今日まで獲得してきた労働条件のリセットと称して、正規雇用の賃上げゼロ、日々雇用者(非正規雇用)の賃金を日額1万8千円まで引き下げる集合交渉の内容の実質

労働条件を引き下げた懇談会形式の近畿生コン関連協議会の春闘交渉

近畿生コン関連協議会(建交労関西支部、交通労連生コン産業労働組合、UAゼンセン同盟)の「2018春闘ニュース 3号」(2018年3月30日)で、本年3月29日、関西建設関連オーナー会(オーナー会)との集合交渉が終結したとの発表がありました。
同ニュースでは正規労働者の賃上げは「現行どおり」と書かれていました。これは、「賃上げゼロ」を意味します。日々雇用労働者(非正規雇用)の賃上げについては、「日額賃金15,000円未満の企業については15,000円へ到達させる」と一応は賃上げをうたっているものの、「日額賃金の上限を18,000円とする」という回答もあわせてあったことも書かれていました。つまり、企業に日々雇用労働者の日額賃金については、賃上げどころか逆に18,000円以下まで引き下げてもよいと示唆するものだったのです。(関生支部など労組連合会の18春闘は、日々雇用者の賃上げについては日額2万5千円以下は500円の引き上げを獲得)
同集合交渉の回答については拘束力は持たないことを約束しているもので、あくまでもガイドラインであり、オーナー会が参加各社に周知することになると書かれていました。これでは労働組合が行う団体交渉とは言えません。このような「懇談会」形式の話し合いでは、労働者の労働条件を前進させることなど到底できるはずはありません。逆に、賃金を引き下げる機会や動機を企業に与えるだけです。
大阪の生コン業界では、正社員で年収630万円程度が一般的な水準であり、年収800万円を超える職場も少なくありません。年間休日も125日と他の産業と比べても突出しています。名古屋地区の生コン業界などでは年収300万円台が一般的であるといわれています。
現在、建交労関西支部の一部幹部などは、関西のセメント生コン業界での慣習・慣行など労働条件をリセットすると嘯いています。それは、1970年代から関生支部の産業別労働運動を先頭に長年の運動で培ってきた厚遇な労働条件を破壊するということを意味しています。このような態度は、組合員の要求よりも幹部の保身を優先するあらわれではないでしょうか。

関西生コン関連労組連合会。当然、団体交渉権の行使の交渉。18春闘交渉で労働条件が大きく前進

一方、関西生コン関連労組連合会(関西地区生コン支部、全港湾大阪支部、近畿コンクリート圧送労働組合)と大阪兵庫生コン経営者会(経営者会)との18春闘集団交渉については、交渉形態は産業別労使交渉形式の集団交渉で、その性質については労働組合法に基づく団体交渉権の行使であり、参加の各企業に誠実交渉応諾義務が求められます。合意内容についても労働協約として参加の各企業が拘束されるというものです。
そのような交渉形態だからこそ、正社員の賃上げについては、年収630万円以下が1万円、年収630万円超が7千円。日々雇用労働者(非正規雇用)の賃上げについては、2万5千円以下の企業で日額500円の引き上げと要求を大きく前進させることができたのです。
関西生コン関連労組連合会の春闘交渉では、賃金引き上げなど経済要求だけではなく、「制度要求」「労使関係のあり方に関する要求」「政策要求」「平和と民主主義の擁護に関する要求」などテーマについても多岐にわたって行われました。
※関西生コン関連労組連合会の18春闘の合意内容については、「18春闘、賃上げ1万円(月額)で妥結。労組連合会は高水準の内容で勝利解決」 参照

そもそも労働組合の団体交渉とは

労働組合が行う団体交渉は、憲法28条の労働基本権のうちでも労働者の雇用・労働条件を決定するという重要な制度です。それゆえ労働組合法では使用者に、誠実な対応をつうじて労働組合と合意形成の努力を求める「誠実交渉応諾義務」が課せられています。合意についても拘束力の生じる労働協約の締結が前提となっています。
団体交渉権行使の団体交渉であり、合意については労働協約締結が前提の関西地区生コン支部や全港湾大阪支部など関西生コン関連労組連合会と経営者会との集団交渉と、事実上、お願いベースの懇談会であり、回答についても何ら拘束力を持たないガイドライン程度の建交労関西支部や交通労連生コン産労など近畿生コン関連協議会とオーナー会との集合交渉のどちらが労働者の要求のためのものなのか一目瞭然です。
労働組合の団体行動権の行使であるストライキを組織犯罪と呼ぶ労組の本質があらわになった18春闘なのでした。

※「-人の死までも関生叩きに利用する倒錯的な野合の実態 第六回 - 大阪広域協組4人組の主張の代弁を下請けする建交労関西支部や交通労連生コン産労などの活動には労働者の要求への思いはない。あるのは幹部の保身のみである」へ続く