「労働者の雇用確保と福祉の向上をめざし」

こうして生コン業界は、「値戻し・再建」へ共販体制の再構築をめざす大阪広域協組の活動と、構改推進を目的とした飛鳥会の発足によって新たな段階に入った。業界の危機打開・再建と大同団結をめざす課題として、大阪広域協組と飛鳥会の組織率を高めた集団的労使関係の確立を柱として、①値戻し・適正価格の確立、②品質保証と技術力の向上、③労働者の雇用確保と福祉の向上、④生産・労働コストの平準化、⑤輸送の共同化とコストの平準化の実現をめぎすこととなった。
関係労組が結集する生コン産業政策協議会は、業界に求める当面の課題として、●阪神大震災の被災者救援(雇用•平均賃金保障、見舞金支給)、●雇用に影響を及ぼすことから、労働組合との合意の上でシェアを決定すること等の実現へ力を結集することを確認した。
また、全港湾組合員への組織破壊攻撃と業界混乱に奔走する早水組(尼北生コン)に対し、生コン産業政策協議会に結集する労働三団体は5月23日以後、24時間体制で闘いを集中。その結果、9月6日付で次のように勝利解決を収めた。(1)会社はエ組及び大阪広域協組に加入し事業を継続する、(2)会社は不当労働行為を謝罪し、正常な労使関係を確立する、(3)会社は組合事務所を貸与する、(4)会社は3名の解雇を撤回する、(5)労働条件はエ組協組加盟社の水準に是正する、(6)会社は実損、及び解決金を支払う。
一方、「値戻し・再建」をめざす大阪広域協組への加盟を促進する取り組みは、9月20日を期限に未加盟社に対し加盟を要請。その結果、摂津生コン・ナニワ生コン・新鳥飼生コン・伊丹宇部・永和商店などの各社の協組加入を確認。労働三団体が各社に対する取り組みを集中したことによって、大阪広域協組の組織率を80%以上に引き上げ、大企業支配に対する産業民主化を大きく前進させた。

「業界再建へ果たした労働三団体の牽引力」

戦後50年、生コン支部結成30周年という大きな節目のなかで10月15日、関西地区生コン支部の第31回定期大会が開かれた。
闘いによって大きな成果をもとに開かれた大会で、主催者を代表して挨拶に立った武執行委員長は95年の運動成果と課題を提起。●95春闘で労働三団体が政策協議会に結集し、要求づくりの段階から共闘したこと。その結果、13年ぶりに集団交渉を実現し、業界の対労機関として「飛鳥会」が発足したことにより、社会的規制力をともなう集団交渉確立への展望を具体化したこと。●業界の再建・近代化をめざす産業政策が三団体共闘によって大きく前進し、労働コスト平準化への見通しを示したこと。産業構造を民主化し経済民主主義をめざす運動の具体化として、中小企業の大同団結で共注・共販システムを追求する大阪広域協組の組織率を80%以上に引き上げたこと。●「組合継承権」をめぐり、日本共産党・運輸一般による組織破壊攻撃と争われていた裁判で5月 29日、大阪地裁が我が組織の全面勝利の判決を下したことなど、情勢を闘いによって切り開いてきた成果を指摘。この成果におごることなく、新たな闘いの創造を呼びかけた。

正社員化要求したら「強要未遂」!?
「関西生コン事件」に見る労働三権の危機

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関西生コン事件ニュース No.12  PDF

「労働組合つぶしの大弾圧を許さない実行委員会」への賛同の呼びかけ 
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