セブンイレブンと闘って時短営業を実現
松本さんの闘いと「働き方改革」 関生型労働運動に学ぼう

関西労組交流センター主催の連続学習会が6月19日、エル大阪で開催。「セブンイレブンと闘って時短営業を実現。松本さんの闘いと『働き方改革』」と題した学習会に50名を超える参加者が結集しました。

「セブンイレブンに反旗を翻す闘いを」

学習会は、関西労組交流センター共同代表・港合同執行委員木下浩平さんの司会で開会。木下さが「コロナ禍のなか、2万5千人の解雇・雇い止めが非正規を主に発生し、潜在的な失業者が600万人というリーマンショックを越える大恐慌に突入している。他方でアメリカでは、黒人男性の虐殺による人種差別撤廃運動の広がりが全米にとどまらず、連帯する取り組みが世界に拡大している。日本国内でも大阪や東京で闘いがつくられている。関生支部弾圧では、この2年間に89名が逮捕され、70名近くが起訴されたが、5月29日に武委員長、6月1日には湯川副委員長を奪還し、敵の狙いを粉砕する成果をあげた。これから反転攻勢として、全員の無罪判決を勝ち取る新たな闘いに突入する。コロナ禍で、労働者をはじめ民衆が生きていけない情勢のなか、コンビニ業界では、コンビニ関連ユニオンの闘いがつくられている。セブンイレブンに反旗を翻す闘いとして、東大阪の松本オーナーの闘いに学び、今後の闘いにつなげる学習会にしたい」と挨拶しました。

「関生型労働運動に学ぶ闘いを」

関西合同労組の山口書記長は、「松本さんを先頭にコンビニオーナーたちの闘いに全力で取り組む。これは、憲法に緊急事態条項の創設を狙う安倍政権打倒と、改憲・戦争を阻止する闘いだ。新自由主義のなか、小売業を大企業が支配するために、先頭に立ったのがセブンイレブン。コンビニを指定公共機関に位置づけたのは、有事のさいにコンビニを民間の戦争遂行の役割を担わせることが目的であり、24時間営業は国策だ。安倍の「働き方改革」は、雇用関係によらない働き方などを求める財界のための個人事業主化など労働者の権利を奪う政策。長時間労働や過労死が、コンビニオーナーの実態。コンビニオーナーの闘いは先駆的なもので安倍が恐れるもの。松本さんの闘いには、フリーランスや小零細事業主が共感している。コンビニ関連の闘いの指針を示すために、関生支部が切り開いてきた産業別労働運動に学び実践することを議論している。10数年前に関生が取り組んだ、団体協約締結のための団体交渉応諾など協同組合運動である近バラ協とセメントメーカーの闘争を活用し、コンビニ労働者の組織化とコンビニ産業を丸ごと組織化することが重要だ」と闘争方針を提起しました。

「松本さんの講演」

松本さんは、「2018年5月マネージャーでもある妻がガンで逝去した。店が回らないこと知っている妻は抗ガン剤を使いながら無理をした。セブンイレブン本社は、売り上げが多いところに店を増やすという『ドミナント(※1)』を実施して利益を上げている(『ドミナント』、地域に店舗を増やせば増やすほど本社が儲かる仕組み)。店舗が途中で閉鎖しても建物の解体費や家賃などは、オーナーと地主が負担する。商品の廃棄についても店舗は負担を増すが、本部は損をしない仕組みになっている。人件費はオーナー負担。店の利益が上がらなくてもで、契約を盾にチャージ(ロイヤリティ)は本部が取る」など、セブンイレブン本部の利己的なやり方を話しました。
「福井の豪雪の時でも、50時間は店を明けろと本部が指示したことが、ニュースで話題になった。テレビ局の取材を受けて放映されることになっていたが、本部はそのオーナーにカネを払い放映を取りやめさせた。そのオーナーは、「本部が怖かった」と怯えていたという。この間、本部は長時間労働など過労が原因で、精神疾患になったオーナーを切り捨ててきた。メディアなどで暴露されることを恐れている」と本部の凄まじいやり方を暴露。
「休日や時間短縮、チャージ(※2)の見直しなどを意見するオーナーの店舗には、客からのクレームがいっぱい出てくる。本部は意見するオーナーをやめさせいのだ。話し合いでは本部は録音対策を徹底しており、書面を見せて重要なことは口に出さない。私の場合は、時間短縮による契約解除ではなく、客からの頻繁なクレームによる契約解除だった。現在係争中である」と本部の意向に沿わないオーナーを排斥する実態を話します。
「中労委でひっくり返った(初審の団交応諾命令を中労委が棄却した)前日に、安倍と井坂が会食をしていた。中労委命令に影響を及ぼしたのではと思っている。私たちの申立に対して公正取引委員会は、『セブンイレブンは対応すると言っているので』などと、やっている感(形式的に動いているという感じ)で、頼りない。政治献金などを含めると、セブンイレブン本部への闘いだけではダメだと感じる」と松本さんの気持ちと意見を打ち明けました。

「去年の夏ごろから変な客が増えた(店に些細なクレームをつける嫌がらせ)。そのやり取りを向かいのマンションの一室からビデオで撮影していた。それが続いたことから、店長(松本さんの子どもさん)は、人恐怖症になった。その後の裁判で、本部が主張する『クレームが多い』証拠として動画や音声(店に来た変な客が録音したもの)が提出された」と大企業特有の卑劣なやり方を話しました。
「自分だけの問題ではない。本部のあくどさを世の中に暴露することが目的だ。国民が声を上げることで、検察庁法改正案廃案など安倍がやりたいことができなくなっている。世論にわかってもらい、支持を得る闘いに挑む」と闘いの決意を表明。
「労働組合とはどうあるべきかと考えている。労働組合のための労働組合であってはダメだと、労働者のための労働組合でなければならないと。自分と同じような思いの人を助けるために、自分が助けてもらったら今度は自分がその恩返しとして、誰かを助けるよと、そんな労働組合でないと今後成長していかないと思っている。そういう労働組合をつくっていきたい」と締めくくりました。

※1 ドミナント、1つの地域に多くの店を出し効率化を。店舗の売り上げの中から、チャージとして60%が本部に。1店舗よりも60万円の売り上げがある2店舗の方がチャージが増える仕組み。
※2 チャージ(本部がとるロイヤリティ)、売り上げから仕入れ値を引いた分だけからチャージを引かれる。その残り分で店舗は光熱費や人件費を賄っている。24時間営業では人件費が高くなりオーナーの負担が増す。24時間営業で一本でも珈琲が売れると本部はチャージが取れる仕組み。

「コンビニ会計の仕組みと関生の産別運動」

講演後の質疑・討論では、「コンビニ会計」の仕組みを山口書記長が説明しました。本部は損をせずにしっかり儲かり、店舗の負担は増す仕組みを、ホワイトボードに示すなど詳しい解説に、大企業が小事業者を収奪する構図の理解が深まりました。
契約については、「鈴木俊文会長が45年前に、1億円かけて契約書を作成、(水も漏らさぬ契約内容)他のコンビニ本部もそれを真似た。契約の説明時、本部はいいことばかりしか言わなかった」と、松本さん。
松本さんから関生の闘いを教えてほしいとの質問では、「関生支部は、産業別労働組合。中小企業と労働組合が共闘して、大企業の収奪を許さない闘いをしている。大企業との対等な取引をするために中小企業を協同組合に結集させ、中小企業等事業協同組合法を活用し、大企業に適正な価格を支払わせて、中小企業で働く労働者の賃上げや労働条件を改善する運動を展開している。コンビニ産業に産別運動を展開しましょう」と関生支部代表者は答えました。

「現場の労働者を組織して、闘いを広げよう」

関西労組交流センター共同代表・豊中市職の深町さんが、本日の学習会のまとめをおこないました。深町さんは、松本さんに感謝を述べたあと「行政とコンビニの連携が、戦争時の兵站となるコンビニの位置づけを許してはいけない。政財界は、労働者の結集を労働組合を恐れている。全ての労働組合がつながり闘うことで、腐った社会を根本的に変えていくことが私たちに問われている。現場の労働者を組織していくことが最優先課題だ。今後、様々な学習会を行い、それを実践することで、さらに団結して闘いを広げよう」と提起してお開きとなりました。
その後の交流会では、松本さんを囲み、それぞれの労組の闘いの報告や今後の方針の議論を深めました。みなさんの闘争報告に多くのことを学ぶことができました。

6/21 シンポジウム ~今、見逃せない労働組合弾圧~ (IWJ)

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公判が日程変更や中止になっています。確認お願いします。

労働組合やめろって警察にいわれたんだけどそれってどうなの(憲法28条があるのに…) 単行本 – 2020/3/6
連帯ユニオン、葛西 映子、北 建一、小谷野 毅、宮里 邦雄、熊沢 誠、海渡 雄一、鎌田 慧、竹信 三恵子(著)

内容紹介
戦後最大の「労組壊滅作戦」が進行。
警察・検察・裁判所による弾圧。
権力と一体となった業界あげての不当労働行為。
関西生コン事件の本質を明らかにする!
ストライキやコンプライアンス活動を「威力業務妨害」「恐喝未遂」として89人逮捕、71人を起訴。
委員長と副委員長の拘留期間は1年5か月超。
取り調べで「組合をやめろ」と迫る警察。
家族に「組合をやめるよう説得しろ」と電話をかける検察。
組合活動の禁止を「保釈許可条件」とする裁判所。
いったい誰が、なんのために仕掛けているのか「?関西生コン事件」の真相。お問い合わせは、連帯ユニオンまで TEL:06(6583)5546 FAX:06(6582)6547
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