検察官が「組合脱退勧奨」 取調べ映像再生で明らかに(1/17大津地裁)

検察が不当逮捕された組合員に関生支部脱退を働きかけていた事実が、1月17日、大津地裁の公判で明らかになった。

「コンプライアンス活動の正当性を証言」

この日は、建設現場の法令違反を調査、指摘、ビラ配布したことが恐喝未遂や威力業務妨害とされたコンプライアンス第1事件(湯川委員長ら6人)の被告人質問。元組合員と元大津協組幹事長だった組合員が弁護団の質問に答えて、コンプライアンス活動の実態と正当性を証言した。

「組合つぶしの意図が明白。検察官の公訴権濫用」

その後、弁護団が請求した検察の取調べ動画が法廷で再生された。不当逮捕された組合員に対し、担当の横麻由子(よこ・まゆこ)検事が組合脱退をくりかえし働きかける場面が法廷の画面に映し出されると、裁判長らは食い入るように画面に見入っていた。
検察による労働組合脱退の働きかけ――。この衝撃的なニュースは、同日夜の京都新聞デジタル版で、「組合つぶしの意図が明らかで、検察官による公訴権の濫用だ」との弁護団コメント入りで一報が流された。そして、今日19日の朝刊で大きく報じられた。

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法廷で再生された動画は、2018年11月28日、同年12月6日、同年12月12日の3日分だ。組合員が「黙秘します」と何度も明言しているのに、横検事は無視。執拗に組合脱退を働きかけていた。

※横検事の主な発言(法廷メモ)の詳細は関西生コン弾圧ニュース No.68 を参照

 

「労働組合つぶしの大弾圧を許さない実行委員会」への賛同の呼びかけ PDF

デモクラシータイムス 〈 2022.01.11 〉
池田香代子の世界を変える100人の働き人60人目
労働運動を〈犯罪〉にする国「連帯ユニオン関西地区生コン支部」事件
ゲスト:竹信三恵子さん(ジャーナリスト・和光大学名誉教授)
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関西生コン事件ニュースNo.67 ココをクリック
関西生コン事件ニュースNo.68 ココをクリック 

賃金破壊――労働運動を「犯罪」にする国 竹信三恵子(著)– 2021/11/1 旬報社 1,650円(税込み)

1997年以降、賃金が下がり続けている先進国は日本だけ。
そんななか、連帯ユニオン関西地区生コン支部は、賃上げも、残業規制も、シングルマザーの経済的自立という「女性活躍」も実現した。
業界の組合つぶし、そこへヘイト集団も加わり、そして警察が弾圧に乗り出した。
なぜいま、憲法や労働組合法を無視した組合つぶしが行なわれているのか。
迫真のルポでその真実を明らかにする。

目次 : プロローグ
第1章 「賃金が上がらない国」の底で
第2章 労働運動が「犯罪」になった日
第3章 ヘイトの次に警察が来た
第4章 労働分野の解釈改憲
第5章 経営側は何を恐れたのか
第6章 影の主役としてのメディア
第7章 労働者が国を訴えた日
エピローグ

【著者紹介】
竹信三恵子 : ジャーナリスト・和光大学名誉教授。東京生まれ。1976年東京大学文学部社会学科卒、朝日新聞社入社、経済部、シンガポール特派員、学芸部次長、編集委員兼論説委員(労働担当)、2011-2019年和光大学現代人間学部教授。著書に『ルポ雇用劣化不況』(岩波新書、日本労働ペンクラブ賞)など。貧困や雇用劣化、非正規労働者問題についての先駆的な報道活動に対し、2009年貧困ジャーナリズム大賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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