現場労働者に犠牲を強いる横暴を見過ごすな

かんぽ生命の不正販売問題で日本郵政グループは7月29日、日本郵便とかんぽ生命の計573人の処分を発表しました。
現場の郵便局員は懲戒処分(そのうち6人は懲戒解雇)、解雇した局員の管理者である郵便局長らは戒告、かんぽ・日本郵便の両社長や執行役員は、厳重注意などです。

「不正へ駆り立てた幹部らの処分に不信感」

不正問題を調べた特別調査委員会の調査報告では、「管理職らが、成績の悪い郵便局員には怒声を浴びせてプレッシャーをかけていた」「好成績の局員の不正に目をつぶる支社幹部や郵便局長がいた」「不正を営業指導役から教わるケースもあった」などと、幹部や管理職による不正を黙認・助長したとの証言が数多くありました。
ところが、今回の処分で幹部や管理職らは、役職や不正の発生状況により機械的に処分内容が決定したことから、現場の郵便局員の間には「不正へ駆り立てた幹部らの処分」について、不信感が強まっています。

「異常な企業体質が露呈した」

不正への関与などを詳しく調べず、単なる上司の「管理責任」を問うだけでは、現場に不信感や不公平感が広がるのは当然です。
「郵便局や支社の幹部が不正の黙認や後押しの責任を問われないのはおかしい」といった不満の声や、営業自粛の影響などで営業手当や残業代が無くなり、「収入が大幅に減った現場の郵便局員に比べ、郵便局や支社の幹部には収入面の影響が小さい」ことへの不公平感が、郵便局の現場で高まっています。
かんぽ生命の不正販売問題では、利益追求に奔走する経営者が、現実とかけ離れた高い売り上げ目標を設定し、その目標を達成させるために現場の郵便局員に、違法行為も強制していた実態が明らかになりました。問題が発覚したあとも、経営側トップや幹部らは、現場の郵便局員に比べて軽い処分で済ますなど、異常な企業体質が発覚しました。

「責任を取らない経営者はいらない」

かんぽ生命の不正販売問題は、「利益を上げるためなら何をしてもいい」とう、新自由主義による市場原理主義の最たるものです。
日本郵政グループ経営陣は、かんぽ生命の不正販売問題について、現場の郵便局員に責任を押しつけて厳しい処分を下し、経営陣自らの責任を取ろうとしない姿勢を見せています。郵便局員ら現場の労働者に犠牲を強いる横暴なやり方を許してはいけません。今回の問題については、日本郵政グループの経営陣が真っ先に、厳しい処分を受けるのが筋です。責任を取らない経営者はいらないのです。日本郵政グループ経営陣の解任を求めて声をあげましょう。

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