「社会的注目 - 公共工事の品質管理と安全」
大企業本位の政治や経済のしくみに生じた亀裂。労働者・中小企業の立場からそこに斬り込む連帯労組の闘い。その成果が最初に大きく現れたのは、セメント・生コン産業でのことでした。
1990年6月、公正取引委員会は、主要な大手セメントメーカーとセメント協会を闇カルテル容疑で摘発、排除勧告を出しました。労働組合敵視政策を進め、労働者・中小企業主導の生コン業界再建を力ずくで抑え込んできたセメントメーカー支配の崩壊の始まりなのです。
同時期には、「欠陥生コン」の横行が、週刊誌やTVニュースで相次ぎ報道され、国会でも問題になるなど、セメント・生コン業界の体質が社会的にクローズアップされました。
生コンクリートの品質管理の手抜きは、国民の共有財産=公共工事の安全性や耐久性に直結するからです。「品質管理の手抜きと、法違反の常態化、労働組合つぶしは表裏一体。業界体質の転換を」と連帯労組は生産点から具体的事例にもとづく活発な問題提起を続けました。
通産省(当時)は、1991年初め、「品質管理は労使の協力が前提」との見解を示し、業界紙で大きく報道されました。
「90春闘、高レベルの相場を形成」
1990年の春闘では、連帯労組の闘によって、大きな成果があがりました。1980年代からの激しい弾圧をくぐり抜け、敵の攻撃を組織強化の糧として蓄積してきた組合員のエネルギーが爆発したのです。
先陣を切った関西地区生コン支部の主要な職場では、賃上げ25,300円の高レベルの相場形成を主導し、建設、新潟の各支部でも20,000円台を突破するなど、ゼネコン・セメントのガイドラインを打破したのです。
1991年の春闘では、関西地区生コン支部の主要な職場で、賃上げ35,000円、バラセメントで賃上げ27,000円という高額妥結。建設、新潟の各支部を含め20,000円以上の妥結職場が80カ所を越え、全国平均21,181円を記録。社会的な注目を集めました。
「1年間で20分会600人を拡大。下請け・出入り業者の組織化も」
1990年から91年は、組織化も飛躍的に進み、1年間で20分会600名以上の拡大に成功しました。関東では、中堅ゼネコンの加入、滋賀でも一挙に4分会の公然化で集団交渉の実現など、大きく弾みがついたのです。また長野では、中小ゼネコンの分会が下請け日雇い労働者を大量に組織化、大阪では生コン工場の出入り業者・ダンプカーが大量加入といったモデルづくりが進みました。
企業の意識は、労働者同士を分断する資本の支配手段ですが、下請け・出入り業者の要求実現は正規雇用者らの組織力向上=資本との対抗力強化につながることを実証したのです。
労働時間短縮の制度要求も前進しました。建設省や労働省に、中堅・中小建設業者にとって時短を実現するのに必要な措置の実行(発注工期の延長、賃金等の積算の改善など)を要求した結果。「元請け大手ゼネコンの都合で下請けを拘束してはならない」「土曜の現場閉鎖を業者団体に指導する」との回答を得ました。これ以降、各自治体への交渉が広がっていきました。
91年4月には、大阪生コン協同組合の雇用責任を追及した、箕島興産闘争も8年ぶりに勝利解決しました。
「国境を越えて連帯。反差別・人権確立めざし」
あらゆる差別と人権侵害に反対し、国の内外で反戦平和のために闘いの輪を広げました。韓国、朝鮮、中国、フィリピンをはじめドイツ、ロシアなど世界各地の平和運動や労働組合との交流が活発化しました。
1989年2月、天皇制の強化に反対してデモ行進。90年3月、来日した韓国スミダ電機労働者のハンストを支援。同年4月、東欧民主革命のポーランド・チェコを訪問。同年10月には、自衛隊の海外派兵反対を訴え、横田基地で「人間のくさり」行動などの活動を展開しました。
「敵の巻き返し攻撃。全国各地であらたな弾圧が」
連帯労組の新たな攻勢に歯止めをかける巻き返しを狙って、1989年秋から90年夏にかけて、権力弾圧と権利侵害が全国各地で相次ぎ発生しました。
89年9月、徳島・西沢生コンの偽装閉鎖攻撃。89年12月から90年6月にかけて滋賀・灰孝グループの3次にわたる刑事弾圧。90年2月から91年2月にわたる新潟・旭コンクリートの大量休職処分。89年5月には、愛知・名古屋西運輸のストライキ妨害。90年7月から8月にかけて、眞壁組の刑事弾圧など、いずれも個別企業の背景でゼネコン・セメントメーカーと警察が手を結び、全国的に連携を強めている姿が浮かび上がりました。
過去の弾圧を乗り越えてきた経験を生かし、各支部は長期闘争を辞さず、盤石の反撃体制を築きました。一人の争議であっても孤立させず全体で支えて解決すること。さらに経営側の系統的な争議手法を分析し、効果的な戦術行使をはかるために、90年12月以降、「争議分会全国交流集会」が開かれるようになりました。
第7日 公判
日時:2019年1月28日 10:00~12:00
第8回 公判
日時:2019年2月7日 10:00~12:00
場所:大津地方裁判所
第1回 公判
日時:2019年2月1日 13:30~
場所:大阪地方裁判所 大法廷 201
第1回 公判
日時:2019年2月28日 11:00~12:00
場所:大津地方裁判所
「労働組合つぶしの大弾圧を許さない実行委員会」への賛同の呼びかけ
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ストライキしたら逮捕されまくったけどそれってどうなの?(労働組合なのに…) 単行本 – 2019/1/30
連帯ユニオン、小谷野 毅、葛西 映子、安田 浩一、里見 和夫、永嶋 靖久(著)
内容紹介
レイシスト(差別主義者)を使って組合破壊をしかける協同組合、ストライキを「威力業務妨害」、職場のコンプライアンス違反の告発を「恐喝」、抗議を「強要」、組合活動を「組織犯罪」、労働組合を「組織犯罪集団」と言い換えて不当逮捕する警察。
いま、まっとうな労働運動に加えられている資本による攻撃と「共謀罪のリハーサル」ともいえる国家権力による弾圧の本質を明らかにする!
お問い合わせは、連帯ユニオンまで
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