滋賀「コンプライアンス」事件第50回公判、5月30日、大津地裁
連帯ユニオン関西地区生コン支部への権力弾圧をめぐる公判が5月30日、滋賀・大津地裁で開かれました。本日の公判は、被告人質問です。
「コンプライアンス事件とは」
「滋賀・コンプライアンス事件」は、建築現場で働く労働者の安全確保や現場近隣の安全と環境破壊を防止するなどのコンプライアンス活動(法令遵守)が、恐喝未遂・威力業務妨害などとされている事件です。
「検察官の取り調べ映像が証拠として採用された」
本日の公判は、S組合員(元執行委員)の被告人質問です。冒頭、S組合員の人定質問と罪状認否(裁判官の変更により)がおこなわれ、S組合員は「正当な活動であり、無罪」と主張しました。
続いて、弁護側が請求したS組合員への検察官の取り調べ映像(前回の法廷で上映されたもの)を、証拠として採用することが裁判官から発せられました。
「5時間にもおよぶ被告人質問」
S組合員の被告人質問は、森弁護士の主尋問で始まり、大山弁護士が続きました。午前、午後にわたる長時間の主尋問となりました。
検察官の反対尋問、裁判官からの質問を経て、5時間にもおよんだS組合員の被告人質問は終了しました。
「無罪判決をめざして全力をつくす」
公判終了後、弁護団から本日の公判の総括が報告されました。森弁護士は「関生支部の産業政策運動の集大成を訴えた。産別運動が問われている裁判に、コンプラ活動が違法ではなく、適法であることを映像などで立証してきた。無罪を勝ち取るために頑張る」とまとめました。
「傍聴支援に駆けつけてくれた多くの仲間に感謝します」
当事者のS組合員から、仲間への支援行動のお礼が述べられたあと「無罪判決を勝ち取る」と決意が表明されました。
長時間にわたる公判に、傍聴支援に来てくださった仲間のみなさんに感謝します。遠方から駆けつけてくれた仲間のみなさん、本当にありがとうございました。
次回の第51回公判は、6月27日(月)、10:00から。湯川委員長の被告人質問です。本日の公判終了間際に、検察官が、反対尋問時間の延長を裁判官に求めていたことから、長時間の公判になると思いますが、多くの仲間の傍聴支援を呼びかけます。
池田香代子の世界を変える100人の働き人60人目 労働運動を〈犯罪〉にする国
「連帯ユニオン関西地区生コン支部」事件
ゲスト:竹信三恵子さん(ジャーナリスト・和光大学名誉教授)
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賃金破壊――労働運動を「犯罪」にする国 竹信三恵子(著)– 2021/11/1 旬報社 1,650円(税込み) 1997年以降、賃金が下がり続けている先進国は日本だけ。 そんななか、連帯ユニオン関西地区生コン支部は、賃上げも、残業規制も、シングルマザーの経済的自立という「女性活躍」も実現した。 業界の組合つぶし、そこへヘイト集団も加わり、そして警察が弾圧に乗り出した。 なぜいま、憲法や労働組合法を無視した組合つぶしが行なわれているのか。 迫真のルポでその真実を明らかにする。
目次 :
プロローグ
第1章 「賃金が上がらない国」の底で
第2章 労働運動が「犯罪」になった日
第3章 ヘイトの次に警察が来た
第4章 労働分野の解釈改憲
第5章 経営側は何を恐れたのか
第6章 影の主役としてのメディア
第7章 労働者が国を訴えた日
エピローグ
【著者紹介】 竹信三恵子 : ジャーナリスト・和光大学名誉教授。東京生まれ。1976年東京大学文学部社会学科卒、朝日新聞社入社、経済部、シンガポール特派員、学芸部次長、編集委員兼論説委員(労働担当)、2011-2019年和光大学現代人間学部教授。著書に『ルポ雇用劣化不況』(岩波新書、日本労働ペンクラブ賞)など。貧困や雇用劣化、非正規労働者問題についての先駆的な報道活動に対し、2009年貧困ジャーナリズム大賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
第 10 回「日隅一雄・情報流通促進賞」の特別賞を受賞 詳しくはコチラ
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