関西生コン労働組合の弾圧を許さない東京の会・第3回総会

関西生コン労働組合の弾圧を許さない東京の会・第3回総会が4月17日、東京しごとセンターで開催され、100人の闘う仲間が結集しました。

「弾圧を許さず関生を支援する活動と関生に学び、労働運動の再生を目指す運動を積極的に行う」

東京中部ユニオン・原田さんの司会で総会は開会。原田さんは「関西生コン支部への凄まじい弾圧に、労働運動はどうなるのかと、運動を始めた。闘う労働組合をつぶしてはいけない。東京の会は3年目に入り、新たな体制で闘いに突入しよう」と開会宣言。
金元重・共同代表の開会あいさつ。金共同代表は「私たちは戦後最大の労働組合運動に対する刑事弾圧、関西生コン事件に抗議の声をあげるため『関生支部の弾圧を許さない東京の会』を結成して、2年が過ぎた。関生弾圧を知らせる街頭宣伝、関生を学ぶ学習会、裁判傍聴闘争に取り組んできた。設立総会でも述べたが、組合活動に対する信じがたい刑事事件を見過ごすことはできないという、2019年12月9日付けで『関西生コン事件に関する労働法学会有志の声明』が出された。その声明の最後は『私たちは、労働法を研究する者として、今回の事件において、警察・検察当局の憲法を無視した恣意的な法執行に強く抗議するとともに、戦後積み上げられてきた組合活動保障を意図的に無視するものとして重大な懸念を表明する。警察官や検察官には、憲法遵守義務を負っている公務員として、憲法28条の団結権・団体行動権の保障、その確認としての労組法1条2項の組合活動の刑事免責を踏まえて、適正な法執行に努めることを強く求めるとともに裁判官には、労組法上の適格組合に対して、反社会集団との予断を持つことなく、組合活動の正当性の有無を真摯に判断することを求める』と結ばれていた。その後、裁判の経過を見ると、この労働法学会有志たちの懸念が的中したとしか言いようがない不当判決が続いた。それどころか、今年1月の大津地裁の公判では、検察官が組合員に対し、関生脱退を働きかけていた実態が暴露された。一連の事件が組合つぶしを意図したものであることが示された。しかし、昨年2件の無罪判決などの勝利も重ねている。反転攻勢に挑んでいる関生組合員、弁護士、支援者たちの健闘に心から敬意を表する。本日は、この間の成果を振り返り、今後の活動の方向を確認する総会にしたい。東京の会は活動の柱として『弾圧を許さず関生を支援する活動』とともに『関生に学び、労働運動の再生を目指す運動を積極的に行う』こと掲げている。『生コン労働者の組織化の教訓』報告は東京の会としての独自の取り組みだ。東京の会は、関生型労働運動の建設を首都圏でも模索することを一層強めていく。そのためにも2年が経過した組織体制をより機動的かつ柔軟にするために、従来の共同代表制を改め、代表と事務局長を中心とする運営委員会で労働運動再生に取り組む。これまで共同代表を務めてきた3人が代表を退いて、日本機械工業労働組合・山口委員長に代表を務めてもらい運営にあたる。私たちは一会員として闘争には積極的に参加していく」とあいさつしました。

「11月集会の結集、3労組アピールの賛同を広げ、関生弾圧を打ち破ろう」

続いて、連帯のあいさつ。国鉄千葉動力車労働組合・関委員長は「関生の仲間は、労働組合活動を犯罪として組合員を不当逮捕、起訴するという戦後最大の大弾圧の渦中にある。それは『戦争のできる国』をつくるための労組破壊攻撃だ。この弾圧との闘いには、労働者の権利、労働運動の未来がかかっている。関生は困難な中にあっても弾圧に屈することなく、新たな体制を確立して闘い抜いている。動労千葉は、3月11日から13日、JR東日本のダイヤ改正に対するストライキに立ち上がった。ロシアによるウクライナ侵攻のさなか、まさに戦時下での春闘ストライキとなった。この3月ダイヤ改正は、鉄道の歴史始まって以来の大転換であり、今後の大攻撃の出発点。労働者の専門性も技術、経験も否定し、『付加価値を生むことが全てだ』というもの。これは、JRだけの問題ではなく、政府、財界が全面的に雇用の柔軟化、解雇規制の柔軟化を進める国家意思を背景にしたものだ。必要なのは、闘う労働組合の力であり、この攻撃を打ち破るまで闘い抜く。動労千葉は、関生、港合同の3労組で11月労働者集会を呼びかけてきた。今年で25回を迎える。2月13日には、3労組で共同アピールを出した。集会の第一のテーマは、関生への大弾圧を打ち破ること。第二は、新自由主義を終わらせること。第三は、改憲と戦争を阻止すること。第四は、労働者の国際連帯だ。労働者の意識も大きく動いており、これまで不可能だったことも可能性を持つ時代だ。11月集会の結集に、3労組アピールの賛同を広げ、関生弾圧を打ち破ろう」とあいさつと行動を提起しました。

「関生をつぶしてなるものか!」

関西生コン労働組合の弾圧を許さない東海の会・柿山さんは「関生弾圧に対して、裁判傍聴や月1回の街頭宣伝、竹信さんの講演会などを展開している。永嶋弁護士の学習会パンフは東京の会が多数引き受けてくれた。労働運動は、人と人のつながりだ。現場の関生組合員に喜びや楽しみを語ってもらう集会を開催した。この集会のまとめでは、熊沢誠さんが『関生をつぶしてなるものか!ピケは認められないかもしれないが、産業別、職種別労働組合をつくって、関生運動を広げよう!』と提起した。3名の関生組合員は、『全国の支援団体とその行動が、大きな支えになっている』と語った。東京の会のみなさんをはじめ全国のみなさんと共に闘う。関生をつぶしてなるものか!」とあいさつと共に闘い決意を表明しました。

「職業別、産業別運動をつくる闘いと新自由主義を終わらせ、戦争と改憲を阻止しよう」

関生弾圧を考える神奈川の会・共同代表の船木さんは、戦争情勢に触れたあと「関生弾圧阻止は共通の課題だ。神奈川の会はこの間、関生弾圧粉砕に街頭に出て闘っている。6月には、神奈川の会総会を予定している。動労神奈川の裁判闘争や医療、介護、教育との闘い。そして、職業別、産業別運動をつくる闘いと新自由主義を終わらせ、戦争と改憲を阻止しよう」と闘争報告と今後の闘争方針を示しました。

「『なめたらあかんで労働運動!関生支部総決起集会』」への結集を!」

司会から、「許すな弾圧!関西生コン労組を支援する千葉の会」と「関西生コン支部を支援する北海道の会」からの総会メッセージが紹介されました。
関西地区生コン支部・武谷書記次長から特別報告。武谷書記次長は、この間の関生弾圧への物心両面にわたる支援に、お礼を述べたあと、「戦争情勢のさなか、関生支部は、改憲と戦争を阻止するために、先頭に立って闘うことを表明する。関生支部は、産業別の賃金・雇用・福祉を集団交渉で協定化し、その産業別労働条件を組合員だけではなく、生コン業界で働くすべての労働者に拡張適用させた。中小企業と協力する一面共闘では、セメントメーカーやゼネコン、商社など大企業の収奪と闘う体制を確立した。これらの成果は、背景資本との闘い、労働現場ではストライキを中心とした行動を展開したことで得たものであり、大衆闘争の発展によって獲得したものだ。関生支部の産業別運動が前進すると、資本と権力が一体となった弾圧が、かけられてきた。2018年7月から始まった権力弾圧の狙いは、関生型産業別労働運動が全国に広がることを恐れた攻撃だ。この間の闘争では、関西生コン労働組合の弾圧を許さない東京の会の仲間をはじめ、全国の闘う仲間の支援行動により、タイヨー恐喝事件の無罪判決、加茂生コン事件の無罪判決など多くの成果をあげた。反面、ストライキを威力業務妨害など刑事事件とした大阪高裁判決は、一審に続き、不当な有罪判決が出された。また、生コン協組の理事長が、元暴力団を使い、労働組合活動を妨害したことに対して、抗議行動したことが、威力業務妨害・強要未遂など刑事事件とした、和歌山地裁の判決では、執行猶予付の有罪判決が出された。この二つの事件については、上告・控訴して争う。審理中の滋賀事件、京都事件も含め、すべての無罪判決を勝ち取るために全力を尽くす。大阪広域生コン協組が主導する、生コン各社の不当労働行為事件では、労働委員会から不当労働行為の認定・命令が出されるなど、10数件に及ぶ労働委員会闘争での勝利を獲得した。さらに、労働争議の現場闘争では、関西労組交流センターの仲間をはじめとする関西の仲間の支援行動と共同行動により、成果があがりつつある。港合同の先輩たちの闘い、背景資本や取引先への行動では、対象企業が脅威を抱き、仮処分攻撃をしかけてきた。先輩たちの行動を学び、実践したことで、対象企業に大きな打撃を与えるという成果を得た。引き続き、関西労組交流センターの仲間をはじめ支援労組との共同行動を具体的に展開して、解雇撤回を含めたすべての権利侵害反対闘争に勝利するまで闘う。今年の3月に「タイコー社」「藤原生コン運送」が、労働委員会から、新たに不当労働行為企業と認定、勝利命令を勝ち取った。藤原生コン運送社は、2度目であり、悪質な企業。4月30日には、藤原生コン社への抗議行動を関西労組交流センターの仲間との共同行動を計画している。続く、5月13日には「光榮・昌榮産業闘争、神戸市役所攻め」の集会デモを計画している。そして、5月28日の「なめたらあかんで労働運動!関生支部総決起集会」の結集を呼びかける。大阪広域生コン協組の組合つぶし、それに便乗した警察・検察による権力弾圧は、最終的には、ストライキをはじめとする大衆行動で決着をつける。
関西生コン労働組合の弾圧を許さない東京の会の皆さんには、引き続きのご支援をお願いする」とこの間の闘争報告と今後の闘争方針を示しました。最後に、武谷書記長は「階級的労働運動の復権と、闘う労働組合ネットワークを実現するために、目に見える現場闘争と組織拡大を実践して、11月6日の日比谷・労働者集会に結集しよう」と訴えて特別報告を締めくくりました。

「東京における生コン労働者の組織化に挑戦しよう!」

総会報告が吉本事務局長から提起されました。吉本事務局長は「①関生支援・東京の会、2年間の総括。②鈴コン分会再生は関生再生の闘いと一体。③あらためて関西生コン弾圧とは何なのか。④東京の会として、二つの目的の本格的な実践に踏み出そう」などを詳細にわたり提起しました。最後に、吉本事務局長は「闘う労働運動の再生を勝ち取ろう。東京において、鈴コンの闘いを軸に東京における生コン労働者の組織化に挑戦しよう。そして、25年目を迎える11月労働者集会の組織化に向かって、ただちに動き始めよう」と組織拡大活動を提起して総会報告を締めくくりました。

「関生弾圧が社会的な関心と注目を浴びているということだ」

藤田弁護士から、共同代表からの訴えが。藤田弁護士は「関生弾圧は4年目、情勢が激動している。関生弾圧は、戦争策動に改憲、戦争阻止のために闘う労働組合をつぶすという、戦後最大の弾圧であることを物語っている。主体は闘う労働組合だ。4月10日の滋賀県集会に参加した。大津に130人という結集は、人口が東京の1割というなか、すごいことであり、関生弾圧が社会的な関心と注目を浴びているということだ。東京でもこの闘いをつくっていく。弁護士も関生弾圧に共に闘う」と訴えがありました。

「東京の会の歴史を引き継ぎ、関生を支援に全力で闘う」

東京東部ユニオン・小泉さんから「生コン労働者の組織化の教訓」として、組織拡大の実践報告がされました。会計報告に続いて、東京の会・新代表に就任した日本機械工業労働組合の山口弘宣委員長から、本総会のまとめ。山口新代表は「新たな体制で、新たな闘いに打って出る。戦争に向かうために、闘う労働組合を弾圧する攻撃をはね返し、東京の会の歴史を引き継ぎ、関生を支援に全力で闘う」と闘う決意を表明して集会はお開きとなりました。

「小学生がデモ隊と一緒にシュプレヒコール!」

「弾圧許すな!戦争反対!」を掲げたデモ行進は、東京しごとセンター前から、靖国通りを行進して、錦華公園までのコースです。100人のデモ隊は、旗や幟がはためき、女性の仲間のリードのシュプレヒコールに、靖国通りを通行する市民やドライバーから注目を浴びました。
歩行者道路からスマホで撮影する女性の市民や沿道から手を振る激励がありました。最終地点の錦華公園では、滑り台の上から5,6人の小学生がコールにあわせて「戦争反対!」「戦争やめろ!」などをデモ隊を一緒に大きな声でコールしていたのが印象的でした。
東京の会の活動の二つ柱『弾圧を許さず関生を支援する活動』『関生に学び、労働運動の再生を目指す運動を積極的に行う』ことを具体的に実践して、関生弾圧をはじめすべての労働組合弾圧を粉砕しましょう!

「労働組合つぶしの大弾圧を許さない実行委員会」への賛同の呼びかけ PDF

デモクラシータイムス 〈 2022.01.11 〉
池田香代子の世界を変える100人の働き人60人目
労働運動を〈犯罪〉にする国「連帯ユニオン関西地区生コン支部」事件
ゲスト:竹信三恵子さん(ジャーナリスト・和光大学名誉教授)
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関西生コン事件ニュース No.72 ココをクリック
関西生コン事件ニュース No.73 ココをクリック
2021年12月9日「大阪市・契約管材局と労働組合の協議」
回答が大阪市のホームページに掲載 
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賃金破壊――労働運動を「犯罪」にする国 竹信三恵子(著)– 2021/11/1 旬報社 1,650円(税込み)

1997年以降、賃金が下がり続けている先進国は日本だけ。
そんななか、連帯ユニオン関西地区生コン支部は、賃上げも、残業規制も、シングルマザーの経済的自立という「女性活躍」も実現した。
業界の組合つぶし、そこへヘイト集団も加わり、そして警察が弾圧に乗り出した。
なぜいま、憲法や労働組合法を無視した組合つぶしが行なわれているのか。
迫真のルポでその真実を明らかにする。

目次 : プロローグ
第1章 「賃金が上がらない国」の底で
第2章 労働運動が「犯罪」になった日
第3章 ヘイトの次に警察が来た
第4章 労働分野の解釈改憲
第5章 経営側は何を恐れたのか
第6章 影の主役としてのメディア
第7章 労働者が国を訴えた日
エピローグ

【著者紹介】
竹信三恵子 : ジャーナリスト・和光大学名誉教授。東京生まれ。1976年東京大学文学部社会学科卒、朝日新聞社入社、経済部、シンガポール特派員、学芸部次長、編集委員兼論説委員(労働担当)、2011-2019年和光大学現代人間学部教授。著書に『ルポ雇用劣化不況』(岩波新書、日本労働ペンクラブ賞)など。貧困や雇用劣化、非正規労働者問題についての先駆的な報道活動に対し、2009年貧困ジャーナリズム大賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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