階級的労働運動の前進のために~港合同の闘いと教訓

「階級的労働運動の前進のために~港合同の闘いと教訓」をテーマに、港合同執行委員・昌一金属支部委員長の木下浩平さんが講師の学習会が3月20日、千葉・DC会館で開催されました。

「港合同の地域闘争に挑んでいる」

木下さんは冒頭、「1995年9月に入社して試用期間中から地域の支援行動や労働相談、団交へ参加するなど、当時、港合同副委員長だった浜里さんの指導と教育を受けて活動してきた」。
「浜里さんの不慮の労災死の直後から、地域で倒産争議が続出し、地域支援に本格的に取り組むことになった。2013年から港合同の執行委員に、2017年からは、昌一金属支部の委員長として港合同の地域闘争に挑んでいる」と、経歴と初期の労働組合活動の体験を語りました。

「港合同の地域闘争『企業の塀を越えて』」

「港合同は、地域で『統一要求、統一交渉、統一行動、統一妥結』で闘い、一つの企業で解決できる回答があっても、地域のすべて職場が解決するまで妥結しない方針で挑んできた」と先人の闘いを振り返りました(※書籍『企業の塀を越えて』を参照してください)。

 

「闘いの中で切りひらいたいくつかの地平」

港合同の歴史的な闘いとして、「『細川闘争』では、右翼暴力ガードマンとの863日にわたる闘いは、共産党の妨害をはね除けて闘い抜いき、不当労働行為企業への公共事業発注停止を獲得した」。
「『九条シャーリング闘争』では、使用者概念拡大闘争で挑み、御堂筋を埋める『ジグザクデモ』や住友銀行への1円貯金などの背景資本への追及行動で、住金物産を屈服させた」。
「『矢賀闘争』では、3396日にわたる労務屋導入、偽装倒産と対決して勝利した闘い」。
「『田中機械闘争』では、工場占拠、破産法突破闘争と自主生産を、『100人中99人が絶対に勝てない』という攻撃に、団結権を対置して闘い抜いて勝利した」ことなど、港合同の資本と権力に妥協しない闘いを詳しく紹介しました。
争議現場において、自動車やバイク、自転車でチームを作って「経営者を逃がさない」取り組みで成果をあげた木下さんの実例が印象的でした。

「絶えざる組織破壊との闘いの中で地域的な団結固める」

続いて、「総評解散、連合結成時の『全労協にあらずば左派にあらず・・・』との声明に、いらざる誹謗・中傷を排して戦闘的な団結を追求し、1995年の阪神淡路大震災と被災者支援連結成、1996年『2.20大弾圧』では、役員8名が不当逮捕され、40数ヵ所の不当家宅捜索に1998年、5.28反動判決。この年に11月集会がスタートし、翌年1999年4月から相次ぐ支部・分会への破倒産攻撃。金属機械・ゼンキン連合の組織統一と港合同排除の攻撃」などを話しました。

「国鉄闘争と大阪市の労組つぶしとの闘い」

国鉄闘争のかかわりでは、「国鉄分割・民営化時には、大和田委員長が執念を持って闘い続けた国鉄闘争を継承し、国鉄闘争全国運動関西の連絡先を田中機械に置くなど、勝利するまで闘うことを明確にしていること」。
大阪市・橋下の労組つぶしの闘いでは、「『「官民連帯』で大阪市職や市従の仲間の支援連帯行動で、2015年の第1次大阪都構想住民投票をめぐる闘い、入れ墨アンケート処分と闘い、橋下を打倒した。そして、昨年の第2次都構想住民投票で港合同の組織を挙げた行動で二度の否決に追い込む勝利を獲得した」。

「本物が登場するチャンスだ」

最後に木下さんは、「昌一金属支部は1960年に結成され、今年の2月で61年が経過した。支部の骨格や諸権利が整備され、労使の力関係もでぎあがっている」。
「支部では春闘や一時金の闘争時に、毎回、要求大会を開催して、スト権投票を行っている。以前は、スト権投票は『賛成○をつける行事』だったものが、2013年あたりから『反対×』が出始めた。2018年の春闘で『反対×』が上回りスト権が不成立。2019年夏一時金まで続いた。2014年の定期大会では書記長が対立選挙になり、反執行部との間で1票差で維持できたものの、極めて厳しい状況だった」。
「こうなると執行部も内向きになり、動員も自信を持っておろすことができず、行動を組織することができなくなった。改憲・戦争という時代の中で、JRや関生支部への大弾圧のように、あらゆるところで労働組合をめぐる攻防が激しくなっている。敵の攻撃も激しいから、組織内でも不安や動揺が生まれるし、反発もある。執行部もこれまで通りでいかないから、どうしたらええねん、と悩む。こういう中から本物が登場するチャンスだと思っている」と労組組織内の団結を原則とすることで、さらに強い団結が生まれることを語り、「今春闘真っ最中。行動する春闘にしようと提起して、スト権も確立した。役員を中心にした朝ビラや、支部全員参加の2度の昼休み構内集会を積み上げて、闘い抜く」と締めくくりました。

『敵の激しい攻撃には、団結で挑む。組織内部で議論を闘わせることが重要』

港合同の先輩たちが築き上げてきた「失敗を恐れず挑戦する」という闘いに、多くの学ぶことがあった学習会でした。
資本・権力の激しい攻撃に、不安や動揺が生まれたときには、組合内で議論を闘わせて、団結を強化して挑むことが最も重要だと確認できました。
私たち次世代は、先人たちの闘いに学び、その闘いを実践することで、闘う労働組合を継承していくことが求められていると感じました。

「労働組合つぶしの大弾圧を許さない実行委員会」への賛同の呼びかけ PDF

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「関生事件」が揺るがす労働基本権
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なぜ、いま戦後最大規模の刑事弾圧が労働組合に加えられているのか!?
641日勾留された武委員長が語る

「関西生コン事件」で逮捕された武建一委員長は今年5月29日、641日ぶりに保釈された。その1ヵ月後に収録されたロングインタビューをまとめた本が昨年12月10日発刊された。
・一連の事件は、なぜ起きたのか?
・関生支部とはどのような労働組合なのか?
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そんな疑問に事実をもって答える1冊。ぜひ、お読みください。『武建一が語る 大資本はなぜ私たちを恐れるのか
発行・旬報社、四六判218ページ、定価1500円+税
*全日建(全日本建設運輸連帯労働組合)にお申し込みいただければ頒価1500円(送料込み)でお届けします。多部数の場合はお問い合わせください。
お問い合わせ03-5820-0868
【目 次】
第1章 刑事弾圧
641日にもおよんだ勾留生活/なぜ私は逮捕されたのか/協同組合の変質/労組破壊に参加したレイシスト
第2章 「タコ部屋」の過酷労働
私の生い立ち/「練り屋」と呼ばれて/労働運動に目覚める/関生支部の誕生/初めての解雇
第3章 闘いの軌跡
万博不況とオイルショック/ヤクザと生コン/経済界が恐れる産業別労働運動
第4章 大同団結
安値乱売で「がけっぷち」/大阪広域協組の誕生/シャブコン/2005年の弾圧事件/ゼネスト決行/目指すべき場所
解題・安田浩一(ジャーナリスト)
皆様には御元気で御活躍のことと存じます。
この間、全国の多くの皆様より私たち関生支部に対する国家権力と大阪広域生コンクリート協同組合、差別排外主義者集団が一体となった攻撃をはね返す闘いに、多大な御支援をいただきまして誠にありがとうございます。
このたび、著書『大資本はなぜ私たちを恐れるのか』を昨年12月10日に発行する運びとなりました。
今日まで、私は、会社の雇ったヤクザに5回以上殺されかけたり、刑事事件をでっち上げられ前科5犯にさせられています。
1980年代には日経連の大槻文平会長(当時)から「関生型運動は資本主義の根幹に触れる」と言われ、国家権力とマスコミからは「生コンのドン」「金を企業からむしり取る」などとして「反社会的勢力」とレッテルを貼られています。
それはなぜか。歴史と今日を振り返り、事実を元に書かせていただいています。
是非、一読下さい。
心より愛をこめて
武 建一

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