「コンクリートの欠陥を示す『証拠物件』」

阪神淡路震災後、JR西日本は高架橋崩壊の原因とコンクリートの欠陥をひた隠しにしましたが、高架橋がそもそも欠陥品であったことをJRの前身、国鉄はすでに知っていたのです。
旧国鉄の研究機関が16年前に調べた資料の中で、コンクリートの強度が設計基準を下回っていたことが指摘されていました。

「旧国鉄研究機関の『構造物設計資料』から」

問題の文書は、旧国鉄の構造物設計事務所という研究機関が1984年にまとめた「構造物設計資料」です。
この研究グループは、山陽新幹線でほころびが見られた5つの高架橋をサンプルにして、塩分を含んだコンクリートと内部の鉄筋が錆びる関係を調べています。この調査の中に、コンクリートの強度を調べた部分があります。
設計では「1平方センチメートルあたり240キログラムの重さに絶えられる」強度が必要でしたが、AからEと実名を伏せた5つの高架橋のうち4つが基準を満たしていなかったのです。なかでもBの強度は201キログラムしかなかったのです。
普通は、設計基準の2、3割り増しでつくられることになっていて、基準が240キログラムなら300キログラム位になるはずなのに「201キログラム」しかない。問題のB高架橋は兵庫県たつの市の門前高架橋。周辺と比べてコンクリートの劣化は著しく、壁面は虫食い状態で一部は、巨大な鉄板で補強されています。しかも、鉄筋からコンクリートの表面までの厚みを表す「かぶり」も、通常は3センチ以上ないといけないのが、かなり不足しており、手抜き工事以外の何ものでもなかったのです。
さらに、問題の調査資料によれば、たつの市の高架橋は、水とセメントの配合比率が71%。標準より3割以上も多く水が含まれていました。つまり、工事の際に生コンを流し込みやすくするために水を加えた「シャブコン」「不法加水」を示すデータであることが確認されたのです。小林教授は、「強度は最初から低かった。水増しコンクリートが使われた可能性は否定できない」と指摘しています。

「公共事業で問われるゼネコンの手抜きと発注者の監督責任」

この旧国鉄の調査資料には、ゼネコンを気遣ってか施工した企業名は伏せられています。しかし、マスコミの取材・調査から鹿島建設であることが判明しました。原発や巨大なビルの建設など建設業界でも最大手の企業が高架橋を造っていたのです。鹿島建設は当初、マスコミの取材を一切拒否していましたが、最終的に「とてもショッキングな数値だ。監督責任がある旧国鉄があんな資料を出すとは信じられない」とうろたえました。山陽新幹線は、9100億円をかけた国家レベルの公共工事です。国民の税金でまかなわれた工事で「手抜きがあった」となれば、施工業者のみならず、発注者である旧国鉄の監督責任を免れません。その国鉄の研究機関が、杜撰な工事を示すデータを残すのは信じられないというわけなのです。
小林教授は、「この資料をつくった国鉄の人は、造られた構造物を調査する人。当時の現状を調べた貴重なデータといえる。普通はやらない。なにか欠陥がでてきたら自分たちが困るから」と資料の存在に驚き、「安全を見込んでいるので、高架橋がすぐに落下することはないが、2割も強度の低いコンクリートは耐久性に劣る」と指摘しました。
杜撰な工事を行ったゼネコン。それを杜撰な監督と検査ですませた旧国鉄。こうした「負の遺産」を引き継いだJR西日本は、責任の所在を国民に知らせる義務を負っています。

関西生コン弾圧事件ニュース NO.5PDF
「労働組合つぶしの大弾圧を許さない実行委員会」への賛同の呼びかけ
PDF

署名のお願い
滋賀県警本部長あて〈団体署名〉PDF
大津地方裁判所長あて〈団体署名〉PDF
大津地方裁判所長あて〈個人署名〉PDF
◆署名の理由PDF
大阪府警本部長あて〈団体署名〉PDF
大阪地方裁判所長あて〈団体署名〉PDF
大阪地方裁判所長あて〈個人署名〉PDF
◆署名の理由PDF
※PDFのところをクリックしていただき署名用紙をダウンロードしてください。
●署名の集約
第3次集約 5月末日(6月中旬提出)
●署名の送り先
〒111-0051
東京都台東区蔵前3-6-7 蔵前イセキビル4F
全日本建設運輸連帯労働組合中央本部
●電話番号:03-5820-0868

好評販売中!
ストライキしたら逮捕されまくったけどそれってどうなの?(労働組合なのに…) 単行本 – 2019/1/30
連帯ユニオン、小谷野 毅、葛西 映子、安田 浩一、里見 和夫、永嶋 靖久(著)
内容紹介
レイシスト(差別主義者)を使って組合破壊をしかける協同組合、ストライキを「威力業務妨害」、職場のコンプライアンス違反の告発を「恐喝」、抗議を「強要」、組合活動を「組織犯罪」、労働組合を「組織犯罪集団」と言い換えて不当逮捕する警察。
いま、まっとうな労働運動に加えられている資本による攻撃と「共謀罪のリハーサル」ともいえる国家権力による弾圧の本質を明らかにする!
お問い合わせは、連帯ユニオンまで TEL:06(6583)5546 FAX:06(6582)6547
アマゾンでも購入することができます。
こちらから