「週刊金曜日」2/1(1218号)に、『関西地区の生コン労組の組合活動で大量逮捕者、共謀罪適用の「リハーサル弾圧」』と題した記事が掲載されています。

共謀罪適用の「リハーサル弾圧」

昨年夏から始まった滋賀県警・大阪府警による関生支部(全日本建設運輸連帯労働組合関西地区生コン支部)への威力業務妨害などの容疑で、組合員らを大量逮捕したこと。
共謀罪・秘密保護法対策の両弁護団は、「膨大な電話履歴やメールを収集して関係者間の共謀を立証しようとしている点で『共謀罪型弾圧の大規模な開始を告げるもの』とする『弾圧抗議声明(2018年12月6日付)』を出した」こと。
関生支部は、関西地区の生コン輸送のミキサー運転手を中心にした産業別組織で、企業の枠を越えて、反戦平和、反原発、反基地などを掲げる「闘う労働組合」と知られること。
滋賀県警による恐喝未遂事件では、今年1月18日に大津地裁で開かれた証人尋問で商社支店幹部の一人は、面談での肝心の「脅迫」内容を「記憶にない」と明言し、被疑事実に重大な疑義を抱かせたこと。
滋賀県警による第二事件では、関生支部の建設・建築現場のコンプライアンス(法令遵守)活動や安全パトロールを組合活動で重視し、よりよい生コンの品質を届ける責任があることを、大津市内の住宅建築現場で、組合員らが生コンの納入作業の軽微な不備を「法令違反」と指摘するなどして業務を中断させたといい、威力業務妨害容疑としたこと。
さらに事件を大阪府警が拡大させたとして、関生支部の労働運動である輸送運賃の速やかな引き上げを求めた、ストライキ時の行動を威力業務妨害とし、組合員を大量に逮捕したことなどを述べています。
「憲法28条は、勤労者の団結権・団体交渉権・争議権を規定。労働運動には刑事免責条項が労働組合法と刑法にある。横暴な経営者に対抗するストやピケは正当な行為だ」と述べ、弁護側が共謀罪型の弾圧とするのは、①現場にいなかった組合役員らを一網打尽に逮捕「業務妨害目的で共謀」と認定②その容疑自体が通常は立件しない軽微な事案なのに「業務妨害や嫌がらせ目的の共謀」を付け加えて犯罪化。頭の中で考えたことを罪に問う共謀罪の悪法性を示すとしています。
最後に、大阪と滋賀両方の事件の被告弁護人を務める永嶋靖久弁護士は「関西の各府県が弾圧の競争をしているように見える。このままでは『共謀』が労働運動だけでなく市民運動弾圧の手段として使われる恐れがある」と懸念することが述べられています。
他方、市民団体の支援も広がり、昨年12月には東京都内での緊急集会が開かれたこと、今年の2月12日には京都市内で支援集会が開催されることが報告されています。

滋賀 恐喝未遂事件
第8回 公判
日時:2019年2月7日 10:00~12:00
第9日 公判
日時:2019年2月22日 10:00~17:00
場所:大津地方裁判所
大阪 威力業務妨害事件
第2回 公判
日時:2019年5月15日 10:00~
場所:大阪地方裁判所 大法廷 201
滋賀 大津生コン協組 威力業務妨害事件
第1回 公判

日時:2019年2月28日 11:00~12:00
場所:大津地方裁判所

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