「関西生コン労組潰しの弾圧を許さない東海の会」第3回総会&記念講演 開催

7月4日(日)に約90名(会場=70名弱、オンライン=20名)の参加を得て、名古屋労働会館会議室にて「関西生コン労組潰しの弾圧を許さない東海の会」第3回総会を開催しました。

柿山共同代表の開催の挨拶の後、関西地区生コン支部から、武建一委員長のビデオメッセージと武洋一書記長が挨拶をされました。また京滋実行委員会、静岡の会、東京の会からも来賓として参加していただき、挨拶をしていただきました。連帯のメッセージとして「労働組合つぶしの大弾圧を許さない実行委員会・大阪」「関生弾圧を許さない奈良の会」「フィリピントヨタ労組を支援する愛知の会運営委員会」から届きました。

「運動方針が確認された」

総会では、一年の活動のまとめとして講演会・映画会とライブ等の実施、集会・裁判傍聴への積極的な参加、街頭宣伝、4回/年のニュース発行を報告しました。特に集会・裁判傍聴では「東海の会」の幟とニュース配布の活動は、評価の声が出ています。その後、会計・監査報告と活動方針が提起され、今後も広範な市民に広げていくことを確認して承認され、石田・共同代表の閉会の挨拶で終わりました。

記念講演「関生事件が左右するワーキングプアの将来」竹信美恵子さん

記念講演では、竹信美恵子さん(ジャーナリスト)が「関生事件が左右するワーキングプアの将来」と題して、関西生コンの弾圧を現場の視点から講演されました。
講演では「関生事件の新しさ」として・労働基本権の用語を読み替えて免責対象外にする手法のオンパレード・司法の恣意的の極大化・暴対法に見られる警察の行政的手法の大幅拡大等があり、労働組合をつぶす姿勢は、戦前の治安維持法につながるものがあります。
特に、「労働基本権をつぶすダブルスピーク」として、「交渉⇒強要未遂」「ビらまき⇒威力業務妨害」「ゼネストと⇒威力業務妨害」等との言い替えで犯罪であるかの主張がまかり通っており、判決においても交渉で大声を出すと「威力業務妨害」、ラインで通話したことが「共謀」とされる異常な判決が出されています。これは、1992年の「暴対法」の施行がかかわっています。本来、労働組合として適法な組織化を認定するのは労働委員会であるはずですが、警察が恣意的に暴力集団として定義して労組法の面積外に置くことで、いくらでも刑事事件にすることができます。これは、労働組合だけではありません。市民を監視する「警察国家」進んでいるのです。これに反撃するために、身近なところから反撃の輪を作っていくことが大切では、ないでしょうか。

「関生支部は産業別労働組合である」

最後のまとめとして、熊沢・共同代表から「関西生コン労組」は普通の労組ではないが、まともな組合である。企業内組合が普通の労組となっている日本の常識は、世界では通用しない。産別組合であり、業界全体の労働条件の改善を目指す組合が世界ではまともな組合であり、普通の組合である。との指摘がありました。

「労働組合つぶしの大弾圧を許さない実行委員会」への賛同の呼びかけ PDF

ハーバービジネスオンライン
「関生事件」が揺るがす労働基本権
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関西生コン事件ニュースNo.56  ココをクリック

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挑戦を受ける労働基本権保障――一審判決(大阪・京都)にみる産業別労働運動の無知・無理解 (検証・関西生コン事件1)(日本語) 単行本 – 2021/4/20

業者団体と警察・検察が一体となった組合弾圧=「関西生コン事件」がはじまって4年。
労働法研究者、自治体議員、弁護士の抗議声明が出され、労働委員会があいついで組合勝利の救済命令を下す一方、裁判所は産業別労働組合への無知・無理解から不当判決を出している。
あらためて「関西生コン事件」の本質、不当判決の問題点を明らかにする!
連帯ユニオン(著)、小谷野 毅(著)、熊沢 誠(著)、& 2 その他
発行・旬報社、定価800円+税

「関西生コン事件」がはじまってから4年目となります。
関生支部(全日本建設運輸連帯労働組合関西地区生コン支部)を標的として、大阪広域生コンクリート協同組合(大阪広域協組)が日々雇用組合員の就労拒否(400人以上)、正社員組合員の解雇、業界あげての団交拒否を開始したのが2018年1月。このあからさまな不当労働行為の尻馬に乗って、滋賀県警が半年後の2017年7~8月にかけて組合員と生コン業者ら10人を恐喝未遂容疑で逮捕しました。その後、大阪、京都、和歌山の三府県警が、2019年11月にかけて、じつに11の刑事事件を仕立てあげ、のべ89人もの組合員と事業者を逮捕。数え上げるとじつに計18回も逮捕劇がくりかえされ、のべ71人が起訴される事態に発展しました。いずれも、ストライキやビラまき、建設現場の法令違反を調査、申告するなどして公正な取引環境を実現するためのコンプライアンス活動、破産・倒産に対して雇用確保を求める工場占拠闘争など、あたりまえの労働組合活動が、恐喝未遂、恐喝、強要未遂、威力業務妨害といった刑事事件とされたものです。
業者団体と警察・検察が表裏一体となった組合弾圧、それが「関西生コン事件」です。
これに対し、歴代の労働法学会代表理事経験者を多数ふくむ78人の労働法学者が2019年12月、憲法28条の労働基本権保障や労働組合法の刑事免責を蹂躙する警察・検察、そしてそれを追認する裁判所を批判して「組合活動に対する信じがたい刑事弾圧を見過ごすことはできない」とする声明を公表しました。全国各地の120人超の自治体議員の抗議声明、弁護士130人の抗議声明なども出されます。また、自治労、日教組などの労働組合や市民団体がつくる平和フォーラムが母体となって「関西生コンを支援する会」が結成されたのをはじめ、各地で支援組織が2019~20年にかけてあいつぎ結成されます。「関西生コン事件」は関生支部だけの問題ではない、労働組合の権利そのものを脅かす事態だという認識が広がっています。
さらに、冒頭に述べた一連の解雇、就労拒否、団交拒否に対抗すべく関生支部が申し立てた20件近い不当労働行為事件において、大阪府労働委員会が2019年秋以降、あいつぎ組合勝利の救済命令を下しています。その数は命令・決定12件のうち10件(2021年4月現在。大半が中央労働委員会に再審査事件として係属)。団結権侵害を主導した大阪広域協組の責任が明確になってきました。
一方、11件の刑事事件はその後、各事件の分離、併合の結果、大阪、京都、和歌山、大津の四地裁において8つの裁判に整理され、審理がすすめられ、現在までに、大阪ストライキ二次事件(2020年10月)、加茂生コン第一事件(同年12月)、大阪ストライキ一次事件(2021年3月)の3つの一審判決が出されています。
これら判決は、労働委員会事件で出された勝利命令とは対照的に、いずれも労働組合運動に対する浅薄な理解と認識をもとに、大阪広域協組の約束違反や企業の不当労働行為を免罪する一方で、産業別労働組合としての関生支部の正当な活動を敵視するものとなっています。
そこで、この機会に、あらためて「関西生コン事件」とはなにか、また、これら不当判決の問題点はなにかを、労働組合運動にたずさわる活動家のみなさまをはじめ、弁護士、研究者、ジャーナリストのみなさまに一緒に考えていただくために、裁判や労働委員会に提出された研究者の鑑定意見書などを収録した『検証・「関西生コン事件」』を随時発刊することにしました。
控訴審において無罪判決を勝ち取るために努力するのはもちろんのことですが、不当判決を反面教師として、先達が築いてきた労働運動の諸権利を学び直し、新たな運動を創造していくことが私たちに求められていると考えます。本書がその手がかりとして活用されることを願ってやみません。
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