保育所があぶない!「毎日育つ子どもたち 子どもたちが発揮する人とつながる力」
「0歳、1歳の担任」
4月から0・1歳児の担任になりました。0歳3人、1歳10人を4人で担任します。
ほとんどが新入児。4月には泣いていた子どもたちも、担任の保育士が好きになり、クラスのなかに自分の好きなおもちゃや本、安心する場所ができてきます。
入所から3日ヵ月。「おはよう」と笑顔でやってきて、ママ、パパにバイバイ「いってらっしゃい」をする子どもたち。
面白そうに何かで遊んでいたら、「なになに・・・」とやってくる子どもたちの姿になりました。
「お外いくよー。ぼうぼう(ぼうし)持っておいでー」というと、自分のマークの付いたロッカーの衣類かごのなかから、見つけて持ってきて「てー」(かぶせてほしい)と、ぼうしを担任にさしだす姿も見られています。
「エプロンをつけてあげる」
ある日、給食の時にエプロンをみんなに配っている時、Aちゃんは友達にその子のエプロンを持っていって、つけてあげようとしだしました。担任がそばにいって「あー。Aちゃん、Bちゃんにエプロンつけてあげてるんやね。(一緒につけて)ハイ。できた。ありがとう」と声をかけると、満足そうに自分の椅子に座りに行きました。
人とつながる力。人間は生まれた時からそういう欲求と力をもっています。毎日一緒に寝たり、食べたり共同生活をしていく中で、自分だけの世界から他者を意識し、そのために何かをやってあげたいと、小さくても本能的に思うようです。
またある日、Cちゃんが、泣き出しました。欲しかったおもちゃを取られたからです。ギャーギャーと激しくなく声を聞きつけて、しばらくしてDちゃんがやってきました。彼女はそのあと面白い行動をとります。泣いているCちゃんの前に立って、ジーッと顔を覗き込んで、自分のTシャツをめくっておなかを出しました。それから、手の平でCちゃんの涙を触ってつかむようにしました。それを3回繰り返したのです。
なんのこと?と思われるかもしれませんが、友達が泣いているのを何とかしようとして、一生懸命に何かやろうとしているのです。結果として、泣きやんだのはだいぶ先でしたが、その姿は本当にいとおしいです。
「類的存在と競争と」
人間は本来、類的存在です。これは本能的だと思います。子どもたちでも大人でも、困っていたら助けたいと思うし、楽しそうにしていたら寄ってきたり、まねっこしたり一緒にやろうとする。それが人間の本来の姿です。
しかし、今の社会は競争です。人よりもいい点を取れるか。お金持ちになれるか。小学生から大人までみんな、そんな風になるのが幸せだと思わされている。仲間から切り離され、競争させられ、自分だけが良ければいいという考えです。
しかし、今コロナ禍のなかで、国、政治家、えらいといわれてきた人たちが、無様な本性を現しだしています。労働者の命より、オリンピックの儲け。そして国民投票法と改憲。そのためのワクチンの早急な認可と接種。すべて自己責任。ワクチンの副反応で死んでも、ワクチンを拒否してコロナで死んでも自己責任。
オリンピックにかける莫大なお金があれば、検査、医療のひっ迫だって解決できるはず。そういうことが職場でよく話題になるようになっています。政治家は自分たちの利益しか考えていないということが、誰の目にも明らかになってきている感じです。
この国の在り方を絶対変えたい。目の前の子どもたちの姿を見ていて痛切に感じます。
作者=深町加代子さん・豊中市の公立保育園勤務(婦人民主クラブ2021年7月1日号)
※作者と、婦人民主クラブの編集責任者の許可を得て掲載しています。
「労働組合つぶしの大弾圧を許さない実行委員会」への賛同の呼びかけ PDF
「関生事件」が揺るがす労働基本権
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日刊深夜快速Vol.3551/水曜版・週刊大石ちゃん自由自在(仮)~関西生コンスペシャル・前編~ ココをクリック
日刊深夜快速Vol.3558/水曜版・週刊大石ちゃん自由自在(仮)~関西生コンスペシャル・後編~ ココをクリック
挑戦を受ける労働基本権保障――一審判決(大阪・京都)にみる産業別労働運動の無知・無理解 (検証・関西生コン事件1)(日本語) 単行本 – 2021/4/20
業者団体と警察・検察が一体となった組合弾圧=「関西生コン事件」がはじまって4年。
労働法研究者、自治体議員、弁護士の抗議声明が出され、労働委員会があいついで組合勝利の救済命令を下す一方、裁判所は産業別労働組合への無知・無理解から不当判決を出している。
あらためて「関西生コン事件」の本質、不当判決の問題点を明らかにする!
連帯ユニオン(著)、小谷野 毅(著)、熊沢 誠(著)、& 2 その他
発行・旬報社、定価800円+税
「関西生コン事件」がはじまってから4年目となります。
関生支部(全日本建設運輸連帯労働組合関西地区生コン支部)を標的として、大阪広域生コンクリート協同組合(大阪広域協組)が日々雇用組合員の就労拒否(400人以上)、正社員組合員の解雇、業界あげての団交拒否を開始したのが2018年1月。このあからさまな不当労働行為の尻馬に乗って、滋賀県警が半年後の2017年7~8月にかけて組合員と生コン業者ら10人を恐喝未遂容疑で逮捕しました。その後、大阪、京都、和歌山の三府県警が、2019年11月にかけて、じつに11の刑事事件を仕立てあげ、のべ89人もの組合員と事業者を逮捕。数え上げるとじつに計18回も逮捕劇がくりかえされ、のべ71人が起訴される事態に発展しました。いずれも、ストライキやビラまき、建設現場の法令違反を調査、申告するなどして公正な取引環境を実現するためのコンプライアンス活動、破産・倒産に対して雇用確保を求める工場占拠闘争など、あたりまえの労働組合活動が、恐喝未遂、恐喝、強要未遂、威力業務妨害といった刑事事件とされたものです。
業者団体と警察・検察が表裏一体となった組合弾圧、それが「関西生コン事件」です。
これに対し、歴代の労働法学会代表理事経験者を多数ふくむ78人の労働法学者が2019年12月、憲法28条の労働基本権保障や労働組合法の刑事免責を蹂躙する警察・検察、そしてそれを追認する裁判所を批判して「組合活動に対する信じがたい刑事弾圧を見過ごすことはできない」とする声明を公表しました。全国各地の120人超の自治体議員の抗議声明、弁護士130人の抗議声明なども出されます。また、自治労、日教組などの労働組合や市民団体がつくる平和フォーラムが母体となって「関西生コンを支援する会」が結成されたのをはじめ、各地で支援組織が2019~20年にかけてあいつぎ結成されます。「関西生コン事件」は関生支部だけの問題ではない、労働組合の権利そのものを脅かす事態だという認識が広がっています。
さらに、冒頭に述べた一連の解雇、就労拒否、団交拒否に対抗すべく関生支部が申し立てた20件近い不当労働行為事件において、大阪府労働委員会が2019年秋以降、あいつぎ組合勝利の救済命令を下しています。その数は命令・決定12件のうち10件(2021年4月現在。大半が中央労働委員会に再審査事件として係属)。団結権侵害を主導した大阪広域協組の責任が明確になってきました。
一方、11件の刑事事件はその後、各事件の分離、併合の結果、大阪、京都、和歌山、大津の四地裁において8つの裁判に整理され、審理がすすめられ、現在までに、大阪ストライキ二次事件(2020年10月)、加茂生コン第一事件(同年12月)、大阪ストライキ一次事件(2021年3月)の3つの一審判決が出されています。
これら判決は、労働委員会事件で出された勝利命令とは対照的に、いずれも労働組合運動に対する浅薄な理解と認識をもとに、大阪広域協組の約束違反や企業の不当労働行為を免罪する一方で、産業別労働組合としての関生支部の正当な活動を敵視するものとなっています。
そこで、この機会に、あらためて「関西生コン事件」とはなにか、また、これら不当判決の問題点はなにかを、労働組合運動にたずさわる活動家のみなさまをはじめ、弁護士、研究者、ジャーナリストのみなさまに一緒に考えていただくために、裁判や労働委員会に提出された研究者の鑑定意見書などを収録した『検証・「関西生コン事件」』を随時発刊することにしました。
控訴審において無罪判決を勝ち取るために努力するのはもちろんのことですが、不当判決を反面教師として、先達が築いてきた労働運動の諸権利を学び直し、新たな運動を創造していくことが私たちに求められていると考えます。本書がその手がかりとして活用されることを願ってやみません。
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