労働組合運動でウーバーイーツ配達員の要求を実現しよう
イギリス最高裁は2月19日、アメリカの配車サービス大手企業「ウーバー・テクノロジーズ」のロンドンの運転手らに「従業員」の権利を認める判決を出しました。
ウーバー側は運転手に最低賃金の保証や有給休暇を付与する必要が出てくる可能性があります。
個人が仕事をネットで請け負う「ギグ・エコノミー」のあり方を根本から問う判決は、日本を含む世界に影響がおよぶでしょう。
「専門性や個人事業主らしい力で経済的に向上できる余地はほぼない」
ジェイズム・ファラー氏とヤシーン・アスラム氏の運転手2人が2016年に提訴したのが始まりです。ウーバー側は、契約は乗客と運転手の間で交わされ、ウーバーは料金徴収の代行とアプリの仲介手数料を運転手からもらうに過ぎないと反論し、最高裁まで争われました。
「料金はウーバーが設定して運転手側に決定権がない」ことや「サービス規定に運転手が口出しできない」点などに注目した最高裁の判決は、「運転手はウーバーに従う立場に置かれ、専門性や個人事業主らしい力で経済的に向上できる余地はほぼない」と指摘しました。
フランスでも昨年3月、イギリス判決と同様の趣旨で運転手を「従業員」と認める最高裁判決が出ています。
「自分たちの立場を貫き通した」
アプリ運転手・配達員労働組合(ADCU)代表のアスラム氏は、「私たちが業界大手に立ち向かうことができたという点において、これは大きな成果だと思う。私たちは諦めず、一貫した姿勢で臨んだ。体や気持ちに何があっても、経済的に何があっても、自分たちの立場を貫き通した」と述べました。
「権利の獲得で、最低賃金を稼いで生活できるはずだ」
ファラー氏は、「多くの運転手が財政的に苦しみ、ウーバーの仕組みの中で身動きがとれないと感じている」と、コロナ禍の影響で運転手の売り上げが60%下がっていると指摘。運転手の現在の稼ぎは1日30ポンド(約4000円)程度で、イギリス政府が提供する自営業者への助成金は、運転手の利益の80%しか適用されないため、必要経費も十分にまかえない状態。「権利が今すぐに獲得できれば、運転手は少なくとも最低賃金を稼いで生活できるはずだ」と話しました。
「最低賃金や有給休暇が保証される」
運転手側の代理人弁護士は判決を受け、「最低賃金や有給休暇が保証される。推定4万5千人のロンドンのウーバー運転手に影響がある」とコメントしました。
「労働組合運動で要求を実現しよう」
日本でも飲食宅配代行サービス「ウーバーイーツ」の配達員らが労働組合「ウーバーイーツユニオン」をつくり、報酬や事故時の補償などの待遇改善を要求して闘っています。時代は労働組合運動を必要としています。イギリスやフランスの最高裁判決を活用しながら、労働組合運動を労働現場で実践することで、配達員の要求を実現することができるのです。ウーバーイーツの配達員と連帯した闘いをつくりましょう。
「労働組合つぶしの大弾圧を許さない実行委員会」への賛同の呼びかけ PDF
「関生事件」が揺るがす労働基本権
<労働裁判が働き手を素通りするとき> ココをクリック
日刊深夜快速Vol.3551/水曜版・週刊大石ちゃん自由自在(仮)~関西生コンスペシャル・前編~ ココをクリック
日刊深夜快速Vol.3558/水曜版・週刊大石ちゃん自由自在(仮)~関西生コンスペシャル・後編~ ココをクリック
641日勾留された武委員長が語る
「関西生コン事件」で逮捕された武建一委員長は今年5月29日、641日ぶりに保釈された。その1ヵ月後に収録されたロングインタビューをまとめた本が昨年12月10日発刊された。
・一連の事件は、なぜ起きたのか?
・関生支部とはどのような労働組合なのか?
・武建一という人物はいったい何者なのか?
そんな疑問に事実をもって答える1冊。ぜひ、お読みください。『武建一が語る 大資本はなぜ私たちを恐れるのか』
発行・旬報社、四六判218ページ、定価1500円+税
*全日建(全日本建設運輸連帯労働組合)にお申し込みいただければ頒価1500円(送料込み)でお届けします。多部数の場合はお問い合わせください。
お問い合わせ03-5820-0868
【目 次】
第1章 刑事弾圧
641日にもおよんだ勾留生活/なぜ私は逮捕されたのか/協同組合の変質/労組破壊に参加したレイシスト
第2章 「タコ部屋」の過酷労働
私の生い立ち/「練り屋」と呼ばれて/労働運動に目覚める/関生支部の誕生/初めての解雇
第3章 闘いの軌跡
万博不況とオイルショック/ヤクザと生コン/経済界が恐れる産業別労働運動
第4章 大同団結
安値乱売で「がけっぷち」/大阪広域協組の誕生/シャブコン/2005年の弾圧事件/ゼネスト決行/目指すべき場所
解題・安田浩一(ジャーナリスト)
皆様には御元気で御活躍のことと存じます。
この間、全国の多くの皆様より私たち関生支部に対する国家権力と大阪広域生コンクリート協同組合、差別排外主義者集団が一体となった攻撃をはね返す闘いに、多大な御支援をいただきまして誠にありがとうございます。
このたび、著書『大資本はなぜ私たちを恐れるのか』を昨年12月10日に発行する運びとなりました。
今日まで、私は、会社の雇ったヤクザに5回以上殺されかけたり、刑事事件をでっち上げられ前科5犯にさせられています。
1980年代には日経連の大槻文平会長(当時)から「関生型運動は資本主義の根幹に触れる」と言われ、国家権力とマスコミからは「生コンのドン」「金を企業からむしり取る」などとして「反社会的勢力」とレッテルを貼られています。
それはなぜか。歴史と今日を振り返り、事実を元に書かせていただいています。
是非、一読下さい。
心より愛をこめて
武 建一
amazonでも購入できます。ココをクリック