大和ハウス・フジタ威力業務妨害事件・大津地裁

連帯ユニオン関西地区生コン支部への権力弾圧をめぐる公判が11月15日、大津地裁で開かれました。弁護側の証人尋問でした。

まとめ、谷弁護士

今日は、午前中、O組合員、午後、M組合員の証人尋問。
O組合員は元々被告人ですが、手続き上この裁判から分離されているので今日は証人という形になった。O組合員についてはコンプライアンス活動全般の異議とか、彼が関与したチェリオの件とネッツトヨタ、東横イン関係の話を具体的に話してもらった。
午後のM組合員については、元組合員Kさんが検察側に付いた経緯について説明してもらった。Kは、あちらこちらで話をしているが、それが本当に信用できる話なのかという問題。
お二人とも非常によく証言してもらえたと思うし、反対尋問で、そんなに意地悪な反対尋問って感じも無かった。あの検察官についても、非常に良い尋問、証言だったのではないかと思っている。
次回は、被告人質問でY組合員ら2名。この裁判は終盤に差し掛かってきているのは間違いない。この事件については、元々は年度内に判決出すみたいな話しを聞いていた。かなり終盤に来て、被告人質問になっているということなので、かなり最後の方だということになる。
ただ、基本的には、客観的にやったことというか、別に「みんなで犯罪しよう」という形で共謀してやっていたという話は全然なく、当然のように、ずっとやってきた組合活動の一環としてやっていたことを、犯罪にされたということ。基本的に別になんら後ろ指さされることやっていたわけではない。平素のことやっていたってことを前提に話してくれればいい。そのことを堂々と証言してもらった。それをみなさんが確信を持って今後もやって行ければいいのかなと思っている。引き続き頑張っていきたいと思う。ご支援よろしくお願いします。

湯川委員長発言

いつもありがとうございます。
今日はO組合員とM組合員が証人で、特にM組合員がインパクトのある証言をしたと思う。
検察の質問のなかで、私が気になったのは元組合員Kが、和歌山で虚偽告訴を刑事事件にされている。それで起訴されてそれも含めて刑を受けている。おそらくそのことを言いたかったのだと思う。
いま、大阪や奈良では、ナニワ生コン、吉田生コンはどのように事件づくりをしているかというと、この間、労働委員会で勝利命令が出て、民事事件で勝っていることを表現したり、顔写真を載せてたということに関して名誉毀損で告訴。警察はそれを受理し事件づくりしてきている。警察は、「事実だったら事件にできるのに」といった捉え方をしている。吉田生コンでは、顔写真を少しの間だけ車両前方に置いただけで、名誉毀損で任意出頭させている。しかも、未だにこのことに関しても処分を決定してない。検察は、曖昧なことばっかりやっている。
私たちが、ナニワ生コンや吉田生コンの件で名誉毀損で任意出頭を求められたという問題。これが如何に弾圧の度合いが高いものなのだと考えている。
これから大津一次、二次事件証人や被告人質問など交差していくような形になっていく。

皆さんに理解していただきたいのは、私たち生コン業種は、アウト企業が生コン打設した物件で品質が不具合があったときには1企業として数億というような補償をしなければいけない。アウト企業の1社単位でそういう補償することはできない。補償できずに倒産した企業もある。だから協同組合を作って瑕疵保証制度をつくり品質保証、損害を負うということをしなくてはならない産業なのである。
産業別労働組合として、価格競争によって賃下げや合理化など弱者(労働者)にしわ寄せがいく。組織を拡大することによって、業界、産業、協同組合に影響力をつけることで、同一労働同一賃金に基づいた生活水準になっていく。それに合わせた生コンの価格を業界全体に追求している。
本日は、ありがとうございました。

中央本部小谷野書記長発言

大津の裁判では京滋の実行委員会の方はじめ地元の人が参加をしていただいて、組合の手の足りないところを皆さんに補っていただいて本当に心強く思っている。 先ほど、この裁判は当初年度内判決にこだわっていたのだが、進行から見てもかなり無理があり来年の夏どころか秋、もしかしたら年末ぐらいまでかかりそうな見込みである。
事件全体で見ると、大津はそういう風にかなり進行がずれ込んでいる。12月13日には、加茂生コン事件というのが、大阪高裁での控訴審の判決が一番早く、来年になると和歌山広域協組の事件、これも3月13日判決言い渡しが予定されている。年末から来年に掛けていくつか判決が出る。一つ一つ無罪に向けて頑張っていきたいと思いまので、これからも一つよろしくお願いします。

次回公判は、2022年1月17日10:00~です。

「労働組合つぶしの大弾圧を許さない実行委員会」への賛同の呼びかけ PDF

ハーバービジネスオンライン
「関生事件」が揺るがす労働基本権
<労働裁判が働き手を素通りするとき> ココをクリック
関西生コン事件ニュースNo.60 ココをクリック
日刊深夜快速Vol.3551/水曜版・週刊大石ちゃん自由自在(仮)~関西生コンスペシャル・前編~ ココをクリック
日刊深夜快速Vol.3558/水曜版・週刊大石ちゃん自由自在(仮)~関西生コンスペシャル・後編~ ココをクリック

挑戦を受ける労働基本権保障――一審判決(大阪・京都)にみる産業別労働運動の無知・無理解 (検証・関西生コン事件1)(日本語) 単行本 – 2021/4/20
業者団体と警察・検察が一体となった組合弾圧=「関西生コン事件」がはじまって4年。
労働法研究者、自治体議員、弁護士の抗議声明が出され、労働委員会があいついで組合勝利の救済命令を下す一方、裁判所は産業別労働組合への無知・無理解から不当判決を出している。
あらためて「関西生コン事件」の本質、不当判決の問題点を明らかにする!
連帯ユニオン(著)、小谷野 毅(著)、熊沢 誠(著)、& 2 その他
発行・旬報社、定価800円+税

「関西生コン事件」がはじまってから4年目となります。
関生支部(全日本建設運輸連帯労働組合関西地区生コン支部)を標的として、大阪広域生コンクリート協同組合(大阪広域協組)が日々雇用組合員の就労拒否(400人以上)、正社員組合員の解雇、業界あげての団交拒否を開始したのが2018年1月。このあからさまな不当労働行為の尻馬に乗って、滋賀県警が半年後の2017年7~8月にかけて組合員と生コン業者ら10人を恐喝未遂容疑で逮捕しました。その後、大阪、京都、和歌山の三府県警が、2019年11月にかけて、じつに11の刑事事件を仕立てあげ、のべ89人もの組合員と事業者を逮捕。数え上げるとじつに計18回も逮捕劇がくりかえされ、のべ71人が起訴される事態に発展しました。いずれも、ストライキやビラまき、建設現場の法令違反を調査、申告するなどして公正な取引環境を実現するためのコンプライアンス活動、破産・倒産に対して雇用確保を求める工場占拠闘争など、あたりまえの労働組合活動が、恐喝未遂、恐喝、強要未遂、威力業務妨害といった刑事事件とされたものです。
業者団体と警察・検察が表裏一体となった組合弾圧、それが「関西生コン事件」です。
これに対し、歴代の労働法学会代表理事経験者を多数ふくむ78人の労働法学者が2019年12月、憲法28条の労働基本権保障や労働組合法の刑事免責を蹂躙する警察・検察、そしてそれを追認する裁判所を批判して「組合活動に対する信じがたい刑事弾圧を見過ごすことはできない」とする声明を公表しました。全国各地の120人超の自治体議員の抗議声明、弁護士130人の抗議声明なども出されます。また、自治労、日教組などの労働組合や市民団体がつくる平和フォーラムが母体となって「関西生コンを支援する会」が結成されたのをはじめ、各地で支援組織が2019~20年にかけてあいつぎ結成されます。「関西生コン事件」は関生支部だけの問題ではない、労働組合の権利そのものを脅かす事態だという認識が広がっています。
さらに、冒頭に述べた一連の解雇、就労拒否、団交拒否に対抗すべく関生支部が申し立てた20件近い不当労働行為事件において、大阪府労働委員会が2019年秋以降、あいつぎ組合勝利の救済命令を下しています。その数は命令・決定12件のうち10件(2021年4月現在。大半が中央労働委員会に再審査事件として係属)。団結権侵害を主導した大阪広域協組の責任が明確になってきました。
一方、11件の刑事事件はその後、各事件の分離、併合の結果、大阪、京都、和歌山、大津の四地裁において8つの裁判に整理され、審理がすすめられ、現在までに、大阪ストライキ二次事件(2020年10月)、加茂生コン第一事件(同年12月)、大阪ストライキ一次事件(2021年3月)の3つの一審判決が出されています。
これら判決は、労働委員会事件で出された勝利命令とは対照的に、いずれも労働組合運動に対する浅薄な理解と認識をもとに、大阪広域協組の約束違反や企業の不当労働行為を免罪する一方で、産業別労働組合としての関生支部の正当な活動を敵視するものとなっています。
そこで、この機会に、あらためて「関西生コン事件」とはなにか、また、これら不当判決の問題点はなにかを、労働組合運動にたずさわる活動家のみなさまをはじめ、弁護士、研究者、ジャーナリストのみなさまに一緒に考えていただくために、裁判や労働委員会に提出された研究者の鑑定意見書などを収録した『検証・「関西生コン事件」』を随時発刊することにしました。
控訴審において無罪判決を勝ち取るために努力するのはもちろんのことですが、不当判決を反面教師として、先達が築いてきた労働運動の諸権利を学び直し、新たな運動を創造していくことが私たちに求められていると考えます。本書がその手がかりとして活用されることを願ってやみません。
amazonで購入できます。ココをクリック