5.14「狭山闘争学習会」
5.23狭山闘争全国統一行動に向けて、「狭山闘争学習会」が5月14日、開催されました。狭山闘争をよく知らない人や若者たちに、58年間の闘いを振り返り、本質や背景を理解し、現状と課題を確認した上で、闘争に挑み勝利するという趣旨で開かれた学習会です。
「地域・職場から狭山闘争を爆発させよう」
関西労組交流センター代表・木下さんの開会あいさつに続いて、全国水平同盟・事務局長の平沼さんが講師を務める学習会が始まりました。
平沼さんは、「でっち上げと権力犯罪を許さない。下山鑑定を武器にして、狭山再審闘争を切りひらこう。地域・職場から狭山闘争を爆発させよう。戦争・改憲攻撃の下での狭山再審棄却を許さず、労働者階級の闘いを展開しよう」と、学習会の目的と課題を話しました。
「『冤罪シリーズ』朝日放送」
狭山事件のあらましと経過を確認するために、10年間にテレビ放送された「冤罪シリーズ(朝日放送)」のDVDが上映されました。映像では、警察権力による組織的犯罪として、吉展ちゃん事件などの警察捜査の失態と権威失墜のなか、「生きた犯人の逮捕」を目的に、石川さんを犯人にするために、証拠(万年筆など)を後付する行為など、でっち上げた事件が見受けられました。
「下山鑑定は決定的武器」
上映後、平沼さんはレジメに基づき「権力による意識的、組織的でっち上げ事件であり、権力犯罪であること。石川さんが狙われた根拠と石川さんの不屈の闘い」などを詳細に述べ、「労働者階級の闘いを差別を使って分断破壊を狙ったでっち上げ事件」と断罪しました。
また、「団結を奪われてきた新自由主義世代こそ、狭山闘争の担い手」であり、「下山鑑定は決定的武器だ。万年筆問題はでっち上げの核心。下山鑑定の決定的意義」を詳しく分析。「検察はここから逃げられない。勝利に向けた闘いに挑む」と締めくくりました。
「5.23狭山闘争全国統一行動の全力結集を」
平沼さんの講演を受けたあとの質疑応答では、活発な議論が展開されました。事件から53年目になる2018年、科学的手法を用いた「下山鑑定」によって、警察・裁判所が「有罪の証拠」としてきた遺留品が、実は警察による「ねつ造」であったことが判明しました。今こそ裁判をやり直し、石川さんの完全無罪を勝ち取るときです。
この学習会を受けた実践として、5.23狭山闘争全国統一行動の全力結集を確認してお開きとなりました。
1963年、埼玉県狭山市で起こった高校生誘拐・殺人事件。容疑者を取り逃がした埼玉県警は、被差別部落に見込み捜査を行い、石川一雄さんを逮捕、拷問で「自白」を強要しました。
一審の浦和地裁は、わずか半年の審理の後、死刑判決を下しました。二審の東京高裁の冒頭、石川さんは「俺は殺していない!」と叫びます。しかし、二審判決においても有罪、無期懲役の判決が下されます。
逮捕から二審・無期懲役判決の獄中31年7ヶ月、そして仮出獄(1994年)から今日に至るまで、石川さんは無実を訴え、 闘い続けています。
「労働組合つぶしの大弾圧を許さない実行委員会」への賛同の呼びかけ PDF
「関生事件」が揺るがす労働基本権
<労働裁判が働き手を素通りするとき> ココをクリック
日刊深夜快速Vol.3551/水曜版・週刊大石ちゃん自由自在(仮)~関西生コンスペシャル・前編~ ココをクリック
日刊深夜快速Vol.3558/水曜版・週刊大石ちゃん自由自在(仮)~関西生コンスペシャル・後編~ ココをクリック
挑戦を受ける労働基本権保障――一審判決(大阪・京都)にみる産業別労働運動の無知・無理解 (検証・関西生コン事件1)(日本語) 単行本 – 2021/4/20
業者団体と警察・検察が一体となった組合弾圧=「関西生コン事件」がはじまって4年。
労働法研究者、自治体議員、弁護士の抗議声明が出され、労働委員会があいついで組合勝利の救済命令を下す一方、裁判所は産業別労働組合への無知・無理解から不当判決を出している。
あらためて「関西生コン事件」の本質、不当判決の問題点を明らかにする!
連帯ユニオン(著)、小谷野 毅(著)、熊沢 誠(著)、& 2 その他
発行・旬報社、定価800円+税
「関西生コン事件」がはじまってから4年目となります。
関生支部(全日本建設運輸連帯労働組合関西地区生コン支部)を標的として、大阪広域生コンクリート協同組合(大阪広域協組)が日々雇用組合員の就労拒否(400人以上)、正社員組合員の解雇、業界あげての団交拒否を開始したのが2018年1月。このあからさまな不当労働行為の尻馬に乗って、滋賀県警が半年後の2017年7~8月にかけて組合員と生コン業者ら10人を恐喝未遂容疑で逮捕しました。その後、大阪、京都、和歌山の三府県警が、2019年11月にかけて、じつに11の刑事事件を仕立てあげ、のべ89人もの組合員と事業者を逮捕。数え上げるとじつに計18回も逮捕劇がくりかえされ、のべ71人が起訴される事態に発展しました。いずれも、ストライキやビラまき、建設現場の法令違反を調査、申告するなどして公正な取引環境を実現するためのコンプライアンス活動、破産・倒産に対して雇用確保を求める工場占拠闘争など、あたりまえの労働組合活動が、恐喝未遂、恐喝、強要未遂、威力業務妨害といった刑事事件とされたものです。
業者団体と警察・検察が表裏一体となった組合弾圧、それが「関西生コン事件」です。
これに対し、歴代の労働法学会代表理事経験者を多数ふくむ78人の労働法学者が2019年12月、憲法28条の労働基本権保障や労働組合法の刑事免責を蹂躙する警察・検察、そしてそれを追認する裁判所を批判して「組合活動に対する信じがたい刑事弾圧を見過ごすことはできない」とする声明を公表しました。全国各地の120人超の自治体議員の抗議声明、弁護士130人の抗議声明なども出されます。また、自治労、日教組などの労働組合や市民団体がつくる平和フォーラムが母体となって「関西生コンを支援する会」が結成されたのをはじめ、各地で支援組織が2019~20年にかけてあいつぎ結成されます。「関西生コン事件」は関生支部だけの問題ではない、労働組合の権利そのものを脅かす事態だという認識が広がっています。
さらに、冒頭に述べた一連の解雇、就労拒否、団交拒否に対抗すべく関生支部が申し立てた20件近い不当労働行為事件において、大阪府労働委員会が2019年秋以降、あいつぎ組合勝利の救済命令を下しています。その数は命令・決定12件のうち10件(2021年4月現在。大半が中央労働委員会に再審査事件として係属)。団結権侵害を主導した大阪広域協組の責任が明確になってきました。
一方、11件の刑事事件はその後、各事件の分離、併合の結果、大阪、京都、和歌山、大津の四地裁において8つの裁判に整理され、審理がすすめられ、現在までに、大阪ストライキ二次事件(2020年10月)、加茂生コン第一事件(同年12月)、大阪ストライキ一次事件(2021年3月)の3つの一審判決が出されています。
これら判決は、労働委員会事件で出された勝利命令とは対照的に、いずれも労働組合運動に対する浅薄な理解と認識をもとに、大阪広域協組の約束違反や企業の不当労働行為を免罪する一方で、産業別労働組合としての関生支部の正当な活動を敵視するものとなっています。
そこで、この機会に、あらためて「関西生コン事件」とはなにか、また、これら不当判決の問題点はなにかを、労働組合運動にたずさわる活動家のみなさまをはじめ、弁護士、研究者、ジャーナリストのみなさまに一緒に考えていただくために、裁判や労働委員会に提出された研究者の鑑定意見書などを収録した『検証・「関西生コン事件」』を随時発刊することにしました。
控訴審において無罪判決を勝ち取るために努力するのはもちろんのことですが、不当判決を反面教師として、先達が築いてきた労働運動の諸権利を学び直し、新たな運動を創造していくことが私たちに求められていると考えます。本書がその手がかりとして活用されることを願ってやみません。
amazonで購入できます。ココをクリック
641日勾留された武委員長が語る
「関西生コン事件」で逮捕された武建一委員長は今年5月29日、641日ぶりに保釈された。その1ヵ月後に収録されたロングインタビューをまとめた本が昨年12月10日発刊された。
・一連の事件は、なぜ起きたのか?
・関生支部とはどのような労働組合なのか?
・武建一という人物はいったい何者なのか?
そんな疑問に事実をもって答える1冊。ぜひ、お読みください。『武建一が語る 大資本はなぜ私たちを恐れるのか』
発行・旬報社、四六判218ページ、定価1500円+税
*全日建(全日本建設運輸連帯労働組合)にお申し込みいただければ頒価1500円(送料込み)でお届けします。多部数の場合はお問い合わせください。
お問い合わせ03-5820-0868
【目 次】
第1章 刑事弾圧
641日にもおよんだ勾留生活/なぜ私は逮捕されたのか/協同組合の変質/労組破壊に参加したレイシスト
第2章 「タコ部屋」の過酷労働
私の生い立ち/「練り屋」と呼ばれて/労働運動に目覚める/関生支部の誕生/初めての解雇
第3章 闘いの軌跡
万博不況とオイルショック/ヤクザと生コン/経済界が恐れる産業別労働運動
第4章 大同団結
安値乱売で「がけっぷち」/大阪広域協組の誕生/シャブコン/2005年の弾圧事件/ゼネスト決行/目指すべき場所
解題・安田浩一(ジャーナリスト)
皆様には御元気で御活躍のことと存じます。
この間、全国の多くの皆様より私たち関生支部に対する国家権力と大阪広域生コンクリート協同組合、差別排外主義者集団が一体となった攻撃をはね返す闘いに、多大な御支援をいただきまして誠にありがとうございます。
このたび、著書『大資本はなぜ私たちを恐れるのか』を昨年12月10日に発行する運びとなりました。
今日まで、私は、会社の雇ったヤクザに5回以上殺されかけたり、刑事事件をでっち上げられ前科5犯にさせられています。
1980年代には日経連の大槻文平会長(当時)から「関生型運動は資本主義の根幹に触れる」と言われ、国家権力とマスコミからは「生コンのドン」「金を企業からむしり取る」などとして「反社会的勢力」とレッテルを貼られています。
それはなぜか。歴史と今日を振り返り、事実を元に書かせていただいています。
是非、一読下さい。
心より愛をこめて
武 建一
amazonでも購入できます。ココをクリック