「威力業務妨害事件、大阪地裁」

連帯ユニオン関西地区生コン支部への権力弾圧をめぐる公判が7月9日、大阪地裁で開かれました。本日の公判は証人尋問です。

(傍聴した方の印象)

午前の証人は、U社の社長の息子と総務のE氏。主尋問の中では「連帯の組合員が前に立ちふさがって業務を妨害したからです」という言葉が、まるで合言葉かのように十数回繰り返された。
U社は以前作成していたプラカードとカメラを併せて妨害の映像を残すために準備をしていた。
また、組合員は車両を運転する運転手さんに「ストライキに協力してください」と伝えているなかで、1台のタイヤが酷く摩耗していることに気づいた。警察も確認し、その車はレッカー移動となった。弁護人の反対尋問で「警察がレッカーで運ばないといけないと言って運ばせたのではないですか」という質問をしたが、証人は「覚えていないがレッカー移動しないといけなかった」と答えた。さらに結果的に警察も確認しレッカーで移動することになったが、証人は「日々点検しているためタイヤの摩耗は大丈夫だった」などとと恐ろしい証言をした。
午後の証人は、T社のT工場長。この証人が特別なのかもしれないが、証言の中で組合員の名字を呼び捨てにして証言するところが、大津の事件の証人と違うと感じた。
午前午後を通して、「妨害された」という言葉が数十回使用された。
2名の証人は、主尋問ではスラスラ答えるが、反対尋問ではあまり記憶にない、覚えていない、はっきりわからないなどの言葉が目立った。

●公判終了後、弁護団から本公判の解説と今後の方針を述べていただきました。

「公判のまとめ三輪弁護(抜粋)」

今日はU社のEさん(U社の担当者。折衝していた人。社長の息子)、T社の担当者T工場長の尋問をした。基本的に第一回の公判で映像を取り調べているので、それを見たら明らかなようなことが話にはたくさん含まれていたが、あの映像に出てこないような事情、例えばさっき井上先生が質問した押し倒されたと10ヶ月後に被害届を出すなど、いかにも作られた事件であるということも今日は聞けたのではないか。
N執行委員と武委員長については、手錠・腰縄はしない申し入れは昨日していたのに、今日は対応してもらえなかったが、進行協議で話し合っていく。大津ではどうしているかと聞かれたので、次回からは手錠・腰縄しないように申し入れていく。次回は8月20日。U社社長の尋問。

「太田弁護士(抜粋)」

午後の(証人)工場長を担当したが、なぜあのような質問をしたかと言うと、T社というのは、大阪広域協組の副理事長であるJ氏が経営している。そのためJ氏の会社を狙って押しかけたというのが検察のストーリー。しかし今日の話を聞くとわかる通り、元々ストライキをするという話を聞いたため別の(輸送)会社に(ミキサー車を)頼んで、K社のミキサー車を出せと言った。それを聞いたN執行委員がおかしいと前日に抗議に行き、最初は出すのおかしいと言っていたが、「もう社長同士で話がついてるなら顔を立てて出すけれど、その代わり明日は仕事させろよ」と言った。別にJ氏の会社を狙い撃ちしに来たわけではなく、ミキサー車を出すという話になり、そこから話が変わってしまって、最初ミキサー車出さすなと言っていたが、出してもいいけれど仕事はさせろよと。ストとは逆の話になった。

「井上弁護士(抜粋)」

今のでだいたい尽きているが、全体の構図ではストライキ。出荷を止める出荷を停止させる、業務を阻害するということだが、T社の部分だけは例外だ。関生がストライキをしようとしたことをキッカケに組合員が働いている工場での輸送を全部切ろう(輸送契約の打ち切り)としている。それを口実に切ろうとしているのではないかと。そうなれば、組合員の雇用が失われてしまうため、そこについては例外的にストライキとは逆の動きをして仕事をさせろと、これまで通り仕事をさせろとという動きをした。その部分をT社については、「威力業務妨害」と言われているため、それは違うと弁護側は主張している。

三輪弁護士、太田弁護士、井上弁護士には丁寧でわかりやすい解説と問題点や本質を述べていただいたことに感謝します。ありがとうございました。
労働組合つぶしの大弾圧を許さない実行委員会・大阪や勝手連・滋賀のみなさんをはじめとした全国の支援者のみなさん、裁判の傍聴支援をありがとうございます。今後もご支援ご協力をお願いします。

「労働組合つぶしの大弾圧を許さない実行委員会」への賛同の呼びかけ 
PDF

好評販売中!
ストライキしたら逮捕されまくったけどそれってどうなの?(労働組合なのに…) 単行本 – 2019/1/30
連帯ユニオン、小谷野 毅、葛西 映子、安田 浩一、里見 和夫、永嶋 靖久(著)
内容紹介
レイシスト(差別主義者)を使って組合破壊をしかける協同組合、ストライキを「威力業務妨害」、職場のコンプライアンス違反の告発を「恐喝」、抗議を「強要」、組合活動を「組織犯罪」、労働組合を「組織犯罪集団」と言い換えて不当逮捕する警察。
いま、まっとうな労働運動に加えられている資本による攻撃と「共謀罪のリハーサル」ともいえる国家権力による弾圧の本質を明らかにする!
お問い合わせは、連帯ユニオンまで TEL:06(6583)5546 FAX:06(6582)6547
アマゾンでも購入することができます。
こちらから