2022年、第93回港地域メーデー
「2022年第93回港地域メーデー」が5月1日、全国金属機械労働組合港合同とNPOみなとの主催で開催され、会場の港区・入船公園には100人を超える労働者や市民が結集しました。連帯ユニオンからは、関西地区生コン支部が参加しました。
「戦時下のメーデー、闘うメーデーを確認しよう!」
田中機械支部・澤田さんの司会で港地域メーデーはスタート。澤田さんは「3年ぶりのメーデーの開催だが、素直に喜べない情勢だ。ウクライナでの戦禍が広がっているさなか、戦時下のメーデーであり、闘うメーデーをあることを確認する」と開会宣言。
「ウクライナ戦争の背景と本質を考えよう!」
港合同・中村委員長の主催者あいさつ。中村委員長は「3年ぶりのメーデーを雨天のなかの開催に結集した仲間の皆さんに感謝する。激しい組織破壊攻撃に闘っている関生支部から3名の仲間が駆けつけてくれた。ウクライナでは激しい戦争が2ヶ月あまり続いている。メディアや映像では、100対0でロシアが悪いと報道されている。ロシアの侵攻は許されることではない。しかし、過去には、アメリカがイラク戦争の大儀とした大量破壊兵器が後になかったことが判明したように、ロシア対NATO・アメリカという構図を考えるべきだ。新型コロナウイルス感染により、昌一金属支部の仲間が逝去したことから、組合員のコロナ感染による労働条件などについて会社と協定書を交わした。仲間意識が重要であり、仲間への思いやりを持ちって臨むのが港合同の誇りだ。カジノ建設反対の闘いでは、まずは、住民投票を実現することだ。大阪都構想を2度にわたり粉砕し勝利したことに確信を持って、署名活動の協力をお願いする。カジノ建設の土地整備に大阪の税金を1000億円以上も使うのではなく、医療、介護など、市民のために税金を使うべきだ。子や孫のために健全な大阪を残す。関生の反転攻勢の闘いは、我々の防潮堤となり、団結権を守る闘いだ。本日のメーデーを共に闘おう!」とウクライナ戦争の背景や本質と、労働組合の仲間意識の重要性を話し、維新の会のカジノ建設反対と関生弾圧粉砕に共に闘う決意を表明しました。
「大阪広域生コン協組の組合つぶし、それに便乗した警察・検察による権力弾圧に勝利するまで闘う!」
関西地区生コン支部・武谷書記次長の連帯あいさつ。武谷書記次長は、日頃の関生支部弾圧への物心両面にわたる支援にお礼をのべ、この間の闘争の成果と課題を報告したあと「関生支部は、改憲と戦争を阻止するために、先頭に立って闘うことを表明する。港合同の先輩たちの闘い、背景資本や取引先への行動では、不当労働行為企業が脅威を抱き、仮処分攻撃をしかけてきた。先輩たちの行動を学び、実践したことで、不当労働行為企業に大きな打撃を与えた。港合同の先輩たちが闘争により勝ち取った、労働委員会の勝利命令を武器として有効活用する闘いでは、1970年代の大阪府知事、大阪市長による『不当労働行為企業は、公共事業に参入させないし、購入もしない』との成果を引き継ぎ、大阪府、兵庫県の各市に申し入れを展開している。
大阪広域生コン協組の組合つぶし、それに便乗した警察・検察による権力弾圧に勝利するまで闘う。大阪維新の会、吉村・松井による大企業優位政策のIR・カジノ建設を中止・撤廃に追い込むための行動に共に闘う」と決意を表明しました。
「ロシア対ウクライナではなく、アメリカ・NATOとの対立だ!」
港合同・原田副委員長の基調報告。原田副委員長は、港地域メーデーに結集した仲間に敬意を表したあと「メーデーは、1886年5月1日、アメリカ・シカゴの労働者が『8時間を仕事に、8時間を休息に、8時間を自分たち自身のために』と訴えてゼネラルストライキに立ち上がった日だ。この闘いが全世界に広がり、1889年には8時間労働制確立に向けて世界中で労働者が5月1日にメーデーに取り組むようになった歴史がある。コロナ禍によって2年間中止したなかでは、中小企業の閉鎖や倒産など危機的な状況のなか、労働組合に結集して闘ってきた。ウクライナにロシアが一方的に侵略し、人民の虐殺、病院への空爆などを許してはけない。一方、ロシアが悪でウクライナが善との報道を信じてはいけない。ロシアの軍事行動は、アメリカの戦争政策の失敗であり、多くの人民の犠牲を強いた。21年、バイデンがウクライナのNATO加盟を強行したことから、ロシアの不信を拡大させたのだ。ロシア対ウクライナではなく、アメリカ・NATOとの対立だ。核兵器を恫喝に使うプーチン。安倍、橋下の核兵器共有などあり得ない。日本では、原発にミサイルを撃ち込めば凄惨なこととなるのは明らかだ。
正義の戦争はない。労働者・民衆が犠牲になるのが戦争だ。反戦闘争と闘う労働者と連帯して闘い、戦争を止めることが求められている。戦争を止めることに、労働者が声をあげる責任がある。関生弾圧は、法を守るべき権力が、労働組合をつぶすことに奔走している。戦争させない闘いと、関生への支援と連帯行動で闘うことが重要だ」と戦争を止めること、関生弾圧に支援行動するなどの闘争方針を示しました。
「メーデー宣言」
NPOみなと・玉置代表のメーデー宣言。玉置代表は「NO WAR!命を奪うな!平和を希求する叫びが世界で響き渡っている。ロシアのウクライナ侵略は2ヶ月を超え、市民を巻き込み、凄惨の度はいや増している。大ロシア主義とウクライナの右翼民族主義、そしてアメリカのロシア弱体化戦略が織りなすこの戦争を、核戦争の危機をはらむ戦争をただちに終わらせなければならない。ロシアは侵略をやめよ。ウクライナに平和を。そして同時に、この危機に便乗し核武装に走らんとする核共有論を断じて許さず、非核三原則を堅持しなければならない。改憲の策動を許してはならない。改憲派は言う、緊急事態条項が必要だと。しかしウクライナの現実が教えているのは『武力で平和は守れない』という真理だ。九条改憲阻止。平和憲法を守り抜こう。自衛隊はすでに供与した防弾チョッキ等に続き、防護マスクやドローンの提供を決定した。市販品だから防衛装備移転三原則に違反しないなどとの詭弁は認められない。攻撃兵器に転用可能なドローンを供与してはならない。職場に武器を送るな。昨年12月、加茂生コン事件の大阪高裁逆転無罪判決を勝ち取った関西生コン支部の闘いは、1月には大阪地裁の公判で取り調べのビデオ記録を開示させ、検察官による執拗な組合脱退勧奨の実態を白日の下にさらした。さらに4月26日大津地裁、再度検察の暴挙がビデオ記録から明らかとなった。2018年8月、今次弾圧で最初の逮捕の翌日、黙秘する組合員に対して、『連帯、どんどん削っていきますよ』と何度もしつこく迫っている。逮捕翌日の発言は、この弾圧は刑事事件ではなく、連帯労働組合関西地区生コン支部に対する組織破壊攻撃が本質であることを赤裸々に語っている。国家権力自らによる露骨な組合つぶし、憲法違反の団結破壊攻撃を跳ね返せねばならない。この闘いを自らの闘いと捉え、関西生コン支部の仲間と共に団結権を堅持する闘いを断固闘い抜こう。辺野古では土砂投入が4年目に突入した。軟弱地盤を国は早くから知りながら沖縄県には隠蔽していたことが明らかになった。沖縄の民意を踏みにじり、米軍基地強化、日米軍事同盟強化のために辺野古の海を奪うな。普天間基地即時無条件返還。辺野古新基地建設阻止。ただちに埋め立てを止めよ。沖縄を返せ。沖縄に返せ。円は20年ぶりの安値をつけ、下がり続けている。原因は日本の低金利政策であり、もとはといえば輸出企業の業績を伸ばして株価を上げるアベノミクスにある。原油や穀物をはじめあらゆる商品の国際価格が上昇する中、このつけが重くのしかかる。上げられなかった消費者物価は上昇し、上がらぬ賃金と相俟って生活を直撃する。日銀は低金利施策を止めよ。アベノミクスのつけはごめんだ。福島第一原発事故は終わっていない。原子力非常事態宣言は解除されず、避難民は3万2千人を超え、廃炉の目途も立っていない。にもかかわらず、国は増え続ける汚染水の海洋放出を決定した。放射瀬物質を含む汚染水の放出を許してはならない。国と東電は原発事故の責任をとれ。再稼働をやめ、すべての原発を停止せよ。コロナ禍は3年目に入るも変異株が頻発。先は見通せない。その中で注視すべきは大阪府の累計死者数だ。4月29日現在4945人は全国一。人口比は0.06%と東京の2倍。感染者数の人口比は10.1~2%%だけに死者数は特筆に値する。保健医療の予算も資源も削り続けた結果が今日の事態だ。イソジンもカッパも打ち上げただけ。野戦病院も利用者はいない。大阪府市は地に足つけたコロナ対策を行え。都構想が住民投票によって否決された。にもかかわらず、大阪維新は府市一元化条例によって政令指定都市大阪市の権限と財産を奪い大阪府に与えた。市立の特別支援学校に続いて市立高校が本年度より移管された。さらに4月、カジノを含むIR整備計画を大阪府は国に送付した。カジノは賭博性から違法。よほどの巨利がないと阻却されない。しかし事業計画は水増しとしかいえない収益を基にしている上、業者は勝手に撤退できる契約。おまけに降って湧いた、土地改良費に790億円の大阪市の公費投入。カジノの成功は大阪府民が博打で擦ること。カジノの失敗は巨額の公費投入が無に帰すこと。まさに博打で家を建てた者はいない。カジノ阻止の正念場、住民投票実現に向けた署名を成功させよう。本メーデーは世界中で平和を願う人々と共にあることを確信する。NO WAR!命を奪うな!ウクライナに平和を!第93回メーデーの名において、右宣言する。万国の労働者、団結せよ!2022年5月1日、第93回メーデー万歳。港合同」宣言しました。
港通り、注目を浴びたデモ行進」
「メーデー宣言」を参加者全員が確認。昌一金属支部・木下委員長のかけ声で「団結がんばろう!」を参加者全員が唱和して集会はお開き。続いて、デモ行進です。
入船公園を出発し、港通りを西に進み、国道43号線に入って、港合同・田中機械までのコースです。
「NO WAR!命を奪うな!」「ウクライナの戦争を止めよう!」「改憲許すな!」「非核三原則堅持!」とのスローガンが記されている横断幕を先頭に、旗や幟がはためき、シュプレヒコールが鳴り響く、100人超のデモ行進は、港通りを行き交う市民やドライバーらから注目を浴びました。小学生とその家族が、マンションのバルコニーから笑顔で手を振って激励してくれたのが印象的でした。
最終地点の港合同・田中機械の駐車場で、南労会支部・役員のリードで「団結がんばろう」を参加者全員で唱和。港地域メーデーは大成功して幕を閉じました。
労働組合の団結と行動で、戦争を止めましょう!カジノ建設を中止に追い込み、大阪維新を打倒しましょう!関生弾圧をはじめすべての労働組合弾圧を粉砕しましょう!
関西地区生コン支部が展開する産業別労働運動への仲間の皆さんのご協力とご支援に感謝します。また、日頃の関西地区生コン支部弾圧への物心両面にわたるご支援に、心からお礼を申し上げます。さて、「今こそ関生魂を!!激動と根底的変革の時代を共に生きよう!6.4映画「棘2.独白」上映(主催、6.4映画「棘2.独白」上映実行委員会)が、6月4日(土)18:00から文京区民センター2Aで開催するというチラシが配布されています。
このチラシには、連帯・関西地区生コン支部と記された組合旗が、写真で掲載されていますが、この主催者団体らと、全日本建設運輸連帯労働組合関西地区生コン支部は、何ら一切関係のないことをお知らせします。
関西地区生コン支部が携わり、関与する集会などのイベントについては、当労働組合発刊の機関紙「くさり」や、当労働組合が作成するホームページの「連帯広報委員会」でお知らせしています。支援共闘の仲間の皆さんには、お間違えのないようにくれぐれもよろしくお願いします。
5月23日、9時30分から大阪高等裁判所前公園で座り込み集会を開催します。大阪ストライキ1次事件は2017年12月に行ったストライキを威力業務妨害として事件とされた裁判で一審では不当な判決を受けています。5月23日11時、判決が言い渡されることになっています。座り込み集会に結集し、無罪判決を勝ち取りましょう。支援者の皆様、集会への結集をよろしくお願いします。
「労働組合つぶしの大弾圧を許さない実行委員会」への賛同の呼びかけ PDF
池田香代子の世界を変える100人の働き人60人目
労働運動を〈犯罪〉にする国「連帯ユニオン関西地区生コン支部」事件
ゲスト:竹信三恵子さん(ジャーナリスト・和光大学名誉教授)
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賃金破壊――労働運動を「犯罪」にする国 竹信三恵子(著)– 2021/11/1 旬報社 1,650円(税込み)
1997年以降、賃金が下がり続けている先進国は日本だけ。
そんななか、連帯ユニオン関西地区生コン支部は、賃上げも、残業規制も、シングルマザーの経済的自立という「女性活躍」も実現した。
業界の組合つぶし、そこへヘイト集団も加わり、そして警察が弾圧に乗り出した。
なぜいま、憲法や労働組合法を無視した組合つぶしが行なわれているのか。
迫真のルポでその真実を明らかにする。
目次 : プロローグ
第1章 「賃金が上がらない国」の底で
第2章 労働運動が「犯罪」になった日
第3章 ヘイトの次に警察が来た
第4章 労働分野の解釈改憲
第5章 経営側は何を恐れたのか
第6章 影の主役としてのメディア
第7章 労働者が国を訴えた日
エピローグ
【著者紹介】
竹信三恵子 : ジャーナリスト・和光大学名誉教授。東京生まれ。1976年東京大学文学部社会学科卒、朝日新聞社入社、経済部、シンガポール特派員、学芸部次長、編集委員兼論説委員(労働担当)、2011-2019年和光大学現代人間学部教授。著書に『ルポ雇用劣化不況』(岩波新書、日本労働ペンクラブ賞)など。貧困や雇用劣化、非正規労働者問題についての先駆的な報道活動に対し、2009年貧困ジャーナリズム大賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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