労働組合が垣根を越えて政策研究集会を開く

1994年5月29日から30日、業界再建とセメント・生コン労働者の全国共闘を展望する政策研究全国集会が連帯労組中央本部主催のもと、大阪市内の東興ホテルで開催されました。連帯労組をはじめ交通労連、全港湾、全国一般の代表が集い、あるべき業界再建を実現する産業政策と闘う指針を研究・交流しあいました。
主催社を代表して挨拶にたった長谷川中央本部執行委員長は、戦後の記録を更新する長期不況のもとでセメント・生コン産業の変革と再編が強く問われていることを指摘。需要減、過当競争、買い叩きによる生コン価格の値崩れが全国に波及し、生コン業界始まって以来の危機に直面していること。こうした危機とセメント主導の再編に対置した真の業界近代化と雇用確保にむけて、全国で働く仲間の期待に応え得る研究が求められていることを呼びかけました。
政策委研究全国集会の闘争報告では、以下のごとく集会の位置づけを記しています。
『過去、生コン産業始まって以来の歴史的教訓は、労使が共同して政策闘争を追求した時期のみ共注・共販機能や価格が安定していたことである。1972年のオイルショックを契機とした経営危機以降、セメント・工業組合・労働組合が三位一体で「雇用を第一義」とする構造改善を進め、業界の安定と近代化を展望。79年から82年、労働4団体が生コン産業政策推進委員会を構成し、業界の近代化と集団的労使関係の確立を追求してきた。ところが82年、当時の大槻文平・日経連会長による対労働組合敵視政策のもと、セメント協会内に生コン対策委員会を設置。翌83年には対労司令部として「弥生会」を結成し、労組敵視と賃金抑制、権力を使った大弾圧、組織分裂攻撃を経て労使関係を破壊し、業界の混乱に拍車をかけてきた。こうした歴史的経過のもとで、連帯関生支部は90年以降、経営危機を労働政策の条件にいかし、産業政策を具体化。アウトとの大同団結、労使の協調関係を前提とした新たな業界秩序の確立と業界再建に向けて大きく情勢を切り開いてきた。そして今、関連労働組合との共闘を促進し、産業別政策の確立と組織の主体的力量の強化をめざしている。』

セメント産業基本問題検討会が示したもの

研究集会では、行政の立場から平松博久・通産省窯業建材課長が「セメント産業の現状と問題点」について講演しました。
平松氏は、セメント産業基本問題検討委員会の報告書を引用して業界の現状を分析。セメント産業の大きな問題点として、収益率の低下、高コスト構造、国際展開の立ち後れ、エネルギーの多消費構造となっていること。なすべき対応の方向として、①企業体力の強化、②国際化への対応、③技術開発・エネルギー・環境対策に取り組むことが課題であることを指摘しました。
セメントの収益率の低下は、価格の低迷が原因であり、かつ物流コストが増大し、非効率的商流の存在によって収益が低下していること。セメント各社の売上高と経常利益率はいずれも1988年度から92年度まで下がり、損益分岐点比率が91%まで上がり、あと9%生産が落ちたら赤字に転落する状況にあること。販売量が増えても、市況が落ちているため売上高が下がり、物流コストが上がっていること。具体例として、セメントのトンあたりの日米比較を示し、工場で生産する段階ではアメリカの方が製造コストが高いものの、販売物流コストは日本が5,400円であるのに対し、アメリカが2,205円と逆転しており、とりわけ輸送費が高いことを指摘。セメント産業をめぐる環境変化と対策として、①競争原理・自己責任原則をベースにした経済社会構造をつくること、②国内市場が成熟し、需要が大幅に伸びる産業ではないこと、③国境を越えて経済がグローバル化しつつあること、④地球環境問題の顕在化による廃棄物問題であることを解説。生コンとの関係では、過度の相互依存体質があったとして、生コンが取り組む第3次構造改善事業にセメントが協力すべきであることを解説しました。
 また、生コンが抱える最大の問題として、設備の過剰と稼働率の低下であること。製造能力がどんどん増えるのに対して出荷量は90年度から一貫して落ち込み続け、ミキサー車の稼働率は15.8%という異常なまでの低い数字になっていること。こうした現状から近代化の目標を達成するための必要な事項として、新技術の開発、品質管理の徹底に関する事項(品質管理監査制度の充実、品質管理指導体制の強化、共同試験場の建設、品質保証制度体制の確立)、設備の近代化に関する事項であることを示しました。

近代化・合理化には関連業界、労働者の理解・協力が前提

また、通産省が同年4月に策定した生コン製造業の中小企業近代化計画では、流通の近代化と配慮すべき事項として以下の新たな内容を柱に構成されました。

〔流通の近代化に関して〕
①効率的な流通経路を模索し、適正なコストを反映した価格取引が実行されるよう協同組合の受注及び販売方式の改善を図るものとし、書面契約の推進、事後取引の防止等の契約方法及び代金回収方法の改善、債権保全対策の確立等に務めるものとする。
②物流の合理化については、製品輸送の効率化を推進するとともに、原材料の受け入れにさいしては適正な積載量で搬入するよう、売買契約書への盛り込み等、普及徹底をはかるものとする。
③取引の近代化及び物流の合理化を推進するにあたっては、関連業界の理解・協力を得るよう、業界間の意見交換を積極的に実施するものとする。
〔近代化に際し配慮すべき事項〕
従業員の福祉の向上に関する事項-従業員の福祉向上を図るため、労働災害の防止に留意した作業環境の改善を最優先とし、休日の増加、労働時間の短縮、給与制度の改善、福利厚生施設の充実等に務めるものとする。

ハーバービジネスオンライン
相次ぐ労働組合員の逮捕。「関生以外の組合にも弾圧が及びかねない」と弁護士も危惧

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滋賀 湖東協事件(恐喝未遂事件)
第16回 公判
日時:2019年5月8日 10:00~17:00
第17回 公判
日時:2019年5月9日 10:00~17:00
第18回 公判
日時:2019年5月21日 10:00~17:00
場所:大津地方裁判所

大阪 威力業務妨害事件
第2回 公判
日時:2019年5月15日 10:00~
場所:大阪地方裁判所 大法廷 201
滋賀 大津協事件(威力業務妨害)
第2回 公判

日時:2019年4月2日 11:00~
場所:大津地方裁判所

「労働組合つぶしの大弾圧を許さない実行委員会」への賛同の呼びかけ
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大津地方裁判所長あて〈団体署名〉PDF
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大阪地方裁判所長あて〈個人署名〉PDF
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※PDFのところをクリックしていただき署名用紙をダウンロードしてください。
●署名の集約
第1次集約 3月末日(4月中旬提出)
第2次集約 4月末日(5月中旬提出)
第3次集約 5月末日(6月中旬提出)
●署名の送り先
〒111-0051
東京都台東区蔵前3-6-7 蔵前イセキビル4F
全日本建設運輸連帯労働組合中央本部
●電話番号:03-5820-0868

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内容紹介
レイシスト(差別主義者)を使って組合破壊をしかける協同組合、ストライキを「威力業務妨害」、職場のコンプライアンス違反の告発を「恐喝」、抗議を「強要」、組合活動を「組織犯罪」、労働組合を「組織犯罪集団」と言い換えて不当逮捕する警察。
いま、まっとうな労働運動に加えられている資本による攻撃と「共謀罪のリハーサル」ともいえる国家権力による弾圧の本質を明らかにする!
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