差別を許さない社会づくりを目指そう

全国で新型コロナウイルスの感染が再拡大するなか、政治家らは「夜の街」という言葉を繰り返して使い、ホストクラブやキャバクラで働く労働者の差別を広げています。
多くのお店は、消毒や体温測定や一定の距離をとるなどの感染症対策をとっているのに、定義が明確でないまま情報が広がり、全国の歓楽街は「危険だ」というイメージがついてしまいました。

「人間が労働する場のひとつ」

当初はバーやナイトクラブへの出入り自粛を促していたのに、最近はホストクラブやキャバクラの関係者の感染を強調しています。
感染経路が不明なケースが増えているのに、「夜の街」を繰り返し発言する政治家らは、有効な対策が打てないことから「夜の街」に批判を集中させるという印象操作で責任逃れをしているのです。
ホストクラブやキャバクラの若者たちの多くは、労働者としては弱い立場に置かれており、欠勤すると罰金を科されるような労働環境の劣悪な店では「熱が出たら休む」という選択さえ簡単にはできません。
20代前半の若者が多く、大学や専門学校の学費を稼ぐため、家族を養うためなど、働く理由は様々です。今回のコロナ禍で標的にされた、ホストクラブやキャバクラといった職場も、人間が労働する場のひとつで、生きるための仕事は、働く時間が昼であろうと夜であろうと変わりません。

「戦前の遊郭で働く女性たち」

女性史研究者で「遊郭のストライキ:女性たちの二十世紀・序説」の著者である山家悠平さんは、朝日新聞(2020年7月21日付)で、このように述べています。
「遊郭の女性を管理する『近代公娼制(こうしょうせい)』が明治期に導入されたのは、感染症対策という狙いもありました。行政は娼妓(しょうぎ)らを『性病感染の発生源』とみなして監視し、性病検査も義務づけた。一種の『隔離』政策だったのです」。
「1920~1930年代にかけて、多くの女性たちが遊郭でストライキを起こしています。要求したのは待遇の改善でした。食事を改善してほしい、病気になったら医師の手当てを受けさせてほしい、ちゃんと人間として扱ってほしい。生きるため、食べていくために、労働環境の改善を訴えていたのです」。
「他方、ストを遊郭の外から支援した人々は、女性たちの仕事をなくすことにつながる「廃娼(はいしょう)」を目指していました。私はこうした女性史の研究を通じて、現場で働く当事者の思いとそれ以外の人々の思いとの間にいかに隔たりがあったかを知りました」。
「一世紀経った今、当時と同じような乖離の構造が『夜の街』をめぐって姿を見せているように思えてなりません」。
「政治家やメディアは連日、『夜の街』という言葉を使い続けています。そこには、歴史への反省が見られません。終戦直後、米兵相手に売春する女性をメディアが『夜の女』と呼んで蔑んだように『夜の…』という言葉はもっと慎重に扱われなければならないはずです。『夜の街』を敵視するやり方では、何も改善しません。当事者の声に耳を傾けながら、すべての働く人々の尊厳が大事にされる社会を目指す。そんな姿勢が求められているのではないでしょうか」。

「差別を許さない社会を目指して」

政府は当初、コロナ禍の支援金の対象から接待を伴う飲食店や風俗業を除外しました。新型コロナウイルス感染の再拡大で、一部の首長からは「夜の街」など特定業種に休業要請をすべきだという声があがるなど、政治家が率先して「差別」を容認する発信をしています。
ホストクラブやキャバクラで感染症対策がなされているかという理由で、店舗に警察官が立ち入り調査をおこなうなど異常な事態が、さらなる偏見や差別の助長につながっています。
私たち労働組合は、このような差別を見過ごしてはいけません。労働組合は、すべての労働者の利益代表者です。痛みを共有して、問題解決に向けた取り組みを展開して、差別を許さない社会づくりを目指しましょう。

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