「大阪都構想」住民投票で否決しよう!

大阪市を廃止・分割する「大阪都構想」の制度案について、大阪府議会、大阪市議会が議決したことで、住民投票が11月1日に行われることになりました。2015年5月の住民投票で「大阪都構想」は否決されたのにもかかわらず。

良識ある有識者は、次のように述べています。

「地域医療の要を壊した大阪維新の会」

元大阪弁護士会会長・石田法子さんは、「新型コロナウイルスの第2波に向けて対策が急がれる中、住民サービスを大きく後退させる「大阪都構想」を推し進めようというのは納得できない。大阪維新の会はこの間、大阪府と大阪市の二重行政を解消すると声高に叫んできた。しかし、それで行ったことは地域医療の要だった住吉市民病院(住之江区)の廃止だった。この病院は大阪市南部の地域医療を幅広く担っており、コロナ禍の今こそ必要だったと言わざるを得ない。大阪経済が『都構想』で良くなるというのも多いに疑問だ。コロナに伴う自粛で、大阪経済は大打撃を受けており、私のところにも店や会社を閉じたいという相談が相次いでいる。大阪のものづくりを支えてきた中小企業を支援せず、『都構想』でなんでもかんでも解決するというのは大間違い。それに『都構想』の皮算用はコロナ前のもの。維新政治はこれまでも、医療分野を削るなど住民サービスの視点が大きく欠けている」と大阪維新の会がおこなった悪政を述べ、「都構想をやめて、住民のための大阪をつくろう」と訴えました。

「特別区になれば財政が破たんする」

立命館大学教授・森裕之さんは、「大阪市は政令指定都市。いまは都市計画などの大阪市特有の権限を持っているが、市を廃止・分割して特別区になると、これらの権限が大阪府に奪われる。財源も奪われ、半人前の自治体になる。これが『大阪都構想』の本質だ。新型コロナウイルス感染症の影響で、全国で多くの企業が倒産・休業している。大阪市も大幅な税収減となるのは間違いなく、公衆衛生などの支出増も避けられない。コロナの終息する見通しは立っていないことから、今後の税収や支出は予測のしようがない。それなのに、府と市は、コロナ以前につくった『財政シミュレーション』をもとに『特別区の財政運営は成り立つ』と説明している。こんなバカな話しはない。特別区への移行には、システム改修や庁舎改修などの経費もかかり、特別区になれば財政が破たんするのは目に見えている。制度についての説明は不十分。そのうえコロナ禍に住民投票を実施するなんて言語道断だ」と怒りを露わにしています。

「戦争遂行のために設置された特別区」

世田谷区長・保坂展人さんは、「東京の特別区制度は戦時下にできたもの。戦争遂行のため、意思決定の迅速化をはかる目的で東京府と東京市が廃止され『特別な区』が置かれた。特別区は都の内部団体とされ、自治権が大幅に制限されてきた。1952年、区長を選挙で選出する「公選制度」が廃止された。自治権拡充を求める運動を展開し、1975年にようやく区長公選制が復活した。数々の運動で権限を勝ち取ってきた歴史がある。2000年には特別区が基礎自治体として位置づけられた。しかし、全国の市町村にある、都市計画の用途地域を指定する権限はない。特別区は自由なまちづくりができない。今年、都から児童相談所の権限が移管された。協議開始から約10年かかった。悲惨な児童虐待もあり、特別区側は移管の協議を急ぐよう要望したが、都側の態度は硬く、なかなか進まなかった。これまでは都の児童相談所の職員1人あたり、100件以上のケースを抱えていた。世田谷区の移管に伴い職員を増やし、支援が手厚くなり、1人あたり20~30件ほどに改善された。世田谷区の人口は約92万人。これは政令指定都市以上の規模。権限も政令市なみの力を勝ち取っていきたいと思っている。特別区制度はもう時代遅れ。大きな権限、財源を持つ大阪市を廃止するのなら、東京の特別区が自治権拡充のためにどんな苦労をしてきたのか。その歴史にも目を向けてほしいと思う」と話します。

「住民投票で否決しよう」

住民投票で否決することを求めて、街頭に出て広報宣伝活動を展開することが、私たち労働組合に求められています。大阪都構想を粉砕するために行動しましょう。

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