの話】

デモクラシータイムスで、「関西生コン事件」の解説。刑事裁判で無罪になった二人の組合員と、組合員を雇った、組合員に仕事を出したことを背景にセメントの販売を拒絶され兵糧攻めにあっているセメント製造業者をインタビュー。また、「産業別労働組合」の歴史の経過を詳しく解説。
動画閲覧できます ココをクリック
【MBSラジオがネットで聞けるようになりました】
ドキュメンタリー番組の前に放送されたMBSラジオ「関西生コン事件とは何か」がネットで聞けるようになりました。
以下のところから聞くことができます。
▼Spotify ココをクリック
▼Apple ココをクリック
▼Amazon ココをクリック

映画 ここから 「関西生コン事件」と私たち
この映画は「フツーの仕事がしたい」「アリ地獄天国」など労働問題を取り上げ注目を浴びている土屋トカチ監督の最新作。「関西生コン事件」の渦中にある組合員たちの姿を描いた待望のドキュメンタリー映画『ここから「関西生コン事件」と私たち』がこのほど完成。業界・警察・検察が一体となった空前の労働組合潰しに直面した組合員と家族の物語を見つめた。(左写真は松尾聖子さん)いまも各地で上映会がひらかれている。
お問い合わせはコチラ ココをクリック

 

ー 公判予定 ー

2月26日       京都3事件(判決)     京都地裁 10:30~
3月4日     大津2次事件       大阪高裁 14:30~
3月7日     国家賠償請求       東京地裁 10:00~
関西生コン事件ニュース 113([「関西生コン事件」国賠訴訟 2/18 組合側証人5人の尋問) ココをクリック
関西生コン事件ニュース 101(東京新聞「こちら情報部」) ココをクリック
東京新聞「こちら情報部」

保育園に入れるための就労証明が犯罪? 労組は反社? 逆転無罪が相次ぐ「関西生コン事件」が示す民主主義の危機 ココをクリック