近江アサノ闘争、控訴審・大阪高裁、背景資本・太平洋セメントへの責任追及行動

連帯ユニオン関西地区生コン支部・京津ブロックは6月2日、近江アサノ解雇撤回闘争を大阪高裁と背景資本の太平洋セメントに対して、大衆行動を展開しました。

「近江アサノコンクリート(株)組合つぶし」

近江アサノ社(滋賀県甲賀氏水口)は2018年12月、関生支部の組合員を不当解雇しました。関生支部・京津ブロックは、ただちに労働現場で解雇撤回闘争を展開。加えて、地位確認訴訟を大津地裁に提訴しました。ところが、大津地裁は2022年2月、労組側の主張を棄却するという「不当判決」を下したのです。

「企業の横暴を助長する大津地裁不当判決に講義する!」

近江アサノ事件(組合員の不当解雇)の地位確認訴訟の控訴審が大阪高裁で開かれる前段に、午前7時50分から情宣活動を展開しました。平田執行委員をはじめ20人が、裁判所の入り口に立ち、公正な審理を訴え、「企業の横暴を助長する大津地裁不当判決に抗議する!」ビラを配布。裁判所の入り口付近の歩行者道路では、職員や市民、会社員らが快くビラを受け取ってくれました。関生組合員や支援労組の熱心な訴えが通じたのか、200枚超のビラが配布できました。

「高裁の裁判官『一審(大津地裁)の判決理由に疑問を抱いている』」

控訴審・大阪高裁の法廷では、開廷が宣言されたあと裁判官が「一審(大津地裁)の判決理由に疑問を抱いている」と発言。弁論準備に入ることが決定しました。民事事件の控訴審は、1回の審理で判決ということが多々あるなかで、継続して審理するといくことは、公正な判断が期待できます。

「組合と弁護団の連携で成果が出た」

公判終了後の総括集会では、弁護団から「①指導手当を支払っていたこと(便宜上の日々雇用であり、実態は正規労働者)。②雇い止めに合理性があるか。と会社側が問われている」などと説明がありました。また、「会社は仕事減を雇い止めの理由としているが、実際は減少していなかったことが、平田執行委員の調査によって立証できた」と組合と弁護団の連携で成果が出たことが報告されました。
三輪弁護士は「以前、一審の判断は誤りであり、控訴審ではその誤りが正されるだろうと発言していた。油断はできないが、しっかり闘おう」と話していたのが印象的でした。

「生まれて初めて裁判官にお辞儀をした」

平田執行委員と当事者の組合員から、支援のお礼と勝利するまで闘う決意が表明されました。最後に、坂田副委員長が「26年間、会社の都合で日々雇用の扱いだった組合員。その組合員を排除するということは、組合つぶしが明らかだ。大津地裁の判決は容認できない。しかし、今日の裁判官の発言に希望を感じ、生まれて初めて裁判官にお辞儀をした。引き続きの支援をお願いする」とまとめ、裁判所前行動を終えました。
早朝にもかかわらず、遠方から駆けつけてくれた支援共闘の仲間のみなさんに感謝します。

「背景資本・太平洋セメントへの責任追及」

午後からは、中央区のオフィス街に移動し、太平洋セメント関西四国支店に対して、近江アサノ社の不当解雇を背景資本に追及する行動を展開しました。
中央区備後町の歩行者道路では、関生支部・京津ブロック組合員をはじめ8人が組合旗を掲げ、平田執行委員がマイクを握り、近江アサノ社の不当解雇を糾弾し、太平洋セメントに対して背景資本としての責任を追及しました。
太平洋セメント関西四国支店が入居している御堂筋三井ビル前の歩行者道路では、関生支部・京津ブロックが作成した「近江アサノ社は、組合つぶしをやめろ!」のビラを配布しました。

「太平洋セメントの社員がビラを取りにきた」

オフィス街にもかかわらず、ビラを受け取ってくれた女性や男性から「頑張ってください!」「応援するよ1」などの激励がありました。
太平洋セメント関西四国支店の社員と思われる男性がビラを取りにきていたのが印象的でした。
約1時間の行動でしたが、組合旗を掲げた組合員と平田執行委員の訴えに、中央区備後町のオフィス街を行き交う会社員らにアピールすることができました。ビラは、120枚の配布でした。引き続き、背景資本への責任を追及する行動を展開します。

「労働組合つぶしの大弾圧を許さない実行委員会」への賛同の呼びかけ PDF
デモクラシータイムス 〈 2022.01.11 〉
池田香代子の世界を変える100人の働き人60人目 労働運動を〈犯罪〉にする国
「連帯ユニオン関西地区生コン支部」事件
ゲスト:竹信三恵子さん(ジャーナリスト・和光大学名誉教授)
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関西生コン事件ニュース No.73 ココをクリック
関西生コン事件ニュース No.74 ココをクリック
2021年12月9日「大阪市・契約管材局と労働組合の協議」
回答が大阪市のホームページに掲載 
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賃金破壊――労働運動を「犯罪」にする国 竹信三恵子(著)– 2021/11/1 旬報社 1,650円(税込み) 1997年以降、賃金が下がり続けている先進国は日本だけ。 そんななか、連帯ユニオン関西地区生コン支部は、賃上げも、残業規制も、シングルマザーの経済的自立という「女性活躍」も実現した。 業界の組合つぶし、そこへヘイト集団も加わり、そして警察が弾圧に乗り出した。 なぜいま、憲法や労働組合法を無視した組合つぶしが行なわれているのか。 迫真のルポでその真実を明らかにする。

 

目次 :
プロローグ
第1章 「賃金が上がらない国」の底で
第2章 労働運動が「犯罪」になった日
第3章 ヘイトの次に警察が来た
第4章 労働分野の解釈改憲
第5章 経営側は何を恐れたのか
第6章 影の主役としてのメディア
第7章 労働者が国を訴えた日
エピローグ

【著者紹介】 竹信三恵子 : ジャーナリスト・和光大学名誉教授。東京生まれ。1976年東京大学文学部社会学科卒、朝日新聞社入社、経済部、シンガポール特派員、学芸部次長、編集委員兼論説委員(労働担当)、2011-2019年和光大学現代人間学部教授。著書に『ルポ雇用劣化不況』(岩波新書、日本労働ペンクラブ賞)など。貧困や雇用劣化、非正規労働者問題についての先駆的な報道活動に対し、2009年貧困ジャーナリズム大賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

第 10 回「日隅一雄・情報流通促進賞」の特別賞を受賞 詳しくはコチラ

(「BOOK」データベースより)

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