１８春闘、賃上げ１万円（月額）で妥結。労組連合会は高水準の内容で勝利解決

労組連合会　１８春闘妥結！　正社員１万円、日々雇用労働者（日額）５００円の賃上げを勝ち取った。非正規労働者の正規化や下請け輸送の運賃値上げも具体化し、平和と民主主義を擁護する要求などもについても合意に至った

歴史と現状から学び、労使協力・連携以外に協同組合・中小企業の経営安定はない

　3月29日、関西生コン関連労働組合連合会（以下、労組連合会＝全港湾大阪支部・近圧労組・連帯労組関生支部）と大阪兵庫生コン経営者会との１８春闘第４回集団交渉が開かれ、経営側は最終有額回答を示し、労働側が合意しました。（詳細は下表参照）
　１８春闘の解決内容については、正社員は月額１万円の賃上げ、非正規（日々雇用）労働者は日額５００円の賃上げ。生コンクリート輸送運賃などについても大型一台あたり日額５．５万円で最終調整し、バラセメント輸送運賃も昨年１２月の労使協定に基づきトンあたり５１０円引き上げで最終調整。そのほか、業界民主化の要求である「６項目提言」の実現の具体化や平和と民主主義擁護の取り組みなどについても労使協調で取り組むことを確認がなされました。
※「６項目提言」については、本サイト「広域協組＋差別排外主義者による“関生支部つぶし”の策動。その背景と真因。」ページ参照

賢者は歴史から学ぶ。労使協力して安定の方向へ、業界の体質改善に全力を尽くそう！（武建一関西生コン関連労働組合連合会議長発言要旨）

　現在の近畿の状況を見ると、和歌山は動揺している経営者もいるが、全てが丸山になびいているわけではない。少し時間がかかるが正常化する。一方、奈良・京都・滋賀の経営者は差別・排外主義集団に対して微動だにしていない。
　大阪・和歌山で動揺している経営者は３つに分類できる。一つは、脅迫・恫喝されてやむを得ず従っている者。二つ目は、この状況を利用して賃金・労働条件を抑えたいという者。三つ目は、この機会に労働組合の力を弱めて都合のよいシステムをつくりたいという者。
　三つ目の経営者は歴史から教訓を得ようとしていない。中小企業の経営を改善するために労使が協力した歴史を忘れている。私たちは相手を分析して業界の体質改善に全力を尽くさなければならない。

中小企業も労働者も世界情勢や政治の動きに大きく影響を受ける

　先日、米国が中国に対して高い関税をかけると発表。その他の国にも関税をかけて貿易不均衡を是正すると言っている。これはまさに世界規模での経済戦争だ。
　こういうなかで、朝鮮民主主義人民共和国（共和国）の金委員長が中国を電撃訪問。中国は朝鮮半島の繁栄・安定のために存在感を示す狙いがある。そして、共和国は中国の後ろ盾を得て米国に対抗したいとの思惑がある。
　日本はどうか。安倍首相は共和国への『制裁』『圧力』一辺倒で、結果的に『蚊帳の外』という状態だ。それだけではなく、森友問題でも疑惑は深まるばかりだ。
　深刻な危機に直面しているのは大企業の利益代理人である安倍政権。現在の政策は大企業にのみ恩恵があるが、中小企業や労働者、地方は疲弊するばかり。犠牲を弱者に押し付けて危機を乗り切ろうとしているが、ことごとく失敗している。

時代は共生協同の方向へ。それに逆行する大阪広域協組

　中小企業は共生・協同の仕組みがなければ生き残れない。協同組合は共同受注・共同販売・シェア運営という大企業と闘う『武器』を持っている。しかし、広域協組はそれを悪用。高い組織率を背景にゼネコンや販売店を恫喝している。これは世界の流れに逆行するもので、必ず破綻する。
　時代は、競争ではなく共生・協同に向かっている。それに逆行しているのが現在の広域協組。これを正常化にするために労使が全身全霊を傾けよう」。