「コロナ禍をのりこえ、地域闘争の前進を!」2022年港合同団結旗開き
「コロナ禍をのりこえ、地域闘争の前進を!」を掲げて、2022年港合同団結旗開きが1月21日、田中機械ホールで開催され、多くの闘う労働者が結集しました。連帯ユニオンからは、関西地区生コン支部が参加しました。
「『受けた支援を運動で返す』ことを実践していく」
司会の港合同役員から開会宣言。主催者あいさつでは、港合同・中村委員長が旗開きの結集にお礼を述べたあと「コロナが拡大しているなか、会社は休めとは言わない。組合活動をやめるわけにはいかず、本日の旗開きを開催した。昨年は、多くの地域共闘の拡大を実現した。また、関生への悪質な攻撃を乗り越え、組合員の異常な保釈条件を撤廃し、加茂生コン事件の控訴審では、逆転無罪判決を勝ち取った。判決後の報告集会の動画を見て、安井執行委員の言葉と決意表明に感動した。関生の闘いは、私たち労働者にかかる問題であり、労働組合だけの問題ではないと全港湾・小林委員長は語っている。無罪判決は簡単に取れるものではなく、今回の判決で、警察・検察・裁判所が明らかにおかしいことを証明した弁護団に心から感謝する。また、大津地裁の公判では、検察官による組合脱退勧奨の不当労働行為が明らかとなった。関生・湯川委員長の反転攻勢で流れを変える年にするという発言を軸に闘おう。労働者に対して、この10年間、安倍がやってきたことは、まともではなく、そのメッキを剥がしてきたのは闘いがあってこそだ。港合同は『受けた支援を運動で返す』ことを実践していく」と昨年の成果を確認して、新たな闘いの方針を提起しました。
「加茂生コン事件報告-刑事事件化された労働組合活動」
本日のメイン、「加茂生コン事件報告-刑事事件化された労働組合活動」と題した学習会が、久堀文弁護士が講師の講演が行われました。
登壇した久堀弁護士は、「みなさん!無罪判決とりました!」と右手を挙げて元気な声に、参加者から喝采を浴びました。
久堀弁護士は、関生の刑事事件では和歌山事件などに係わっていることを述べた後、「村田建材事件(加茂生コン事件)については、大阪府労働委員会に対し、不当労働行為救済申立を行っていたまさにその事案における関生支部組合員の組合活動が刑事事件化されたものである」と話しました。
続いて、久堀弁護士は「①村田建材事件(加茂生コン事件)の事実経緯。②不当労働行為救済申立事件。③村田建材事件(加茂生コン事件)の刑事事件化。④組合員の勤務先(吉田生コン)からの解雇事件」などをレジメを基に、詳細にわたり報告。
「控訴審の判断は、最高裁で判断しておらず、先例となるものになる」
久堀弁護士は「一部無罪ではなく、強要未遂では安井執行員も無罪だ。安井氏は脅迫罪で罰金刑となっている。強要の中に脅迫が入るので認定されてということ」と述べました(少し難しい話しだったので表現が違うかもしれません)。
また、久堀弁護士は「12月24日(クリスマスイブ)に検察側が上告するというプレゼントをもらった。今回の判断は、最高裁では、まだ判断しておらず、先例となるものになる」と無罪判決確定に向けて意欲を示していました。
「関生組合員の心からの笑顔を取り戻すまで闘いは続く」
最後に、久堀弁護士は「刑事事件一審判決は、労働組合否認の態度が一向に変わらない使用者に対し、関生組合員が翻意を求めて交渉を続けることは、使用者の心理的圧迫を加えることになるから犯罪当たるとし、組合員らが『安易な自力救済の手段に出た』などと評した。これに対して、控訴審判決は、村田建材(加茂生コン)の不誠実な対応にも着眼し、労働組合員として関生組合員らが行った要求行為は正当であり、そもそも犯罪に当たらないことを認めた。労働組合否認の対応を続ける使用者に対して労働組合が粘り強く交渉することが許されないのであれば、労働組合はその存在意義を失ってしまう。組合員の仲間のために必死で駆けずり回った関生組合員が犯罪者とされ、勤務先からも解雇され職を失う。街宣活動すら告訴される。そのようなことは許されない。関生組合員は、一審判決の会見で『もし今後同じことが起これば、私は同じことをすると思います』と述べた。刑事事件のみならず、労働事件でも勝訴判決を得て、関生組合員の心からの笑顔を取り戻すまで闘いは続く」と講演を締めくくりました。
「活字にできないお話しも」
久堀弁護士は、関生組合員が逮捕、起訴、勾留されたときの当事者とのやり取りや、心情なども話されました。活字にはできないことから、機会があれば直接、久堀弁護士に聞いてください(申し訳ありません)。
久堀弁護士の難しい内容を具体的にわかりやすく話した講演は、大変勉強になりました。
「流れを変える闘いの決意を表明する」
来賓のあいさつでは、全港湾大阪支部・小林委員長が「港合同は、関生弾圧支援の中心的役割を担っている。関生弾圧は、労働組合をつぶすだけでなく、市民団体、平和運動をつぶすことが資本・権力の狙いだ。あらゆる労働組合が原点に立ち返って、一致点を拡大して共に闘っていくことが重要だ。先輩たちが『争議は楽しくやれ』と言っていた意味がわかった。全港湾もこのままでは済ませない。今年は反転攻勢で流れを変える闘いの決意を表明する」と闘いの決意が表明されました。
「共闘を強化して勝利するまで闘うことを決意する」
関西地区生コン支部・湯川委員長は「日頃の関生支部弾圧への物心両面にわたる支援に感謝する。京都事件の公判が1月28日から始まる。京都の生コン業界は不正も多く、労働組合つぶしのために暴力団を使う経営者が多数を占めている。大阪広域生コン協組の執行部がヤメ検やレイシストを使い関生支部つぶしを始めたことから、京都府警が動き出したのが、この京都事件だ。しかし、この攻撃に対して関生支部は真っ向から闘う。1月17日の大津地裁では、検察官の組合員に対する取り調べで、露骨な組合脱退勧奨の証拠映像が開示され、国策による弾圧であることが明らかになった。これらのことを広く知らしめることが重要だ。世論形成のための広報活動の協力をお願いする。敵があせりを感じている情勢を捉えて、関生支部は今まで以上の反撃を開始する。さらなる共闘を強化して勝利するまで闘うことを決意する」と闘争報告と闘争方針を示しました。
「団結と地域連帯で闘い勝利しよう!」
閉会のあいさつでは、港合同・木下執行委員が「団結旗開きへの結集に、久堀弁護士をはじめ関生支部、全港湾の仲間に感謝する。年の初めに顔を合わせて、この1年をしっかり闘っていこうことが重要だ。関生弾圧を労働組合だけではなく、地域ではね返していく。現在、関生支部は港合同の田中機械闘争、細川闘争などの闘いに学び、背景資本への責任追及や不当労働行為企業を公共事業から排除する闘いを展開しており、改めて現場行動を通じた先輩たちの闘いを教訓に活動している。春闘目前に、労働組合つぶしを労働組合がしっかり闘うことが大事だ。団結と地域連帯で闘い勝利しよう」と旗開き結集のお礼と今年の闘いの決意を表明しました。
最後に木下執行委員のかけ声で「団結がんばろう!」を参加者全員が唱和して旗開きはお開きとなしました。
本日の港合同・団結旗開きでは、多くのことを学び、その学んだことを具体的に実践することが確認できました。今年は、「反転攻勢、流れを変える」をテーマに、労働組合つぶしをはね返し、春闘勝利を目指して団結と行動で闘いましょう。
「労働組合つぶしの大弾圧を許さない実行委員会」への賛同の呼びかけ PDF
池田香代子の世界を変える100人の働き人60人目
労働運動を〈犯罪〉にする国「連帯ユニオン関西地区生コン支部」事件
ゲスト:竹信三恵子さん(ジャーナリスト・和光大学名誉教授)
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賃金破壊――労働運動を「犯罪」にする国 竹信三恵子(著)– 2021/11/1 旬報社 1,650円(税込み)
1997年以降、賃金が下がり続けている先進国は日本だけ。
そんななか、連帯ユニオン関西地区生コン支部は、賃上げも、残業規制も、シングルマザーの経済的自立という「女性活躍」も実現した。
業界の組合つぶし、そこへヘイト集団も加わり、そして警察が弾圧に乗り出した。
なぜいま、憲法や労働組合法を無視した組合つぶしが行なわれているのか。
迫真のルポでその真実を明らかにする。
目次 : プロローグ
第1章 「賃金が上がらない国」の底で
第2章 労働運動が「犯罪」になった日
第3章 ヘイトの次に警察が来た
第4章 労働分野の解釈改憲
第5章 経営側は何を恐れたのか
第6章 影の主役としてのメディア
第7章 労働者が国を訴えた日
エピローグ
【著者紹介】
竹信三恵子 : ジャーナリスト・和光大学名誉教授。東京生まれ。1976年東京大学文学部社会学科卒、朝日新聞社入社、経済部、シンガポール特派員、学芸部次長、編集委員兼論説委員(労働担当)、2011-2019年和光大学現代人間学部教授。著書に『ルポ雇用劣化不況』(岩波新書、日本労働ペンクラブ賞)など。貧困や雇用劣化、非正規労働者問題についての先駆的な報道活動に対し、2009年貧困ジャーナリズム大賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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